自動車保険の「記名被保険者」とは?契約者、所有者、記名保険者の違いを解説
更新日:2024.09.09
初めて自動車保険に加入しようとしている人は特に、「記名被保険者」という専門用語を見て意味がわからず戸惑ってしまうかもしれません。自動車保険を検討する際には、このような専門用語を理解しておく必要があります。そこで今回は「記名被保険者」などの専門用語を解説し、所有者や契約者との違いについてもわかりやすく説明します。
自動車保険の「記名被保険者」の基礎知識
自動車保険の「記名被保険者」とは、保険の対象となる車をおもに運転する人のことです。契約者や所有者との違いも理解しやすいよう、具体例をもとに解説していきます。
たとえば70代の父親が40代の息子夫婦と同居しており、家には父親が購入して所有している車があるとします。父親は高齢のため、最近ではほとんど車を運転することがなく、息子夫婦に自由に使わせています。一方息子は、父親名義の車ではあるけれど自分たちがおもに使っているため、自分名義で自動車保険に加入しました。車を頻繁に運転しているのは、買い物や家族の送り迎え等で毎日のように車を利用している息子の妻です。
たとえば70代の父親が40代の息子夫婦と同居しており、家には父親が購入して所有している車があるとします。父親は高齢のため、最近ではほとんど車を運転することがなく、息子夫婦に自由に使わせています。一方息子は、父親名義の車ではあるけれど自分たちがおもに使っているため、自分名義で自動車保険に加入しました。車を頻繁に運転しているのは、買い物や家族の送り迎え等で毎日のように車を利用している息子の妻です。
この場合、車をおもに運転する人は「息子の妻」です。もしも車の事故やトラブルがあって自動車保険の補償を受けることになった場合、補償対象は記名被保険者を中心に決められます。また年齢別料率区分や、等級・事故有係数適用期間など継承範囲についても記名被保険者が基準となります。そのため「息子の妻」を記名被保険者として自動車保険に加入します。
「記名被保険者」・「契約者」・「所有者」の違いは?
自動車保険を契約する際には、「記名被保険者」、「契約者」、「所有者」という3つの名義を記入しなくてはなりません。そのため、この3つの区別に関する知識は必要不可欠です。まず契約者と所有者の定義を確認しましょう。
契約者は自動車保険の契約をし、保険料を支払う人を指します。また所有者は保険契約の対象となる車を所有している人のことです。先ほどの家族の例で見てみましょう。
契約者は自動車保険の契約をし、保険料を支払う人を指します。また所有者は保険契約の対象となる車を所有している人のことです。先ほどの家族の例で見てみましょう。
「契約者」は保険を契約し保険料を支払う人ですので、「息子」になります。実際に保険を契約し、保険料を払う義務を負うのは息子です。また契約に関しては息子が主体となっているので、息子は契約内容や補償内容を変更したり、解約したりするなど保険契約全般に関する権利を持ちます。
一方「所有者」は「父親」です。車検証に名前が記載されている人が所有者となります。車両保険に加入し、交通事故や自然災害等で車が破損し車両保険金が支払われることになれば、所有者である父親が受け取ります。記名被保険者、契約者、所有者は同一であることもありますが、ここで挙げた例のように別々になるケースもあります。
一方「所有者」は「父親」です。車検証に名前が記載されている人が所有者となります。車両保険に加入し、交通事故や自然災害等で車が破損し車両保険金が支払われることになれば、所有者である父親が受け取ります。記名被保険者、契約者、所有者は同一であることもありますが、ここで挙げた例のように別々になるケースもあります。
「記名被保険者」の変更が必要となるタイミングは?
自動車保険において記名被保険者は「車をおもに運転する人」ですので、運転する人が代われば変更する必要があります。
先ほどの例に挙げた家族の息子に新社会人となった子供(車の所有者から見て孫)がいるとします。孫は会社まで自動車通勤をすることになり、家にある祖父所有の車を使うことになりました。通勤は毎日のことですから、車を一番多く利用するのはこの孫になります。このような場合は、記名被保険者を息子の妻から孫に変更する必要があります。なお孫が結婚して苗字が変わった場合、名義変更の手続きが必要になります。
先ほどの例に挙げた家族の息子に新社会人となった子供(車の所有者から見て孫)がいるとします。孫は会社まで自動車通勤をすることになり、家にある祖父所有の車を使うことになりました。通勤は毎日のことですから、車を一番多く利用するのはこの孫になります。このような場合は、記名被保険者を息子の妻から孫に変更する必要があります。なお孫が結婚して苗字が変わった場合、名義変更の手続きが必要になります。
記名被保険者が亡くなった場合にも変更手続きが必要ですが、これは所有者や契約者が亡くなったときも同様です。また記名被保険者を引き継げるのは本人の配偶者と、本人または配偶者の同居親族に範囲が限られているので注意が必要です。
自動車保険の契約手続きに必要不可欠な「記名被保険者」や、「所有者」「契約者」との違いについて説明しました。補償の対象はあくまでおもに運転する人を基準に決められることになっており、そのために必要なのが記名被保険者の設定です。補償をしっかりと受けられるよう、最も車を使うのは誰なのかよく考えたうえで記名被保険者を決めるようにしましょう。