自動車保険は事故対応力を比較しよう!重視すべきポイントや選び方とは?
自動車の購入に合わせて加入する自動車保険ですが、多くの保険会社がさまざまな自動車保険を販売していることもあり、どのようなポイントに注目して保険を選べばいいか迷ってしまうかもしれません。そこで今回は、自動車保険の補償のなかでも特に事故対応力に焦点を当てて、万が一の交通事故やトラブルの際にしっかりとしたサポートが受けられる自動車保険の選び方について、ファイナンシャルプランナーの藤 孝憲氏と伊藤 亮太氏に紹介していただきました。
ファイナンシャルプランナー 藤 孝憲(とう たかのり)氏による事故対応力のポイント解説
藤 孝憲|とう たかのり
日本FP協会所属のファイナンシャルプランナー。企業に属さない中立公正なファイナンシャルプランナーとして、2006年に独立。保険商品や住宅ローンなどの金融商品の選び方を中心に情報発信しています。保険分野については、約30社の生損保商品を販売していた元保険募集人としての経験や情報を生かした執筆をしております。保険商品は難しいかもしれませんが、複数の商品を比較して初めてそれぞれの商品の特徴が浮かび上がります。記事を通して、商品選びの参考になれば幸いです。
【保有資格】
CFP®、宅建士(未登録)、住宅ローンアドバイザー、証券外務員二種、エクセルVBAエキスパート
自動車保険の事故対応力とは?
これまで事故を起こしたことがない方であれば「どのような保険でも同じである」と感じるかもしれません。運転の上手いドライバーでも夜間であれば見通しが悪く運転リスクが高まりますし、気づかないうちにスピードを出してしまい不慮の事故を起こしてしまう可能性もあります。どれだけ気を配っても相手の不注意で事故を貰ってしまうことも考えられます。
夜間の事故であっても的確かつ迅速に対応してくれるかどうかが自動車保険選びにおいては非常に重要なポイントです。どのような補償内容でどんなサポートがあるのかについてしっかり事前確認するとともに、事故を起こしてしまったドライバーは現場で何をするべきかを迅速かつ明確に示してくれる事故対応力の高い保険会社を選びましょう。
事故対応力はどうやって比較したらいいの?
事故対応力のポイント1:いつでも初期対応してくれるかどうか
できるだけ迅速に動き出して対応を行ってくれる保険会社であれば事故対応力は高い、と言えるでしょう。その日のうちに対応してくれて今後の具体的な方針と見通しを示してくれるような保険会社であれば、事故後の不安なドライバーの気持ちもきちんと整理し状況を落ち着かせてくれるはずです。
事故対応力のポイント2:保険会社がどこまでサポートしてくれるか
「事故後の対応について助言はどの程度してくれるのか」、「事故の相手にも丁寧に対応してくれるのか」、「手続きはどの程度保険会社でやってくれるのか」というポイントについても事故対応力を評価する上で欠かせない項目であると言えるでしょう。
事故時に保険会社がしてくれる対応とは?
まず事故を起こしてしまった自動車のためにレッカーサービスを派遣してくれる保険会社であれば安心です。近くのサービス拠点からレッカーなどのロードサービスを手配するので、事故現場がサービス拠点から近ければ、修理工場へ車を運んでもらうことができます。事故の連絡と同時にこのようなサービスを受けられるか、というスピード感も重要です。保険を契約する際に、どの程度サービス拠点が充実しているかを確認したほうがいいでしょう。
自動車保険には、過失割合や補償について、事故相手との話し合いをリードしてくれる示談交渉サービスが付帯されています。事故に関する賠償金などデリケートな内容の話し合いをリードしてくれるのはメリットです。過失割合は過去の判例などをもとに評価することになりますが、事故ごとの判例について知識が豊富な担当者が対応してくれるかどうかも保険を契約するときにチェックしたほうが良いポイントだと言えるでしょう。
失敗しない自動車保険の選び方
実際の事故が起こった際にどのようなケアを車両や保険契約者にしてくれるか、どの程度の補償をしてくれるのかなど、保険を選ぶ上ではこれらの点を総合的に判断して、万が一の際のサービスが充実している保険会社を選ぶと失敗は少ないでしょう。
ファイナンシャルプランナー伊藤 亮太(いとう りょうた)氏が重視する事故対応力とは
伊藤 亮太(いとう りょうた)
岐阜県大垣市出身。慶應義塾大学大学院商学研究科経営学・会計学専攻修了。在学中にCFPを取得する。その後、証券会社にて営業、経営企画、社長秘書、投資銀行業務に携わる。2007年11月に「スキラージャパン株式会社」を設立。現在、富裕層個人の資産設計を中心としたマネー・ライフプランの提案・策定・サポート等を行う傍ら、資産運用に関連するセミナー講師や講演を多数行う。著書に『図解即戦力 金融業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社)、『ゼロからはじめる!お金のしくみ見るだけノート』(宝島社)、『あなたの街でも砂金が採れる!?~令和時代の砂金採り入門~』(Amazonオンデマンド)など多数。
自動車保険では、事故後の対応として保険会社が間に入って事故相手への対応や話し合いを進めてくれるオプションがあります。こうしたオプションを含めて、事故対応に違いはあるのかどうか、通販型と代理店型を比較し、どちらがおすすめか解説していきたいと思います。
事故対応に違いはあるの?どちらがおすすめ?
事故を起こした場合の対応として、まずは事故報告を保険会社に行います。通販型も代理店型も一般的に電話で事故受付を行っています。そして、事故発生の連絡を受けた保険会社の担当者が事故の状況を聞き取り、その場で何をすべきかアドバイスを行います。
その後、相手方への連絡、事故直後の医療機関の手配、代車の手配など必要なロードサービスの手配を行ってくれます。また、適正な保険金支払いのための調査や相手方との示談交渉を行い、事故解決に努めます。
大きな流れはいずれも変わりませんので、それよりも事故が発生した時にどのようなサポートを希望したいかで保険は選択すべきでしょう。
事故対応はどのようなポイントを重視すべき?
比較すべきポイントは、初期対応、サポート体制、ロードサービスです。初期対応では、通販型においては受付時間に制限がある場合がありますので注意が必要です。なお、コールセンターは24時間対応のところが多いものの、実際に事故を起こした際の相手への対応や具体的な指示を出す早さ、対応力は保険会社によって差があります。
保険会社のサポート体制も会社によってばらつきがある可能性があります。そのため、事故後の対応について助言はどの程度してくれるのか、事故の相手にも丁寧に対応してくれるのか、手続きはどの程度保険会社でやってくれるのかがポイントとなります。サポート体制がしっかりしている保険会社の場合、気が動転している場合でも冷静さを取り戻すことができるでしょう。
最後に、ロードサービスがつけられるかどうかも確認が必要です。事故が発生した場合、近くのサービス拠点からレッカーなどのロードサービスが手配されます。そのため、サービス拠点がどれほど充実しているかによって、事故の連絡時にロードサービスが素早く受けられるかが変わります。スピード感を重視する方は、サービス拠点が充実しているかどうかも確認しておきましょう。
事故対応を充実させるには
弁護士費用特約とは、自動車事故により相手方に損害賠償請求を行うにあたって、弁護士に依頼する費用を保険会社が負担してくれる特約です。交通事故の被害にあった場合の面倒な手続きや示談交渉を任せることができ、解決方法のアドバイスを受けることもできるため、心強いことでしょう。いらぬ心配事をなくしたい場合には、弁護士費用特約を付加することをおすすめします。
事故対応において、通販型と代理店型で基本的に大きな違いはありません。ただし、細かく言えば、サポート体制やロードサービスなどの点で違いがあります。また、弁護士費用特約を付加することで面倒な手続きや示談交渉も任せることができます。できるだけ不安をなくすことができる、そうした保険選びを目指しましょう。