自動運転車技術のプロパイロットとアイサイト、ホンダセンシングって何が違う?

セレナ

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近年、飛躍的に向上しているのが安全装備です。エマージェンシーブレーキを皮切りに、現在ではレーンキープ走行を可能にするなど、自動運転技術も徐々に実装されつつあります。さて、現在各メーカーが用意している安全装備プロパイロットとアイサイト、ホンダセンシングですが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。
Chapter
各社、開発に注力する運転支援機能
今後の自動運転技術につながっていく「日産 プロパイロット」
2019年5月…日産が手放し運転に対応した半自動運転機能「プロパイロット2.0」を発表
プロパイロットとプロパイロット2.0の違い
プロパイロット2.0の作動条件
日産のプロパイロットが搭載されている車
日産 スカイライン (プロパイロット2.0搭載)
日産 セレナ
日産 エクストレイル
日産 リーフ
高い評価をうける安全技術、「スバル アイサイト」
スバルのアイサイトが搭載されている車
スバル レガシーB4
スバル レガシーアウトバック
スバル レヴォーグ
スバル WRX S4
スバル インプレッサ スポーツ
スバル インプレッサG4
スバル XV / XVハイブリッド
スバル フォレスター
スバル エクシーガクロスオーバー7
ホンダも熟成を続ける安全技術「ホンダ センシング」とは
まだまだ進化を続ける自動運転技術…

各社、開発に注力する運転支援機能

自動車の開発といえば、運動性能や居住性の向上やパワーユニットの高効率化などが思い浮かびますが、現在、各メーカーが力を入れている技術は「運転支援機能」です。

居住性やパワーユニットの高効率化は、これからも変わらないわけですが、ある域まで収斂的進化を遂げているのも事実。一方で、これから伸びていくのが安全技術、運転支援技術であり、さらにいえば自動運転技術ということになるでしょう。

現在、自動運転は、4つのレベルに定義されています。

・レベル1…加速・操舵・制動のいずれかをシステムが行う状態。自動ブレーキなどの安全運転支援システムによる。

・レベル2…加速・操舵・制動のうち複数の操作をシステムが行う状態。アダプティブクルーズコントロール(ステアリングアシスト付き)等がこれに該当する。ドライバーは常時、運転状況を監視操作する必要がある。

・レベル3…加速・操舵・制動をすべてシステムが行い、システムが要請したときはドライバーが対応する状態。加速・操舵・制動を全て自動的に行うシステム。

・レベル4…完全自動運転。加速・操舵・制動を全てドライバー以外が行い、ドライバーがまったく関与しない状態。安全に関わる運転操作と周辺監視をすべてシステムや外部に委ねる。

その先駆けともいえる日産 プロパイロットは、上記のレベル2を取得しています。ここでは、プロパイロットとそれを追従するスバル アイサイト、ホンダ センシング、といったテクノロジーをチェックしてみたいと思います。

今後の自動運転技術につながっていく「日産 プロパイロット」

高速道路や渋滞などのシーンでの単調なドライビングは、非常にストレスがかかり疲労してしまいます。これを軽減させる機能がプロパイロット。

日産 セレナに搭載されて話題となった「プロパイロット」は、自動運転レベル2に合致する技術。高性能カメラと高性能レーザースキャナーが、走行している車線や前走車を高精度に算出することで、車間距離を把握し適切に加減速を行い、同一レーンでの走行をサポートします。

このカメラ、スキャナーによる探知機能で緊急時のブレーキングも行うエマージェンシーブレーキも搭載、安全性と快適性を確保した仕様となっています。

設定も簡単で、ハンドルに設けられたプロパイロットボタンを押すだけ。ブレーキを踏むと解除される設定になっています。

とはいえハンドルに必ず軽く手を添えて、とメーカーも注意喚起をしています。しかしドライバーの負担は格段に減るのが、このプロパイロットといえるでしょう。

2019年5月…日産が手放し運転に対応した半自動運転機能「プロパイロット2.0」を発表

プロパイロットでは、あくまでハンドル操作は支援の範囲にとどまります。他メーカーの運転支援機能と同様に、運転者がハンドルから手を離すと一定時間経過後に警告を発し、ハンドル支援が切れてしまうのです。

対してプロパイロット2.0は、前車追従機能に加えて手放し運転が可能です。より自動運転に近づいた運転支援機能となります。また、ドライバーのスイッチ操作により、前車の追い越しと車線復帰も自動で行います。

プロパイロットは単眼カメラを用いて前車との距離や車線を把握して支援していました。一方でプロパイロット2.0は、カメラに加えてレーダーやソナー、GPS、3D高精度地図データを使い、自車の周囲360度と正確な位置を把握。なめらかな運転を実現します。

日産自動車は、運転支援機能の「プロパイロット」を進化させ、手放しでのドライブが可能になる「プロパイロット2.0」を開発し、「スカイライン」に搭載されることになりました。

日産自動車はこれまでに、ハンドルを支援して車線を維持し、前車に合わせて自車の速度を自動的に合わせる運転支援機能「プロパイロット」を開発。自社製品に搭載してきました。

プロパイロットとプロパイロット2.0の違い

プロパイロットでは、あくまでハンドル操作は支援の範囲にとどまります。他メーカーの運転支援機能と同様に、運転者がハンドルから手を離すと一定時間経過後に警告を発し、ハンドル支援が切れてしまうのです。

対してプロパイロット2.0は、前車追従機能に加えて手放し運転が可能です。より自動運転に近づいた運転支援機能となります。また、ドライバーのスイッチ操作により、前車の追い越しと車線復帰も自動で行います。

プロパイロットは単眼カメラを用いて前車との距離や車線を把握して支援していました。一方でプロパイロット2.0は、カメラに加えてレーダーやソナー、GPS、3D高精度地図データを使い、自車の周囲360度と正確な位置を把握。なめらかな運転を実現します。

プロパイロット2.0の作動条件

しかし、どんな道でも作動するものではなく、高速道路などの自動車専用道での作動に限られるとのこと。作動はナビゲーションの設定に連動し、高速道路の本線合流から出口までの運転を支援します。道路、交通、自車の状況が安全であることはもちろん、車内カメラがドライバーを監視し、常に前方を注視してハンドルをすぐに握れる場合にのみ作動。眠りながら機能を作動させることはできないようです。

プロパイロット2.0はアクセルやブレーキ、ハンドルから身体を離せることによって、これまで以上にドライバーの負担を軽減してくれる機能なのは間違いありません。

日産のプロパイロットが搭載されている車

日産 スカイライン (プロパイロット2.0搭載)

日産 セレナ

日産 エクストレイル

日産 リーフ

高い評価をうける安全技術、「スバル アイサイト」

クルマの安全性能を評価するJNCAP(独立行政法人 自動車事故対策機構)の予防安全性能アセスメントで、搭載車が最高ランクを獲得するほど、その安全技術が評価されているスバルの「アイサイト」。現在は、Ver.3に進化しています。

他メーカーは、カメラとレーダーセンサーの組み合わせで安全装備を構築しているのに対し、スバルはフロントガラス上部付近に搭載したステレオカメラのみで、安全技術を構築している点が特徴です。
ステレオカメラで立体的に画像を解析し、目の前の物体が何なのか(歩行者・自転車・自動車・バイク)を識別、また道路状況、車線などについても認識します。

このステレオカメラは、プリクラッシュブレーキ、全車速追従機能付クルーズコントロール(0-100km/h対応)、ステアリング操作のアシストを行うアクティブレーンキープといった機能も搭載しています。

日産のプロパイロットと同様ではないか、と思われるかもしれませんが、ステアリングアシストの領域が限られるため、自動運転ではレベル1の評価になっています。

スバルのアイサイトが搭載されている車

スバル レガシーB4

スバル レガシーアウトバック

スバル レヴォーグ

スバル WRX S4

スバル インプレッサ スポーツ

スバル インプレッサG4

スバル XV / XVハイブリッド

スバル フォレスター

スバル エクシーガクロスオーバー7

ホンダも熟成を続ける安全技術「ホンダ センシング」とは

ホンダの開発した先進の安全運転支援システムが「ホンダ センシング/Honda SENSING」です。

これは対象の位置や速度を検知するミリ波レーダーと、対象の大きさや形状を識別する単眼カメラで車両進行方向の状況を認識する、2つのセンサーとコントロールユニットで構築されています。

衝突軽減ブレーキ(CMBS)、歩行者事故低減ステアリング、路外逸脱抑制機能、誤発進抑制機能、先行車発進お知らせ機能、標識認識機能といった装備に、ミリ波レーダーと単眼カメラで前走車との車間距離と速度差を検知します。

そして、あらかじめ設定した車速内で加減速、適切な車間距離を保つようアクセルやブレーキの制御を行うACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)とLKAS(車線維持支援システム)といった機能で、自動運転のレベル1を獲得しています。

まだまだ進化を続ける自動運転技術…

このように、現在の自動運転に関しては、各メーカーが進化の過程を辿っているところであり、もう間もなく自動運転レベル3が実用されるといわれています。

となれば完全自動運転も、この先10年ほどで開発されるかもしれませんね。

ただし、自動運転には、他方で人工知能の倫理の問題も出てくるといえます。これは、サンデル教授の提言で話題となった、「事故を回避できない場合、それを最小にとどめるためにどういった対応を取るか…」など、人間でも最適解が出せないケースもある問題であり、今後の自動運転技術と倫理面の関連性も、ひとつテーマとして浮かびあがってくるかもしれませんね。
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