自動運転の国際基準制定、国土交通省も発表
更新日:2022.12.26
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2018年3月、国土交通省は、自動で車線変更を行う自動ハンドル操作に関する国際基準が新たに成立したことを発表しました。
この基準は、今後の自動運転に関して、重要な内容を含んでいます。私たちには、どういった影響があるのでしょうか。
文・吉川 賢一
この基準は、今後の自動運転に関して、重要な内容を含んでいます。私たちには、どういった影響があるのでしょうか。
文・吉川 賢一
今、世界の自動運転はどのレベル?
自動運転に関する国際基準は、国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)で話し合われています。
自動運転の開発プランによれば、2020年からの実用化を目指しているのが、「特定の場所にてクルマが運転操作を主導的に担当」するレベル3です。特定の場所とは、高速道路を想定しており、追い越しや合流、分岐を、クルマ側が主体となり操作を行います。ただし、危険度が高い場合には、自動運転中であってもドライバーが対応することができます。
この自動で車線変更を行う、自動ハンドル操作に関する国際基準が新たに制定されました。
自動運転の開発プランによれば、2020年からの実用化を目指しているのが、「特定の場所にてクルマが運転操作を主導的に担当」するレベル3です。特定の場所とは、高速道路を想定しており、追い越しや合流、分岐を、クルマ側が主体となり操作を行います。ただし、危険度が高い場合には、自動運転中であってもドライバーが対応することができます。
この自動で車線変更を行う、自動ハンドル操作に関する国際基準が新たに制定されました。
何が新たに決まったのか?
今回制定されたのは、高速道路上で、自動で車線変更を行うことを可能にする、レベル3の自動ハンドル操作に関する国際基準です。
これにより「システムの状態が運転者に示されること」、「運転者のハンドル操作が優先されること」、「車線変更する先の車線において、後方から接近する車両と自車との車間距離が十分でない場合には、自動車線変更を開始しないこと」などが規定されました。
この基準は、2018年10月頃に発効される予定です。
それよりも高度な自動運転システムで、特定の条件下で、クルマ側がすべての運転操作を行うのがレベル4です。地域を限った無人運転移動サービスや、高速道路での完全自動運転といった内容が想定されています。
レベル4においては、これまでにも距離や障害物などを認識できるセンサーやカメラを搭載した自動運転試験車を使って、自動車メーカーやITメーカーによる実走試験が行われてきました。今後は、WP29傘下の自動運転分科会にタスクフォースを設置して、走行シミュレーションも駆使しし、さらに詳細な検討を進める内容の合意がされました。
これにより「システムの状態が運転者に示されること」、「運転者のハンドル操作が優先されること」、「車線変更する先の車線において、後方から接近する車両と自車との車間距離が十分でない場合には、自動車線変更を開始しないこと」などが規定されました。
この基準は、2018年10月頃に発効される予定です。
それよりも高度な自動運転システムで、特定の条件下で、クルマ側がすべての運転操作を行うのがレベル4です。地域を限った無人運転移動サービスや、高速道路での完全自動運転といった内容が想定されています。
レベル4においては、これまでにも距離や障害物などを認識できるセンサーやカメラを搭載した自動運転試験車を使って、自動車メーカーやITメーカーによる実走試験が行われてきました。今後は、WP29傘下の自動運転分科会にタスクフォースを設置して、走行シミュレーションも駆使しし、さらに詳細な検討を進める内容の合意がされました。
責任はドライバー?自動車メーカー?
自動運転が採用されると、問題になるのは、事故を起こしたときの責任の所在です。今回の基準成立の発表のなかで国土交通省は「自動運転中に車が事故を起こした場合の責任の所在」を検討した研究会の報告書も以下のように公開しています。
・自動運転車両と手動運転車両が混在する過渡期に事故が起きた場合には、被害者を迅速に救済するため、現行の自賠法で定められているように「自動車所有者に責任がある」とすること。ただし、システムの欠陥や障害がある場合には、製造者に責任がある可能性があるため、保険会社が自動車メーカーに賠償請求をできるよう、ドライブレコーダーなど、事故原因を解析できる装置の活用や、事故原因を調査する体制の整備といった、仕組みづくりを検討すること。
・ハッキングによって引き起こされた事故の損害は、自動車所有者が必要なセキュリティ対策をとっていれば、盗難車と同様に「政府保障事業で対応する」こと。
・自動運転中の自損事故は、従来の自動車と同様に「自賠責の対象とはならない」こと。
・自動運転車両と手動運転車両が混在する過渡期に事故が起きた場合には、被害者を迅速に救済するため、現行の自賠法で定められているように「自動車所有者に責任がある」とすること。ただし、システムの欠陥や障害がある場合には、製造者に責任がある可能性があるため、保険会社が自動車メーカーに賠償請求をできるよう、ドライブレコーダーなど、事故原因を解析できる装置の活用や、事故原因を調査する体制の整備といった、仕組みづくりを検討すること。
・ハッキングによって引き起こされた事故の損害は、自動車所有者が必要なセキュリティ対策をとっていれば、盗難車と同様に「政府保障事業で対応する」こと。
・自動運転中の自損事故は、従来の自動車と同様に「自賠責の対象とはならない」こと。
「ハッキングによる事故に対する責任」に関するコメントが登場したのは、ついにレベル4の自動運転社会を予期させてくれる出来事でした。
これから数年の間、自動運転車とドライバーが運転する車が混在する過渡期において、私たちが理解しておかねばならないのは、自動運転操作中に事故が起きた場合、私たちドライバー側に責任があるということです。
これから数年の間、自動運転車とドライバーが運転する車が混在する過渡期において、私たちが理解しておかねばならないのは、自動運転操作中に事故が起きた場合、私たちドライバー側に責任があるということです。