車の高寿命化や開発コストの増加など…自動運転の一般化による車メーカーのジレンマ
更新日:2024.09.09
※この記事には広告が含まれます
自動車の開発には莫大なコストがかかるのは周知の通りかと思います。各社は、その投資に見合う利益を販売というカタチで取り戻さなくてはならないわけですが、昨今、メーカーサイドもジレンマがあるといえるのです。
クルマの高性能化とそれにともなうメーカーのジレンマ
自動車産業は、モノづくり大国日本の基幹産業のひとつです。より良い製品を作り続けるのが、その使命であり、私達ユーザーもその恩恵を受けることができるわけです。
しかし、どんなに素晴らしいモデルを作っても、マーケットに受け入れられなければ意味を成しません。
近年の自動車は、以前に比べて比較にならないほど高性能になっており、それは耐久性という点にも表れています。さらに停滞する経済状況が、自動車の乗り換えサイクルに変化をおよぼしているのは、想像に難くありませんね。
内閣府の消費動向調査(2016年4月発表)のデータでは、1993年での買い替えサイクルは5.5年だったものが、2016年では8.1年に伸びています。毎年変動はありますが、おおむね現在は8年以上は乗る、というのが統計として表れているのです。
これは多大な開発コストをかけて新型モデルを開発するメーカーにとっては、ある意味自縄自縛ともいえるジレンマです。
環境対策というのはもちろん大義としてありますが、エコカー減税といったスクラップインセンティブを国策として導入したのは、乗り換え需要を喚起するという側面もありました。
しかし、どんなに素晴らしいモデルを作っても、マーケットに受け入れられなければ意味を成しません。
近年の自動車は、以前に比べて比較にならないほど高性能になっており、それは耐久性という点にも表れています。さらに停滞する経済状況が、自動車の乗り換えサイクルに変化をおよぼしているのは、想像に難くありませんね。
内閣府の消費動向調査(2016年4月発表)のデータでは、1993年での買い替えサイクルは5.5年だったものが、2016年では8.1年に伸びています。毎年変動はありますが、おおむね現在は8年以上は乗る、というのが統計として表れているのです。
これは多大な開発コストをかけて新型モデルを開発するメーカーにとっては、ある意味自縄自縛ともいえるジレンマです。
環境対策というのはもちろん大義としてありますが、エコカー減税といったスクラップインセンティブを国策として導入したのは、乗り換え需要を喚起するという側面もありました。
開発コストはどれほどかかるのか?
以下は、大手自動車メーカーの2016年度の研究開発費です。
・トヨタ自動車…1兆700億円
・ホンダ…6,900億円
・日産自動車…5,600億円
・スズキ…1,400億円
・マツダ…1,250億円
・スバル…1,200億円
・三菱…970億円
合計すると、2兆8,020億円です。
パワーユニット、プラットフォームの共有化など、メーカーでは合理化を進めていますし、開発コストも圧縮しているようですが、毎年これだけのコストがかかっているのはメーカーにとって大きな負担です。
開発コストが高騰する理由としては、ハイブリッドシステムや水素エネルギー、回生エネルギーの研究など新技術が必須になっていることも挙げられますし、2017年現在では運転支援機能が重要視されています。つまるところ、自動運転技術の開発・研究です。
プラットフォームやパワーユニットといった基本設計を向上させることに主眼をおいていた時代から、こうした電子デバイスの開発まで進めていかなければならない時代になってきた。するとどうしても開発・研究コストは高騰してしまう…。そんなジレンマを各メーカーは、かかえているわけです。
他方で、先に述べたように乗り換えサイクルが伸びています。優れた商品であるほど、乗り換えサイクルが伸びてしまうともいえますから、二律背反ともいうべき状況にあるのかもしれません。
・トヨタ自動車…1兆700億円
・ホンダ…6,900億円
・日産自動車…5,600億円
・スズキ…1,400億円
・マツダ…1,250億円
・スバル…1,200億円
・三菱…970億円
合計すると、2兆8,020億円です。
パワーユニット、プラットフォームの共有化など、メーカーでは合理化を進めていますし、開発コストも圧縮しているようですが、毎年これだけのコストがかかっているのはメーカーにとって大きな負担です。
開発コストが高騰する理由としては、ハイブリッドシステムや水素エネルギー、回生エネルギーの研究など新技術が必須になっていることも挙げられますし、2017年現在では運転支援機能が重要視されています。つまるところ、自動運転技術の開発・研究です。
プラットフォームやパワーユニットといった基本設計を向上させることに主眼をおいていた時代から、こうした電子デバイスの開発まで進めていかなければならない時代になってきた。するとどうしても開発・研究コストは高騰してしまう…。そんなジレンマを各メーカーは、かかえているわけです。
他方で、先に述べたように乗り換えサイクルが伸びています。優れた商品であるほど、乗り換えサイクルが伸びてしまうともいえますから、二律背反ともいうべき状況にあるのかもしれません。
メーカーの苦悩は続くのか…
2017年現在、各メーカーは軽自動車以外の日本専売モデルを減らしています。これは世界戦略車として販路を拡げ、開発コストはもちろん、利益を生みだすための必然の戦略といえましょう。
またマツダとフィアットが協業してアバルト124スパイダーを開発した経緯も、この開発・研究に係るコストを鑑みると、また違う側面が見えてくるのではないでしょうか。
今後も運転支援機能や、高効率のパワーユニット、はたまた高性能な次世代パワーユニットなどなど。多くの新技術を盛り込んだモデルが登場してくることでしょう。
しかしメーカーサイドは高騰する開発・研究費に頭をかかえる悩ましい問題が続いていく…そんなジレンマがある状況といえましょう。
またマツダとフィアットが協業してアバルト124スパイダーを開発した経緯も、この開発・研究に係るコストを鑑みると、また違う側面が見えてくるのではないでしょうか。
今後も運転支援機能や、高効率のパワーユニット、はたまた高性能な次世代パワーユニットなどなど。多くの新技術を盛り込んだモデルが登場してくることでしょう。
しかしメーカーサイドは高騰する開発・研究費に頭をかかえる悩ましい問題が続いていく…そんなジレンマがある状況といえましょう。