【試乗記】トヨタヴェルファイアハイブリッドで300キロを試乗! 燃費と走りは?

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快適な移動空間が提供する贅沢な体験!?
トヨタの最高級ミニバン「ヴェルファイア エグゼクティブラウンジ」に試乗する機会をいただきました。単なる移動手段を超えた「走るリビングルーム」として設計され、家族での長距離移動や特別な日のドライブに最適化されているヴェルファイア エグゼクティブラウンジ。今回は東京から静岡までの往復約300kmを実際に走行し、その実力を検証します。
外観・内装の第一印象
全長4,995mm、全幅1,850mm、全高1,945mmというボディサイズは、駐車場でも目立つ存在感がありますが、
幅は1,850mmと近年の輸入SUVと比較すると大きくはないので、走り出してしまえば、そこまで大きくは感じませんでした。
フロントグリルの大胆なデザインは好みが分かれるところですが、存在感のあるクルマであることは確かです。
車内に入ると、その広さにはゆとりがあります。特にエグゼクティブラウンジグレードでは、2列目シートが独立したキャプテンシート仕様となっており、ゆったりとした空間が確保されています。シートの素材は柔らかなレザーが使われ、細部に至るまで丁寧な仕上げが施されています。
運転席からの視点
運転席に座ると、高いアイポイントによる良好な視界が得られます。ただし、メーターモニターの各種マークやアイコンのサイズが小さく、もう少し大きな表示がされていれば視認性が上がり、安全性も高まると感じました。センターモニターは大きく見やすく、2列目の手元にも各種コントロールスイッチとモニターが装備されていて、快適な装備が充実しています。
ハンドリングについては、2,310kgという重量級の車体を考慮すると、想像以上にしっかりとした応答性を示します。初期応答性に緩さを感じることはありませんが、重心の高い大型ミニバンであることを忘れないようにする必要があります。スポーツカーのようなコーナーリングを期待するのではなく、安定した巡航性能を重視した設計になっていますので、ステアリングの舵角を増やすと、車体のロールと共に、遅れて上家の重量物がグラッとついてくるイメージです。
巨体にハイブリッドシステム
今回試乗したハイブリッド4WDモデルは、2.5リッターエンジンとモーターを組み合わせた「E-Four」システムを搭載しています。このシステムは、後輪にも独立したモーターを配置することで、必要に応じて四輪に駆動をトルク配分します。エンジン音については、機会的で踏み込むとやや唸る音質に感じます。低回転域でのモーター駆動時は非常に静かなので、エンジンがかかると機械的な音質が聞こえてきます。基本的な静粛性は高いので、遠くにエンジンの存在を感じます。
4WDシステムの恩恵は、雪道や雨天時の走行安定性向上に現れますが、通常の乾燥した路面では前輪駆動で走行し、必要に応じて後輪にも駆動力を配分するため、燃費への影響も最小限に抑えられています。
今回の東京-静岡往復で14.4km/lという結果でした。2,310kgという車重を考慮すると、良好な数値です。渋滞を含む実走行での燃費としては、十分に実用的なレベルに達していると言えます。この燃費なら、長距離移動でも燃料費を気にすることなく、安心してドライブを楽しむことができます。
みんなにやさしい乗り心地
ヴェルファイアの乗り心地は、角の取れたフラットな乗り心地で、ソフトで快適性を重視したサスペンション設定により、路面の凹凸ソフトに吸収します。高速道路での巡航時や市街地での段差通過時も、乗員に不快感を与えることはありません。大きな入力があった際に車体上部全体が振れる場合もありますが、乗員全員が快適に感じるシャシ設定になっているようです。
特に、運転する必要のない2列目シートは高い快適性を持っています。
リクライニング機能やオットマンを活用すれば、長時間の移動でも疲労を感じにくく、到着時に体の軽さを感じることができるかもしれません。
走行中の静粛性も高く、風切り音、ロードノイズ、エンジン音が効果的に抑制されており、車内での会話も自然な声量で行うことができます。
特にエンジンに負荷のかかる加速時以外の高速道路での巡航時の静粛性が高く、後席の乗員も快適に過ごすことができます。
音楽を楽しみたい方にとっても、この静粛性は大きなメリットです。オーディオシステムの音質を楽しむことができ、移動時間をより豊かなものにしてくれます。
運転支援システムの進化
トヨタセーフティセンスをはじめとする運転支援装備は、滑らかな作動で、年々進歩を感じることができます。
加減速や渋滞時の追従性能も優秀で、レーンキープアシストも自然な動作で車線の中央を維持するよう、
穏やかに修正を加えてくれます。長距離ドライブや高速道路での渋滞時にドライバーの負担を軽減してくれます。
実用性と日常使用での評価
ヴェルファイアは、その大きなボディサイズから日常使用に不安を感じる方もいるかもしれません。
しかし、実際に使用してみると、車幅含め、意外にも扱いやすい車両であることが分かります。
経済性とリセールバリューの魅力
ヴェルファイアの大きな魅力の一つは、高いリセールバリューです。
トヨタの高級ミニバンという位置づけや、アルファードとの双璧を成すブランド力により、
中古車市場でも安定した需要が見込まれます。
特にエグゼクティブラウンジグレードのような上級仕様は、数年後の売却時にも比較的高い価格での買い取りが期待できます。
新車価格が892万円(税込)という設定ながら、3年後のリセールバリューは約60-70%程度を維持することが多く、場合によってはそれ以上の価格で売却できる可能性もあります。
この高いリセールバリューを考慮すると、購入時の価格は決して安くないものの、実際のランニングコストはかなりお得になる可能性があります。
例えば、3年後の売却を想定した場合、減価償却費を含めた実質的な所有コストは、見かけの価格ほど高くならないかもしれません。
燃費性能の良さと合わせて考えると、総合的な経済性は高い魅力の一つです。
ヴェルファイアで300キロを走り終えて
ヴェルファイアエグゼクティブラウンジは、燃費性能、乗り心地、静粛性、運転支援システムのいずれも高いレベルの走りを見せてくれました。
日常使用から特別な用途まで幅広く対応できる実用性を備えており、移動の質を向上させてくれるクルマです。
車外からの情報遮断性能が高いので、速度の出し過ぎには注意が必要ですが、クルマを単なる移動手段ではなく、移動時間をより快適で価値のあるものにしてくれます。
家族や多人数での長距離移動において、その真価が最も発揮されるのではないでしょうか。
主要スペック
サイズ 全長4995mm 全幅1850mm 全高1945mm
車重 2310kg
エンジン 直列4気筒 2.487L
最高出力 190PS/6000rpm
最大トルク 236N・m 4300〜4500rpm
WLTC燃費 16.5km/L
価格 892万円
※撮影車両 924万6920円