【プロ解説】日産 フェアレディZ NISMOの歴代シリーズを仕様内容とともに徹底解説!!

祝!新型フェアレディZ 発表!ということで、歴代モデルを振り返って見ましょう。CarMeでは、フェアレディZの歴代モデルを紹介する記事はすでにありますが、S30型、Z31型、Z32型…フェアレディZの進化! フェアレディZ NISMOの歴史を振り返る記事は今回が初めてです。バージョンNISMOからNISMOへと進化したフェアレディZ NISMO。一体、どんなプロセスを踏んで、Z33フェアレディZ時代のNISMO仕様からZ34フェアレディZのNISMO仕様へと変化したのでしょうか?徹底解説します。

文/写真・萩原 文博

Chapter
Z34 フェアレディZ NISMOの元祖!Z33型フェアレディZ バージョンNISMOを紹介!
Z33からZ34へと進化!Z34型フェアレディZ バージョンNISMOを紹介!
Z34のNISMO仕様から更に進化を遂げた!Z34型フェアレディZ NISMOを紹介!
Z35型 フェアレディZが登場したらもう見納め?! Z34型フェアレディZ NISMOを紹介!
【現行Z34フェアレディZ NISMO vs 悪魔のZ(S30Z)】土屋圭市さんと柳田真孝選手が43分徹底解説!!

Z34 フェアレディZ NISMOの元祖!Z33型フェアレディZ バージョンNISMOを紹介!

写真は、フェアレディZ バージョン NISMO タイプ 380RS コンペティション

2007年1月、先代のZ33型フェアレディZの一部改良の際にフェアレディZ NISMOのルーツと言えるフェアレディZ バージョンNISMOが登場しました。フェアレディZ バージョンNISMOは日産自動車のワークスチームとしてSUPER GT等に参戦するニスモのノウハウと、多くのコンプリートカスタムカー製造実績をもつオーテックジャパンのノウハウの融合により生まれたモデルです。

外観デザインはSUPER GT参戦車両から得られた空力データをベースに、スーパーコンピューターによるシミュレーションを活用しながら、走行実験部門とデザイン部門による綿密な検討を通じて実現した、走行安定性にすぐれた特徴的なフォルムとし、あわせて「効果的なダウンフォース」という機能性を両立しています。

インテリアにおいても、専用のメタリック調の本革素材を採用し独特のプレミアム感を演出。シートのセンター素材にはパンチング加工のアルカンターラ を採用し、スポーツドライビング時のホールド性の向上を実現しています。

走行性能では、ボディの溶接面積増をはじめ、補強バーや補強パネルの追加等によるボディ剛性の見直しを実施。加えてハイグリップタイヤ「ブリヂストン製ポテンザRE-01R」の装着による路面からの高入力に対応させています。同時にサスペンションの全面リセッティングを行い、コーナリングパフォーマンスを高めた。

さらに、車体への入力を効果的に減衰させるパフォーマンスダンパー の採用により、ハンドリングと快適性を高次元で両立させたのが特徴です。フェアレディZ バージョンNISMOの車両本体価格は6速MT車が439万9500円、5速AT車が449万4000円です。

350馬力を発生する、Z33型フェアレディZ バージョンNISMO タイプ380RS

2007年1月に販売開始されたスーパー耐久参戦用のホモロゲーションモデルであるバージョンNISMO タイプ380コンペティション。そのロードモデルが2007年6月に300台限定で発売されたバージョンニスモタイプ380RSです。そのロードモデルには3.8Lに排気量アップしたV6エンジンを公道向けに最高出力350psにディチューンしています。

外観デザインはフェアレディZ バージョンNISMOと共通ですが、リアには専用のRSエンブレムが装着されています。フェアレディZ バージョンNISMO タイプ380RSの車両本体価格は539万7000円でした。

Z33からZ34へと進化!Z34型フェアレディZ バージョンNISMOを紹介!

2008年にフルモデルチェンジを行い、フェアレディZは現行モデであるZ34型へと進化しました。標準車に遅れること約半年、バージョンNISMOもフルモデルチェンジを行います。Z34型のフェアレディZ Version NISMOは、先代「フェアレディZ」(Z33型)で投入されたVersion NISMOのスピリットを受け継ぎ、フェアレディZの持つ高い運動性能をベースに、さらなるスポーツドライビングの楽しさを提案するモデルとなっています。

ボディは、専用の補強パーツやYAMAHA社製パフォーマンスダンパーの採用により、剛性アップと振動減衰の両側面からのチューニングを実施。あわせてサスペンションのチューニングやパワーステアリングの特性変更を行い、よりスポーツ志向を高めたハンドリング性能としています。

外観デザインは、スーパーコンピューターによるシミュレーション技術を活用し、走行実験部門とデザイン部門による綿密な連携を通じて、効果的なダウンフォースの獲得と空気抵抗の低減という、相反する要件を両立させた、世界最高水準の空力特性を実現しています。一方インテリアにおいても、本革とスエード調ファブリックを用いた専用のシート表皮やステッチ色の変更、随所に配されたNISMOロゴなどにより、スポーティで特別感のあるムードを演出しています。

フェアレディZ バージョンNISMOでは、より力強い加速を実現するため、専用設計した等長フルデュアルエキゾーストシステムの採用とコンピューターのチューニングを行い、エンジン出力を基準車に対して19ps 向上させ、最高出力を355psとしました。フェアレディZ バージョンNISMOの車両本体価格は6速MT車が493万5000円、7速AT車が504万円となっています。

2010年11月に一部改良を行い、エアコンのダイヤルスイッチの文字位置を変更することで、操作時の視認性を向上させ、オートマチック車にはシフトアップインジケーターを採用しました。また、新たにバックビューモニターを、カーウイングスナビゲーションシステム(HDD方式)とセットでメーカーオプションとして設定しています。

2012年7月にマイナーチェンジを行い、エンジンの出力特性、タイヤ、ボディ剛性、サスペンション、ブレーキなど、多岐にわたる見直しを実施し、従来以上のハイパフォーマンスを実現しています。エンジンはコンピューターチューニングを見直すことにより、最高出力355psを維持しながら、中速域のトルクアップを図りました。

タイヤには最高峰のグリップ性能を誇る「ブリヂストン製ポテンザRE-11」を採用。このハイグリップタイヤ性能を活かしきるために、ボディの補剛パーツを追加、またブッシュの硬度を見直し、入念なサスペンションチューニングを実施しました。

さらに、ブレーキホースとブレーキフルードの変更も行い、ブレーキフィーリングの向上を図りました。これらのチューニングにより、コーナリング性能の向上を果たし、従来に勝る運転の楽しさと抜群の安定性を実現しています。

Z34のNISMO仕様から更に進化を遂げた!Z34型フェアレディZ NISMOを紹介!

2013年6月に、フェアレディZ NISMOが発表されました。フェアレディZ NISMOはモータースポーツで培ってきたテクノロジーを投入し、NISMOスピリットのデザインモチーフを織り込んだ専用のエクステリアおよびインテリアを採用しています。

さらにフェアレディZの持つ高い運動性能をベースに、さらなるスポーツドライビングの楽しさを提案するべく、空力特性に優れたエアロパーツの採用や、エンジンの高出力化を図りました。

パワートレインをはじめ、タイヤ、ボディ剛性、サスペンション、ブレーキに至るまで入念な専用チューニングを実施し、コーナリング性能の向上、運転の楽しさ、抜群の安定性を実現したモデルです。

インテリアの赤いセンターマークを配置した本革・アルカンターラ巻の専用ステアリング(レッドセンターマーク、レッドステッチ付)と、赤い文字盤にNISMOロゴを配した専用タコメーターを採用しているものの、基本的にはバージョンNISMOから名称が変更されたモデルです。

車両本体価格は6速MT車が521万8500円、7速AT車が532万3500円です。

Z35型 フェアレディZが登場したらもう見納め?! Z34型フェアレディZ NISMOを紹介!

2014年7月にフェアレディZ NISMOはマイナーチェンジを行い、最新のニスモデザインアイデンティティを採用し、エクステリアデザインが刷新されています。

ニスモレッドアクセントを配した専用バンパー、サイドシルプロテクターなどのボディーパーツの変更により、前後のダウンフォースバランスを最適化することで、高速域でのハンドリング性能を向上させています。

さらに、インテリアでは、NISMO専用チューニングRECARO製スポーツシートを採用し、中高速域でもドライバーが安心して操作ができるホールド性を実現しました。フェアレディZ NISMOの車両本体価格は6速MT車が562万6800円、7速AT車が573万4800円となっています。

2016年の一部改良では、「カーウイングスナビゲーションシステム」、「Boseサウンドシステム(8スピーカー)」、「アクティブ・サウンド・コントロール」、「アクティブ・ノイズ・コントロール」を標準装備し快適性を向上。

2017年に一部改良では、新型の高効率クラッチの採用により、クラッチペダル踏力が軽くなるとともに半クラッチコントロールの操作性を向上しました。また、合わせガラスの中間膜に遮音層を挟み、遮音性を向上させたフロントガラスを採用することで静粛性を向上させています。

更に転がり抵抗を20%低減した新タイヤを採用することで、フェアレディZを操る喜びを損なわず、低燃費とロードノイズの1db低減(50km/h時)を実現しています。

NISMOというモデルになり、すでに7年が経過していますが、ルーツとなるバージョンNISMOは登場からすでに約13年が経過し、NISMOモデルの中では最も熟成が進んでいるモデルで、後輪駆動のスポーツカーの楽しさをダイレクトに楽しめるコンプリートカーのノウハウが蓄積されています。

【現行Z34フェアレディZ NISMO vs 悪魔のZ(S30Z)】土屋圭市さんと柳田真孝選手が43分徹底解説!!

【現行Z34フェアレディZ NISMO vs 悪魔のZ(S30Z)】土屋圭市さんと柳田真孝選手が43分徹底解説!!後半にZ34とS30Zの走行インプレッションあり!!

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ