スズキ ジムニーが愛される理由

スズキ ジムニー XC

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スズキ ジムニーは、1970年に初代がデビューしました。軽自動車でありながら、力強い走りと、圧倒的な悪路走破性で独自の存在感を放つジムニーは、根強い人気に支えられてきたロングセラーです。2018年7月に新型がデビューするジムニーの歴史を振り返りつつ、長年愛され続けている理由を見ていこうと思います。

文・わんわんエンジニア
Chapter
ジムニーの誕生
ジムニーの変遷
軽の特徴を生かした圧倒的な悪路走破性
耐久性に優れ、頑丈で長持ち
好みに合わせたカスタマイズが容易

ジムニーの誕生

スズキ ジムニーの原型は、ホープ自動車が1968年に発売した「ホープスター ON型」でした。軽自動車初の4WD車でしたが、その売れ行きは思わしくなく、会社自体も経営難に陥ったことから、ホープ自動車は、その製造権をスズキ自動車に売却しました。

スズキは、エンジンを自社製に載せ替え、大幅な改良を加えたうえで、スポーツタイプのスタイリングに変更、1970年に記念すべき初代ジムニーを誕生させました。

軽自動車規格ながら、ラダーフレームや頑丈な前後リジットアクスル、高低2速のトランスファーなど、本格的な4WD構成は、当時としては画期的で、この構成は今でも変わらず守られています。

ジムニーの変遷

ジムニーは50年近い歴史のなかで、何回もマイナーチェンジされましたが、フルモデルチェンジはわずか2回だけです。このライフサイクルの長さは、ジムニーが長く愛され続けていることを裏付けているとも考えられます。

2代目ジムニー(1981~1998年)

デビューから11年目にして、初めてのフルモデルチェンジをしました。本格4WDの基本コンセプトやシャシーレイアウトは変更しませんでしたが、ボディやフレーム、デフ、トランスミッションなどを一新。

スタイルは、ミリタリイカー的なイメージから、ファッショナブルな方向へ変貌し、車内の快適性や操作性を向上させました。これにより、人気が一気に高まりました。

3代目ジムニー(1998年~現在)

1998年10月、衝突安全性を主目的にした軽自動車規格の変更(全長&全幅の拡大)に対応するため、フルモデルチェンジが行われました。スタイルは、当時人気があった三菱のパジェロ ミニを意識して、丸みを帯びた乗用車風のデザインを取り入れました。

外観は変わりましたが、縦置きエンジン、高低2速のトランスファー、前後のリジッドアクスルの伝統は継承されました。

軽の特徴を生かした圧倒的な悪路走破性

ジムニーの最大の強みは、通常のSUVでは到底困難なオフロードでも、果敢に踏み込んで行ける点です。未舗装の狭い林道では、大きなSUVでは取り回しが難しいですが、小型のジムニーであれば難なく走破できます。

オフロードでの高い走破性や機敏性は、軽自動車ベースのコンパクトさと軽さが、大きく貢献しています。ちなみに、世界的には「マイクロミニ4WD」にカテゴライズされます。

耐久性に優れ、頑丈で長持ち

普通の軽自動車は、10年10万kmも走ると、車体にガタがきて、使い物にならなくなります。しかしジムニーは、基本的なメンテナンスをし続ければ、長く使えます。なぜなら、最近の乗用車ベースの4WD車に比べると、デフやドライブシャフト、プロペラシャフトの強度が高く設定されているからです。

頑丈で維持費がかからず、また下取り価格の下落率が小さいことも、ユーザーにとっては大きな魅力となっています。

好みに合わせたカスタマイズが容易

多くの純正パーツやアフターパーツが用意されており、自分好みにカスタマイズできます。クルマが頑丈であることに加え、豊富な交換パーツが用意されていることも、好まれて長く乗り続けることができる理由のひとつといえるでしょう。

ライフサイクルが短い最近のクルマの中で、デビュー以来、半世紀近くコンセプト、機能、サイズを守り続けているジムニーは、世界的にみても希少なクルマです。軽自動車に、本格4WDを組み合わせるという斬新な発想が、いまどきのSUVに真似できない、狭い日本のオフロードに適した性能を生み出しました。

2018年7月、ついに4代目ジムニーが発売されます。これまでの伝統を継承しつつ、最新の予防安全技術などを装備した、さらに進化したジムニーに期待しましょう。

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文・わんわんエンジニア
某自動車メーカーで30年以上、エンジンの研究開発に携わってきた経験を持ち、古いエンジンはもちろん最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。EVや燃料電池が普及する一方で、ガソリンエンジンの熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きなクルマで、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ること。
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