新型ジムニーと新型ジムニーシエラはどちらが買いなのか?違いは?
更新日:2024.09.09
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2018年はジムニーイヤーと言っていいほど、同車の話題で湧き上がりました。メーカーの供給的にはまだ厳しい状態ですが、「今年はジムニーを買おう」と思っている人も多いのではないでしょうか。同時に、ジムニーとジムニーシエラのどちらを選択するか、かなり迷っているという人が多いと思います。果たして、本当の買いはどちらなのでしょうか。
文・山崎友貴
文・山崎友貴
新型ジムニーと新型ジムニーシエラの違いは?①|何度乗っても新型の進化に感動させられる
ジムニーとジムニーシエラ(以下シエラ)の違いをご存じない方は少ないと思いますが、簡単に説明しておきましょう。まず、大きな違いはエンジン。660cc直列3気筒インタークーラーターボエンジンのジムニーに対して、シエラは1500cc直列4気筒エンジンを搭載しています。
つまり、ジムニーは黄色ナンバーの軽自動車であり、シエラは白5ナンバーの普通車となります。もちろん排気量のみならず、シエラはボディサイズも普通車枠。ただし、ジムニーをワイドトレッド化して、ワイドフェンダーと大型化した前後バンパーを装着しているだけの違いですので、車内空間はジムニーもシエラも違いがありません。
スペースユーティリティや装備も当然ながらほとんど差がなく(ジムニー廉価グレードを除く)、実用性という面では、ジムニーとシエラはまったくの互角だと思います。ですが、乗り味という面ではまったく異質。
スペースユーティリティや装備も当然ながらほとんど差がなく(ジムニー廉価グレードを除く)、実用性という面では、ジムニーとシエラはまったくの互角だと思います。ですが、乗り味という面ではまったく異質。
まずジムニーですが、旧型のJB23型と乗り比べると隔世の感があります。ボディ剛性が格段にアップしたことで、サスペンションの動きが非常に良くなり、前時代のクロスカントリー4WDにあった不安定感がありません。高速道路での直進安定性は抜群ですし、レーンチェンジでも車体がフラフラするようなことはありません。
エンジンも扱いやすくなりました。旧型に比べると最大トルク値は下がっていますが、最高出力の発生回転数を下げることで、扱いやすさを感じるセッティングがなされています。旧型はバイクのようにエンジン回転数を上げて走るようなピーキーなフィーリングがありましたが、新型は低速からトルクを使って走れるため、いい意味で「普通に乗れる」ようになっています。
エンジンも扱いやすくなりました。旧型に比べると最大トルク値は下がっていますが、最高出力の発生回転数を下げることで、扱いやすさを感じるセッティングがなされています。旧型はバイクのようにエンジン回転数を上げて走るようなピーキーなフィーリングがありましたが、新型は低速からトルクを使って走れるため、いい意味で「普通に乗れる」ようになっています。
さて、一方のシエラ。この進化は“筆舌に尽くしがたい”という表現が、実にぴったりです。というのも、旧型のJB43型は1300ccもの排気量があったにも関わらず、登り勾配が少しでもきつくなると、ジムニーに簡単に抜かされるほど、エンジンのパワーが感じられない車だったのです。
新型ジムニーと新型ジムニーシエラの違いは?②|国内専用車と世界戦略車の違い
新型のシエラは、スズキが東南アジアで販売している7人乗りミニバン「エルティガ」と同型のエンジンを搭載しています。もちろん縦置き化するにあたって、様々な改良は加えられていますが、7人乗りをもこなせるパワーユニットなのです。
旧型との差は乗った瞬間から明らかであり、ようやく660ccとのアドバンテージを感じることができるようになりました。街乗りでも高速道路でも、エンジンのスペックなど気にすることなく、トルクを活かしてゆったりと乗れるようになりました。
ワインディングロードでは、ジムニーより弱アンダーのナチュラルなハンドリングで曲がることができ、苦手意識を感じることなく走れるのも好印象なところです。本来なら当たり前のことですが、ようやくシエラは不満なく乗れるようになりました。
ジムニーと比較して、走りのアドバンテージを特に感じられるのは、高速道路、そしてオフロードです。クロスカントリードライブでは、自重を持ち上げるだけの十分なエンジンパワーが必要となり、それが悪路走破性に直結します。
旧型との差は乗った瞬間から明らかであり、ようやく660ccとのアドバンテージを感じることができるようになりました。街乗りでも高速道路でも、エンジンのスペックなど気にすることなく、トルクを活かしてゆったりと乗れるようになりました。
ワインディングロードでは、ジムニーより弱アンダーのナチュラルなハンドリングで曲がることができ、苦手意識を感じることなく走れるのも好印象なところです。本来なら当たり前のことですが、ようやくシエラは不満なく乗れるようになりました。
ジムニーと比較して、走りのアドバンテージを特に感じられるのは、高速道路、そしてオフロードです。クロスカントリードライブでは、自重を持ち上げるだけの十分なエンジンパワーが必要となり、それが悪路走破性に直結します。
クロスカントリー4WDの世界でジムニーシリーズが希有と言われるのは、そのボディサイズだけでなく、エンジン排気量の小ささにもあります。オフロードでは、軽量というファクターが有利に働く一方で、小さい排気量(少ないパワー)は不利となります。
これは、ジムニーとシエラにも同じことが当てはまります。激しい凹凸が連続するような地形では、トランスファーを4Lに入れていても、660ccのジムニーはどうしても走りに余裕がありません。
一方のシエラはそこそこの低速トルクを使って、比較的ラクに悪路を進むことができます。新型のジムニーの“伝家の宝刀”であるブレーキLSDトラクションコントロールの利き具合もパワー&トルクに比例しており、シエラの方が明確に働いていると感じます。
シエラに弱点があるとすれば、タイヤが15インチでオフロードに向いていないこと、サスペンションセッティングが堅目で動きが悪いこと、でしょうか。
これは、ジムニーとシエラにも同じことが当てはまります。激しい凹凸が連続するような地形では、トランスファーを4Lに入れていても、660ccのジムニーはどうしても走りに余裕がありません。
一方のシエラはそこそこの低速トルクを使って、比較的ラクに悪路を進むことができます。新型のジムニーの“伝家の宝刀”であるブレーキLSDトラクションコントロールの利き具合もパワー&トルクに比例しており、シエラの方が明確に働いていると感じます。
シエラに弱点があるとすれば、タイヤが15インチでオフロードに向いていないこと、サスペンションセッティングが堅目で動きが悪いこと、でしょうか。
ここまでで、すでにお気づきだと思いますが、車としてトータルバランスがいいのが、間違いなくシエラです。ジムニーが劣っているわけではありませんが、やはり軽自動車ゆえに我慢すべき点があるということです。特に長距離ドライブを頻繁に行うというユーザーなら、迷わずシエラを選ぶべきでしょう。距離が伸びるほど、疲労感がまるで異なってきます。
そもそもシエラは欧州などへの輸出を前提としたモデルであり、一方のジムニーは日本独自の軽自動車規格に当てはめるために造られたモデルです。ジムニーがそのまま輸出されないのは、世界の価値観においてジムニーに不足があるということを示しているのではないでしょうか。
そもそもシエラは欧州などへの輸出を前提としたモデルであり、一方のジムニーは日本独自の軽自動車規格に当てはめるために造られたモデルです。ジムニーがそのまま輸出されないのは、世界の価値観においてジムニーに不足があるということを示しているのではないでしょうか。
昭和24年にスタートした軽自動車規格も、日本人の生活様式の変化に合わせて変わってきました。新型ジムニーは21世紀にふさわしいミニマム・クロスカントリー4WDに仕上がってはいますが、皮肉なことに「軽自動車では、もう伸びしろはほとんど残されていない」と感じてさせてしまうのです。
自動車税やランニングコストで考えれば軽自動車は魅力的ですが、コンパクトなクロスカントリー4WDというジムニーの魅力を何の束縛もなく具現化しているのは、間違いなくシエラなのだと思います。
自動車税やランニングコストで考えれば軽自動車は魅力的ですが、コンパクトなクロスカントリー4WDというジムニーの魅力を何の束縛もなく具現化しているのは、間違いなくシエラなのだと思います。