信号があるわけでもないのに…なぜ高速道路は渋滞するの?

高速道路の渋滞のメカニズム

渋滞

高速道路での渋滞のおもな原因は、「速度低下」です。そのため渋滞が発生する箇所というのはある程度予測ができ、走行中の速度低下が発生しやすい箇所で発生します。

1台の速度の遅いクルマがいると、後続車両がブレーキを踏み、その後ろ、またその後ろと順にブレーキを踏んでいき、それが連鎖することで、車間距離が詰まっていくのです。

たとえば、時速100キロで走行していたクルマが、緩い上り坂にさしかかり速度が時速90キロに低下すると、後方から時速100キロで近づいてきたクルマはブレーキをかけて減速することになります。

このときの速度低下は10キロ程度ですが、交通量が多くそれぞれの車間距離が近い状況では、その後ろのクルマもブレーキをかけて減速、そのブレーキランプを確認した後ろのクルマも減速と、順送りのような状態になります。

それが5台、10台…と繰り返されると、はじめは時速10キロ程度の減速だったものが、どんどん大きくなっていき、やがて速度0キロになってしまうのです。これが高速道路の渋滞のメカニズムです。

速度低下が起こる場所を知っておこう

普段、意識していなくても、自然に速度が落ちてしまう箇所がいくつかあります。ドライバーとして、速度の低下しやすい箇所を知っておくことは大切です。

速度低下による渋滞が起こりやすい箇所の代表が「サグ部」です。英語のsag(たわむ、垂れ下がる)を語源とするサグ部は、下り坂から上り坂に切り替わる谷の部分のことを指し、上り坂だと気が付かずに走行をしていると、いつのまにか走行速度が低下してしまいます。

多くのサグ部には、「速度低下注意」という標識が設置されています。この注意喚起を見つけたら、スピードメーターをしっかり確認し、走行速度を維持するように努めましょう。

また、インターチェンジ付近も渋滞が起こりやすいポイントです。高速道路を降りる際、本線上での減速は極力避け、ランプ部分で減速をするようにしましょう。本線合流部分は、交通集中によって渋滞が発生しやすくなっています。

そしてトンネルの入口も注意。昼間であってもトンネル内では暗くなるため、圧迫感を感じることで走行速度が低下しやすくなります。人間はどうしても視界が悪くなると、アクセルペダルを緩めてしまうものです。トンネル内での走行中は、車間距離と速度には十分に配慮しましょう。

渋滞の減少には車間距離と交通量

すべてのクルマが安全な車間距離を保ちながら、速度を維持することで、渋滞の発生を防ぐことができます。しかしながら、交通量が多くなれば、どうしても車間距離は短くなり、ひとつのブレーキ操作が後続車に大きな影響を与える状況を避けることはできません。

あらかじめ交通量が増える時間帯を避けたり、工事予定や規制情報を知っておくことも、渋滞回避に役立ちます。特に車線規制をともなう工事は、通常の交通量でも渋滞しやすくなります。そのような箇所を通過しないようにするのもコツです。


高速道路の渋滞は、決して先頭車両が止まっているわけではありません。ドライバーそれぞれが、少しの減速によって発生する高速道路の渋滞メカニズムを知っておくことで、渋滞を未然に防ぐことはできるはず。快適に高速道路を利用するために、自分も他人にも速度を落とさせず、安全運転を心がけましょう。

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文・赤井福
大学卒業後、金融業に従事。その後、6年間レクサスの営業マンとして自動車販売の現場に従事する。若者のクルマ離れを危惧し、ライターとしてクルマの楽しさを伝え、ネット上での情報発信を行っている。

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