同じタイヤなのに!タイヤ販売店とディーラーでタイヤの性能が違う!?

新車装着タイヤはどう決まる?

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そもそも、新車装着タイヤはどのように決まるのでしょうか。各自動車メーカーは、新型車を作る際に、車両の目指す姿をタイヤメーカーと共有し、プロトタイプのタイヤを製造してもらいます。1社から3社ほどにオーダーをし、性能・価格の両面で納得のいくタイヤメーカーを決定し、新車装着タイヤを開発していきます。

クルマを購入する私達は、そのメーカーを指定することはできず、車台番号何番から何番まではA社、次のロットはB社というように按分割合で生産されていきます。

新車装着タイヤは、市販されていない名称(ブリヂストン トゥランザなど)の場合もありますが、市販タイヤと同じ銘柄でも、専用コンパウンドや、専用パターンを採用し、性能が区別されています。

新車装着タイヤと市販タイヤ、同一銘柄で徹底比較

筆者は、ディーラーマン時代に、国産タイヤメーカーで面白いテストに参加させていたいただく機会がありました。

そこに用意されていたのは、OEMで新車装着されるタイヤと、量販店などで販売される同じ銘柄の市販タイヤで、それを1台の車(欧州メーカーのコンパクトワゴン)に履かせて比較を行ったのです。

2つのタイヤパターンは同一で、見た目に変わりはありません。しかしながら実際に走ってみると、その差は大きくありました。新車装着タイヤのほうが、乗り心地が硬いのです。

また、高速走行での旋回時には、市販タイヤより早めにスキール音が鳴り、ワンサイズ細いタイヤを履いているかのように、踏ん張り感やグリップ感も低く感じました。同じ車両に、市販タイヤを履かせると、しっかりグリップし、ブレーキ性能や旋回性能も上がることが体験できました。

明らかに、新車装着タイヤのほうがコンパウンドが硬く、耐摩耗性能が上がっていることが分かります。タイヤ発熱も市販タイヤより抑えられており、減りにくく加工されているな、とわかりました。

さらに、サイドウォールの硬さも若干硬く感じ、新車装着タイヤのほうが、ハンドルの動きに対して、クルマがより敏感に動く感じが得られました。このあたりが、メーカーが注文した部分なのかもしれません。

新車装着タイヤの良いところ、悪いところ

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新車装着タイヤは耐摩耗性能が高いというのは、ディーラーに訪れるお客様の車でも確認することができました。過走行となるユーザーのタイヤ交換サイクルが、新車のときと市販タイヤに交換してからでは、3,000〜5,000km程度、新車装着タイヤのほうが長いのです。

これはエコタイヤでもスポーツタイヤでも同様でした。おそらく、メーカー側はユーザーから「タイヤがすぐに減った、これは欠陥だ」といった内容のクレームに対応するため、タイヤメーカーにタイヤのライフを長めに設定させているものと思われます。そのため、コンパウンドが硬くなり、乗り心地やグリップが悪化しますが、転がり抵抗は減るため、燃費は良くなるでしょう。

ライバル車より0.1km/Lでも燃費を良くしたい自動車メーカーにとっては、クレーム対策から、燃費向上までを担えるタイヤの耐摩耗性向上は良いことずくめなのです。


新車時しか履くことのできない新車装着タイヤは、各クルマの特性に合わせて専用チューニングされた特別仕様です。

メーカーの考えるクルマの特徴を最大限に発揮させるタイヤをしっかりと堪能し、減ってきたらクルマの特徴にあった市販タイヤに履き替えましょう。

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文・赤井福
フリーライター。大学卒業後、金融業に従事。その後、6年間レクサスの営業マンとして自動車販売の現場に従事する。若者のクルマ離れを危惧し、ライターとしてクルマの楽しさを伝え、ネット上での情報発信を行っている。

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