【プロ解説】ライバル比較!! MINIクラブマンとBMW1シリーズは同じ?! 違いを徹底解説!

2019年10月、新型となって登場したMINICLUBMAN(クラブマン)。CLUBMAN(クラブマン)は、ファミリーのイメージを残しつつ、よりワイドに、よりブリティッシュになりました。今回は、外装、内装、安全装備、グレード別の違い、人気カラー、座席や荷室(ラゲージスペース)、オプション装備にライバル比較など、あらゆる視点からMINICLUBMAN(クラブマン)をひも解いていきます。

文・鈴木ケンイチ/写真・萩原文博

 

Chapter
え?実はそっくり?MINI クラブマンとBMW 1シリーズは同じプラットフォームを持つ
BMW1シリーズとは、どんなクルマなのか?
MINIクラブマンとBMW1シリーズの違いはどこにある?
バリエーションの多さはMINIシリーズが有利?しかし、AIアシスタントは装備されていない
動画もどうぞ!クラブマン史上最強スペック!MINI JCW CLUBMANを徹底チェック!

え?実はそっくり?MINI クラブマンとBMW 1シリーズは同じプラットフォームを持つ

MINI ジョンクーパーワークス クラブマン 萩原文博
BMW M135i xDrive 萩原文博

MINIクラブマンのライバルとして、今回、ピックアップしたのは、2019年に日本導入されたばかりのBMWの新型1シリーズです。MINIクラブマンは、MINIファミリーの中でワゴンというポジションですが、BMWの1シリーズはスタンダードなハッチバック。どうして比較するの?と不思議になる方もいらっしゃるでしょう。

でも、実はMINIクラブマンとBMW1シリーズは意外と似ているのです。まず、サイズ感がかなり近い。MINIクラブマンの寸法は全長4275mm×全幅1800mm×全高1470mmでホイールベースが2670mm。一方、新型BMW1シリーズは全長4355mm×全幅1800mm×全高1465mmでホイールベースが2670mm。なんと、全長が8cm、全高で5mmしか違いません。わずかに新型1シリーズの方が大きくて、微妙に背が低いのです。

ホイールベースは、まったく同じです。さらにBMW1シリーズに搭載されるエンジンは、1.5リッターの型式「B38A15A」と、2リッターの型式「B48 A20E」。これは、やっぱりMINIクラブマンにも同じ型式のエンジンが使われているのです。

MINI ジョンクーパーワークス クラブマン 萩原文博

全長4275mm×全幅1800mm×全高1470mm、ホイールベースが2670mm

BMW M135i xDrive 萩原文博

全長4355mm×全幅1800mm×全高1465mm、ホイールベースが2670mm

ちなみに、先代までBMWの1シリーズは、エンジンを縦に置いて後輪を駆動するFR方式でした。しかし、今回の新型1シリーズはエンジン横置きのFFプラットフォームを採用。つまり、同じBMWグループのMINIクラブマンのプラットフォームを使って開発されたというように見ることができます。

そういう意味では、似ているというよりも、兄弟モデルと呼べるほど基本の部分は同じになっているのです。

BMW1シリーズとは、どんなクルマなのか?

BMW M135i xDrive 萩原文博

現行のBMW1シリーズは、2019年8月より日本で発売が開始された第3世代モデル。BMWは数字が大きくなるほど、車格が上になりますので、1シリーズというのはBMWのラインナップでは最も小さいクルマとなります。従来までは上のクラスと同じエンジンを縦にレイアウトするFRプラットフォームを使っていましたが、今回のモデルからはエンジン横置きのFFプラットフォームを採用しました。

BMW M135i xDrive 萩原文博

先代まではFRプラットフォームが実現する上級セダンと同様の走り味が最大の特徴でしたが、今回からはFFプラットフォームとなることで広い室内空間を獲得。走り味も変化しており、先代まであった鼻先の軽いFRセダン風から、どっしりとした落ち着きある乗り味になっています。

BMW 1シリーズにはインテリジェント・パーソナル・アシスタントが備わる

BMW M135i xDrive

それ以外にも新型1シリーズの特徴と言えるのは、より会話風の発話でカーナビなどの操作を可能とするBMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントが採用されていることでしょう。「OK、BMW」もしくは、「1シリーズ!」など任意に設定した呼びかけによってシステムが使えるようになるというもので、スマートフォンやスマートスピーカーのAIアシスタントのように使える機能です。この機能があることで、音声による操作がさらに簡単になっており、搭載された通信モジュールを使ったBMWコネクテッド・ドライブの機能もよりスムーズに使えるようになっています。

BMW M135i xDrive 萩原文博

また、最新モデルならではの先進運転支援システムの充実も魅力のひとつです。歩行者や他車両との衝突被害を軽減する自動ブレーキを含んだドライビング・アシストには、レーン・チェンジ警告、後部衝突警告、クロス・トラフィック・ウォーニング(後退時の後方の障害物を警告)などの機能が新たに追加されています。

さらにリバース・アシストという機能が搭載されているのも新型1シリーズの特徴です。これは、直前まで前進した50mの軌跡をクルマが記憶しており、その記憶した軌跡どおりに自動でステアリング操作をしながらバックするというもの。細い道や狭い駐車場などを進んでいったら、行き止まりだった!というようなシチュエーションで、上手にクルマがバックしてくれるのです。狭い道のバックは、運転が難しいもの。それをカバーしてくれる嬉しい機能です。

MINIクラブマンとBMW1シリーズの違いはどこにある?

MINI ジョンクーパーワークス クラブマン 萩原文博
MINI ジョンクーパーワークス クラブマン 萩原文博

MINIクラブマンと1シリーズを比較してみると、どこがどう違うのでしょうか。まず、サイズ感は、ほとんど同じです。MINIクラブマンはMINIファミリーの中では荷室が広い方なのですが、1シリーズと比べると、実はあまり変わりません。MINIクラブマンの荷室は、通常360リットルでシートを倒して最大1250リットル。

BMW M135i xDrive 萩原文博
BMW M135i xDrive 萩原文博

一方、1シリーズは380リットルの最大1200リットル。通常では1シリーズが大きくて、シートを倒すとMINIクラブマン。でも、その差は意外と小さなもの。クルマ全体のサイズ感が同じなのですから、室内の広さも同じになってしまうのでしょう。

MINI ジョンクーパーワークス クラブマン 萩原文博
BMW M135i xDrive 萩原文博

それよりも違うのは室内の雰囲気や走り味です。MINIクラブマンは、ネオクラシカルとでもいうようなMINI独特の世界観があります。ちょっとワクワクするような楽しい雰囲気です。一方、1シリーズはBMWの上級モデルと同じテイスト。つまり、プレミアム感が前面に出ており、まじめな雰囲気。ここは好みの分かれるところでしょう。

走り味も異なります。MINIクラブマンには、MINIファミリーらしいキビキビとした「ゴーカート・フィール」が存在します。もちろん3ドアのMINIと比べるとマイルドですが、それでも独特のフィーリングがあることは誰もが気づくはず。一方で1シリーズは、素直で落ち着いたプレミアム感ある走り味です。

バリエーションの多さはMINIシリーズが有利?しかし、AIアシスタントは装備されていない

MINI ジョンクーパーワークス クラブマン 萩原文博

MINI JCW CLUBMAN

MINI COOPER CLUBMAN

MINI COOPER CLUBMAN

モデル内のバリエーションの豊富さという意味ではMINIクラブマンが勝ります。MINIクラブマンはONEをエントリーに、その装備を充実したバッキンガム、スポーティなクーパーとクーパーD、さらに高性能なクーパーSとクーパーSD、そして4WDのクーパーS ALL4、そしてトップモデルとなるJCWと豊富なバリエーションが用意されています。一方、1シリーズは基本の118iとスポーティなM135ixDriveの2バージョン。118iは、装備違いで3グレードが用意されていますが、パワートレインは2種類しかないのです。

ディーゼル・エンジンが欲しい、もしくはJCWやMモデルのような300馬力級ではなく、もっと手ごろなパワーが欲しいというときは、その間を埋めるクーパーやクーパーSを用意するMINIクラブマンがおすすめとなります。

BMW 118iプレイ 萩原文博

BMW 118iプレイ

BMW M135i xDrive 萩原文博

BMW M135i xDrive

一方、最新のAIアシスタント風の音声コントロールを使いたいという方や、運転支援も最新のものがいいという人は1シリーズがおすすめです。また、1シリーズならではの魅力が、BMWサービス・インクルーシブ・プラスが無料で付いていること。なんと3年間の主要メンテナンスが無料で、タイヤパンク補償とキー補償までついています。さらに365日24時間の電話サポートも。コストパフォーマンスという意味では、MINIクラブマンは1シリーズに大きな差をつけてしまいました。

動画もどうぞ!クラブマン史上最強スペック!MINI JCW CLUBMANを徹底チェック!

2013年に第三世代となったミニ・クラブマン。その中でも歴代最強とされる、ジョンクーパーワークスが登場し、直列4気筒、2リッターエンジンで、最高出力306PS、最大トルク450Nmというスペックを誇るエンジンを搭載しています。このエンジンは、先日紹介したBMW M135i xDriveと同スペックになります。さらに、プラットフォームもBMW1シリーズと同じであるこのクラブマンは、果たしてどんな走りを見せるのか?また違いは?河西啓介が迫ります。

BMW M135i xDriveの解説動画はこちら

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ