15代目に進化したトヨタ クラウン!先代クラウンとの違いはどこにある?

トヨタ クラウン RS 黒田明

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2018年に登場した、15代目となるトヨタ クラウン。トヨタのラインアップの中でも長い歴史を誇るクラウンですが、15代目となるクラウンには走りやスタイリングなどにこだわることはもちろん、コネクティッドカーとしての要素も取り入れ、トヨタの一役を担う上で重要なクルマとして登場しました。

クラウンは新しい時代のクルマとしてどんな進化が遂げられているのでしょうか。今回は15代目トヨタ クラウンと先代モデルの違いをひも解いていきます。

文・鈴木 ケンイチ/写真・黒田 明

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
先代クラウンとはグレード編成から車体もパワートレーンもすべて異なる
TNGAから生まれたFRプラットフォーム
2つのハイブリッドと2Lターボ
新世代パワートレーンのスペック
“初代コネクティッドカー”を謳うコネクティッド機能
サイズや基本デザインは意外と変わっていない

先代クラウンとはグレード編成から車体もパワートレーンもすべて異なる

2018年6月に登場した第15世代となる新型クラウン。

このモデルの開発を担当したチーフエンジニアの秋山晃さんは「初代クラウンが誕生した創業期の意志を継承し『日本人の頭と腕で』もう一度、世界を驚かせたい。そんな気概で開発を進めてきました。デザインや走り、コネクティッド…すべての面でお客様にハッとしていただけるクルマに仕上がったと実感しています。」と説明しています。
実のところ15世代となる新型クラウンは、“すべての面でお客様にハッとしていただける”と言うだけあって、プラットフォームからパワートレーンといったハードウェア類がすべて一新されています。

さらに、「挑戦と革新を続ける初代コネクティッドカー」と謳うように、先進のコネクティッド機能も積極的に採用されているのも特徴です。これも当然、先代モデルとの大きな違いとなります。
また、グレード編成が変化したのもトピックのひとつ。これまでのクラウンは、スポーティーな「アスリート」と、トラディショナルな雰囲気の「ロイヤル」、そして一段階ステータスを高めた「マジェスタ」という3グレード編成となっていました。

しかも、3グレードはそれぞれ専用のエクステリアが用意されているだけでなく、マジェスタはボディ寸法も変更されているほど大きな違いがありました。ところが15世代目となる新型では、そうした区分が取り払われ、エクステリアデザインは1種類だけに変更されました。

TNGAから生まれたFRプラットフォーム

15世代の新型クラウンに採用されたプラットフォームは、新世代のTNGAのFRプラットフォームです。現行のプリウスやカムリなどに採用されているTNGAのFFプラットフォームと同じ思想で生まれた最新のプラットフォームとなります。

パワートレーンをより低い位置に配置して低重心化を図ると共に、フードやフェンダーにアルミ材を採用するなどして、前後重量バランスを最適化しています。サスペンション方式は、フロントがハイマウント方式のマルチリンク、リアにもマルチリンクを採用。

フロントにダブルウィッシュボーンとリアにマルチリンクであった先代から、フロントのサスペンション方式が変更となっています。

2つのハイブリッドと2Lターボ

新型クラウンに搭載されるパワートレーンは3種類あります。2.5Lのハイブリッドと3.5Lのハイブリッド、そして2Lのガソリンターボエンジンです。先代モデルは、2.5LのV6エンジンに2.5Lのハイブリッド、そしてマジェスタに3.5LのV6が用意されていました。

2.5Lのハイブリッドは同じように見えますが、新型はエンジンがダイナミックフォースと呼ばれる新世代のA25A-FXSが採用されています。また3.5Lのハイブリッドには、より高性能なマルチステージハイブリッドトランスミッションが使われています。

マルチステージハイブリッドの2次電池にリチウムイオン電池を採用しているのも、従来との違いとなります。

新世代パワートレーンのスペック

2.5Lハイブリッドのシステム最高出力226馬力で、WLTCモード燃費は20.0㎞/L。3.5Lハイブリッドはシステム最高出力359馬力でWLTCモード燃費は16.0㎞/L。2Lのガソリンエンジン車は、最高出力245馬力・最大トルク350NmでWLTCモード燃費12.4㎞/Lとなります。

“初代コネクティッドカー”を謳うコネクティッド機能

新型クラウンは“初代コネクティッドカー”を謳うだけあって、通信機能の充実も先代との違いです。大きいところで言えば、車載通信機DCMを標準搭載していること。これを使ったT-Connectサービスを3年間無料で提供してくれます。
「ヘルプネット(エアバッグ連動タイプ)」は、交通事故でエアバッグが作動したときに専用オペレーターが警察や消防に取り次ぎ、必要であればドクターヘリなども手配するというサービスです。

すでにクラウンでは先代モデルでも採用されていましたが、新型クラウンでは、さらに快適度をアップする「オペレーターサービス」を追加しています。これは、専任のオペレーターがナビの目的地設定や、ホテル・レストランの予約など様々なリクエストに対応してくれるサービスです。

また、道路に設置されたインフラやクルマ同士が直接通信して、ドライバーに危険などを知らせるITS Connect機能もオプションで用意されています。

サイズや基本デザインは意外と変わっていない

中身を大きく変えた15代目の新型クラウンですが、逆に先代とあまり変わっていない部分もあります。それがサイズです。旧型の寸法は全長4,895mm×全幅1,800mm×全高1,450mmに対して、新型は全長4,910mm×全幅1,800mm×全高1,455mm。全長で15mm、全高で5mmしか変更されていません。

室内寸法も、旧型は室内長1,975mm×室内幅1,510mm×室内高1,190mmのところ、新型は室内長1,980mm×室内幅1,500mm×室内高1,185mm。乗り比べたときに、ほとんど差を感じることのないほどの、わずかな違いに納められています。
また、内外装のデザインも一新していますが、その実「誰が見てもクラウンだと分かる」のも特徴です。逆台形のグリルの下側が左右に広がっているデザインは、先代のクラウンロイヤルを継承していることは一目瞭然。

また、ドライバーの前に大きな2眼のメーターを据え、センターに大きなモニターを置いて、その横に縦のエアコン噴き出し口が添えられるというインテリアの配置も先代と新型は変わりません。また、シフトノブがドライバー側に寄せられるレイアウトも先代からの継承。

14代目クラウン:全長4,895mm×全幅1,800mm×全高1,450mm

15代目クラウン:全長4,910mm×全幅1,800mm×全高1,455mm

アクセルペダルがオルガン式なのも先代と同じ。助手席のリクライニングのボタンが車両の中央側にもあり、運転席側から操作できるのも伝統のひとつでしょう。すべてを新しくしながらも、随所に伝統を感じさせる。それが新型クラウンでした。
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