トヨタ クラウンRSのパワートレーン(エンジン)について徹底解説!

2018年に登場した、15代目となるトヨタ クラウン。トヨタのラインアップの中でも長い歴史を誇るクラウンですが、15代目となるクラウンには走りやスタイリングなどにこだわることはもちろん、コネクティッドカーとしての要素も取り入れ、トヨタの一役を担う上で重要なクルマとして登場しました。

クラウンは新しい時代のクルマとしてどんな進化が遂げられているのでしょうか。今回は15代目トヨタ クラウンの心臓部、パワートレーンについてひも解いていきます。

文・鈴木 ケンイチ/写真・黒田 明

Chapter
トヨタ クラウンには3種類のパワートレーンを設定!その内容は?
クラウンに搭載された新世代のマルチステージハイブリッドシステムとは?

トヨタ クラウンには3種類のパワートレーンを設定!その内容は?

トヨタ クラウン RS 黒田明

スポーティーなイメージを強めた第15代目の新型クラウン。そこで重要となるのがスポーティーな走りを支えるパワートレーンです。3種類のパワートレーン内容をそれぞれ説明します。

トヨタ クラウン RS 黒田明

新型クラウンには3種類のパワートレーンが用意されていますが、その中で4WDモデルなども用意され、最もグレードの種類が多いのが2.5L エンジンのハイブリッドです。エンジンは、直列4気筒2.5L 直噴エンジン(AX25A-FXS)。

ダイナミックフォースエンジンと呼ばれ、世界最高レベルとなる熱効率41%を実現しています。エンジン単体では最高出力184馬力・最大トルク221Nm。これに最高出力143馬力・最大トルク300Nmのモーターを組み合わせることで、システム全体では最高226馬力を発揮します。

トヨタ クラウン RS 黒田明

システム最高出力がエンジンの184馬力とモーターの143馬力を単純に合計したものではないのは、エンジンとモーターの最高出力の出る回転数が異なるということと、電池の放電性能という制約があるのが理由です。ちなみに搭載する駆動用の二次電池はニッケル水素となります。

車格を考えれば、システム最高出力226馬力は十分な値と言えるでしょう。実際に街中を走らせて燃費性能はWLTCモードで2WDモデルが20.0km/L。4WDモデルでも18.2㎞/L。JC08モードでは2WDで最高24㎞/L、4WDでも最高21㎞/L。3種類あるクラウンのパワートレーン中、最も優れた数値となります。

トヨタ クラウン RS 黒田明

4WDモデルはセンターデフを使うフルタイム4WDシステムを搭載しています。前後に動力を配分するトランスファーにはトルセンLSDを使用。通常は前後のトルク配分を40:60とし、状況に応じて前後輪を30:70から50:50の間で変化させます。

高速道路での優れた直進性、コーナーリングの安定感、悪路での確実なトラクションをドライバーに提供してくれるシステムです。

トヨタ クラウン RS 黒田明

試乗車は2L ターボエンジンが搭載されていました。直噴システム「D-4ST」とツインスクロールターボを使うターボエンジン(8AR-FTS)で、最高出力245馬力・最大トルク350Nm。

1,650回転という低い回転数から、幅広い範囲で最大トルク350Nmを発生させ続ける力強いエンジンです。組み合わされるのは8速AT。Mポジションが用意されており、パドルシフトを使ってのマニュアル風の走らせ方もできるようになっています。

トヨタ クラウン RS 黒田明

燃費性能はWLTCモードで12.4㎞/L。JC08モードで12.8㎞/Lというもの。ターボエンジン車としては優秀ですが、さすがにハイブリッドには届きません。

トヨタ クラウン RS 黒田明

トップモデルとして用意されているパワートレーン、V型6気筒3.5L マルチステージハイブリッド(8GR-FXS)は最高出力299馬力・最大トルク356Nm。これに最高出力180馬力・最大トルク300Nmの強力なモーターをプラスし、システム全体では最高出力359馬力という強烈なパワーを発生させます。駆動用の二次電池はリチウムイオン電池です。

クラウンに搭載された新世代のマルチステージハイブリッドシステムとは?

トヨタ クラウン RS 黒田明

注目すべきは従来の2モーターのハイブリッドシステムに、さらに直列で変速機構をプラスした新世代のマルチステージハイブリッドシステムです。エンジン回転数を広い範囲で使用できるシステムのため、どんな速度域でもアクセル操作に対してダイレクトな駆動力を生み出します。

強烈な加速だけでなく、エンジン回転数の低い静粛で振動の少ない高速クルージングなど、幅広い走行シーンに最適な対応を可能とします。

トヨタ クラウン RS 黒田明

また、ギヤ段を固定するMモードにすれば、10段変速制御をパドルシフトで走らせることも。優れた燃費性能だけでなく、スポーツマインドを満足させる走りも味わえるのです。

トヨタ クラウン RS 黒田明

そして燃費性能はWLTCモードで16㎞/L、JC08モードで18㎞/L。2L ターボエンジンよりも優れた数値を実現します。

トヨタ クラウン RS 黒田明

3つのパワートレーンはグレード編成の基本となり、それぞれにベーシックな仕様からRS仕様などが用意されます。ただし後席の居住性を高めたエクスクルーシブは、2.5L ハイブリッドの4WDと3.5L マルチステージハイブリッドのみに設定されています。

また、4WDモデルは2.5Lハイブリッドのみとなります。4WDが欲しければ、2.5Lハイブリッドの一択です。

価格帯は、2L ターボが約460~560万円。2.5L ハイブリッドが約500~630万円。3.5L が約630~720万円といったところです。

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ