トヨタ クラウンがタクシーや公用車、社用車に多く採用される理由とは

クラウン マジェスタ

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社用車、あるいは公用車…これらはなんとなく「黒塗りのクラウン」なんてイメージが強いのではないでしょうか。それと困った時に頼れるタクシー。これも旧型のクラウンが多い…なんて印象。これはなぜなのでしょうか?
Chapter
クラウンがタクシー業界で圧倒的なシェアを誇る理由とは
新型クラウンのタクシー採用状況と今後の展望
クラウンが公用車や社用車に選ばれる理由
トヨタの公用車社用車戦略とクラウン以外の車種
今後のタクシー業界と公用車社用車市場の展望

クラウンがタクシー業界で圧倒的なシェアを誇る理由とは

タクシー業界において、トヨタのクラウン、特に「クラウン・コンフォート」と「コンフォート」が9割近い圧倒的なシェアを誇っています。この現象には、パワーユニットが大きく関係しています。

クラウンコンフォートとコンフォートがタクシー業界で重宝されてきた主な理由は、エンジンの燃料にLPGガスを使用していたことです。LPGガスはガソリンと比較して価格が6~7割と安価で、さらに排気ガスもクリーンであるため、コスト面と環境面で大きな優位性がありました。

しかし、LPGガス車には「出力が非常に低い」「LPGガススタンドが少ない」「トランク内にガスボンベが設置されるためスペースが取られる」というデメリットもあります。これらの理由から、一般の自家用車としては普及しませんでした。

新型クラウンのタクシー採用状況と今後の展望

近年、タクシー業界は大きな変化を迎えています。LPGガスから「ハイブリッド」や「EV」への移行が進んでおり、新型クラウンもこの流れに乗って変化しています。

新型クラウンは、従来のクラウンコンフォートと比較して、燃費性能や乗り心地が大幅に向上しています。ハイブリッドシステムを採用することで、環境性能と経済性を両立させています。

また、新型クラウンは最新の安全技術や快適装備を搭載しており、乗客と運転手の双方に優しい設計となっています。これらの特徴は、タクシー会社にとって魅力的な要素となっています。

ただし、新型クラウンのタクシー採用には課題もあります。従来モデルと比較して車両価格が高くなっているため、タクシー会社の初期投資が増大する点が挙げられます。また、整備やメンテナンスにおいても、より高度な技術や設備が必要となる可能性があります。

クラウンが公用車や社用車に選ばれる理由

クラウンは長年、公用車や社用車としても広く採用されてきました。その主な理由は、クラウンの外観が公的機関や企業のイメージにふさわしい高級感と威厳を備えているためです。また、長時間の移動や接待などでも快適に過ごせる優れた乗り心地も高く評価されています。

トヨタの技術力により、クラウンは長期間の使用に耐える耐久性を備えています。さらに、近年のモデルはハイブリッドシステムを採用しており、環境に配慮した選択肢として支持を集めています。

加えて、日本を代表する高級車としてのクラウンを選ぶことは、国産車を使用することへのプライドにもつながっています。これらの要素が組み合わさり、クラウンは公用車や社用車として理想的な選択肢となっているのです。

トヨタの公用車社用車戦略とクラウン以外の車種

トヨタは公用車や社用車市場において、クラウン以外にも多様な車種をラインナップしています。

例えば、クラウンよりもややコンパクトで燃費性能に優れたカムリや、環境配慮を重視する組織向けのハイブリッド車の代表格であるプリウスが人気を集めています。

また、高級ミニバンのアルファードやヴェルファイアは複数人での移動や接待用途で採用されています。

トヨタの法人向け販売戦略は、多様なニーズへの対応を重視しています。様々な車種を用意することで組織ごとの異なるニーズに応え、環境対応車の導入も積極的に推進しています。

さらに、車両の提供だけでなく、メンテナンスやアフターサービスを含めた総合的なサポートを提供し、組織のニーズに合わせた車両のカスタマイズにも対応しています。

これらの戦略により、トヨタはクラウン以外の車種でも公用車や社用車市場でのシェア拡大を図っています。多様な選択肢と柔軟な対応で、トヨタは変化する市場ニーズに応え続けています。

今後のタクシー業界と公用車社用車市場の展望

タクシー業界と公用車・社用車市場は、技術革新と社会のニーズの変化に伴い、大きな転換期を迎えています。環境規制の強化により、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)の採用が進み、クラウンを含むトヨタ車も、よりクリーンな動力源へのシフトが加速すると予想されます。

特にタクシー業界では、将来的に自動運転技術の導入が進む可能性があり、運転手不足の解消や24時間営業の実現などが期待されています。

また、車両とインターネットを常時接続するコネクテッド技術の活用により、リアルタイムの交通情報の活用や効率的な配車システムの構築が可能になるでしょう。

高齢者や障がい者にも使いやすい「UD(ユニバーサルデザイン)タクシー」の普及も東京オリンピック・パラリンピックを契機に加速しました。

公用車・社用車市場では、カーシェアリングやライドシェアなどのシェアリングサービスの活用が増え、車両の稼働率向上や維持コストの削減が期待されます。

また、一つの車種に頼るのではなく、用途に応じて多様な車種を使い分ける傾向が強まり、小型EVからミニバン、高級セダンまで、幅広い選択肢が求められるでしょう。

これらの変化に対応するため、トヨタを含む自動車メーカーは、従来のクルマづくりの概念を超えた、新しいモビリティサービスの提供に向けた取り組みを進めています。クラウンも、こうした時代の要請に応える形で、さらなる進化を遂げていくことが期待されます。
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