パトカーや消防車等の緊急車両に制限速度は存在するのか?

治安維持や防災、人命救助に必要不可欠なのが、パトカー、消防車、救急車などの緊急車両です。緊急車両がサイレンを鳴らし赤色灯を点灯した緊急時には、一般車両は進行を妨げないよう道を譲らなればなりません。ところで緊急車両には、制限速度はあるのでしょうか?

Chapter
緊急車両とは?
緊急車両が優先される事項
緊急車両に制限速度はあるの?
覆面パトカーのスピード確認作業はグレー!?

緊急車両とは?

緊急車両とは、治安維持のためのパトカーや自衛隊車両、災害対応時の消防車類、人命救急時の救急車、血液運搬車、ドクターカーなどを指します。それらは公益のための車両であり、ざっくりといえばサイレンと赤色灯を備えている車両です。

また、パトカーの緊急走行に先導される医療関係の車両なども、緊急車両に含まれます。

緊急車両がサイレンを鳴らし、赤色灯を点灯して接近してきたら、一般車両は速やかに進路を譲る行動を取らなければなりません。

緊急車両が優先される事項

緊急車両の緊急時には、道路交通法上の特例や優先される事項があります。それは大きくいえば右側通行と右左折の優先です。

緊急時ばかりは赤信号を渡っても、バス専用レーンを走行しても、横断歩道の歩行者を止めても、二重追い越しを行っても罪には問われません。緊急車両のミッションの重大さがわかりますね。

では、緊急車両に制限速度はあるのでしょうか?

緊急車両に制限速度はあるの?

そんな重大なミッションを負った緊急車両ですが、制限速度はあります。

緊急時だからと言って闇雲にスピードを出して、走行することは出来ないのです。緊急時走行の上限速度は一般道が80km/h、対面交通でない高速道路は100km/h。一般道では一般車両よりも制限速度は緩和されますが、高速道路は同じです。

覆面パトカーのスピード確認作業はグレー!?

緊急時には優先される緊急車両ですが、一般のドライバーの目から見て不思議なのは、スピード違反を検挙するため、無サイレン・赤色灯OFF状態でスピード測定をしているときの覆面パトカーや白バイ。

緊急車両といえども、サイレンを鳴らさず赤色灯を点灯しなければ、扱いは一般車両と同じです。緊急時走行ではないパトカーがスピード違反で検挙されたニュースはしばしば耳にします。

テレビの警察特番などを見ていると、スピード違反車両とパトカー(もしくは白バイ)は、違反スピードを測定するため一定の間隔を空けて同じ速度で走行しています。この捜査時の走行は、道路交通法違反にはならないのでしょうか?

答えは「なります」。しかしこの捜査時にスピード違反で捕まった警察車両など聞いたことはありません。また、違法行為を行ったうえで採取した証拠なので裁判での証拠能力は認められないのでは?と考えられますが、『スピード違反を犯した上で採取した証拠だからといって、スピード違反の証拠能力に欠けるほどの違法性はない』との最高裁の判例があります。

つまり、覆面パトカーや白バイも、緊急性を要する犯罪捜査のためにはスピード違反も多少は仕方がないとされているようです。法律論ではグレーですが、こういう地道な捜査が行われているからこそ、交通の安全性が守られていることも事実ですよね。