1989年放送の警視庁捜査第8班「ゴリラ」で活躍した特装車・覆面車達!

三菱 パジェロ メタルトップワゴン XL

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1989年春に放送を開始し、約1年4クールにわたって続いた警視庁捜査第8班「ゴリラ」を記憶している方も多いのではないでしょうか。日常的な犯罪よりもさらに規模が大きく凶悪な「敵」に立ち向かう刑事ドラマです。石原プロモーション制作のこのドラマ、やはり導入された覆面車も当時最新の三菱車でした。派手なカーアクションを見せつけてくれましたね。今回はそんな「ゴリア」で活躍した特装車・覆面車を紹介します。
Chapter
①班長「倉本 省」の愛車はギャランVR-4
②おしゃれで軽快な自由人「風間有悟」はデボネアAMG
③言わずと知れたガルウイング スタリオンに乗る「伊達 健」
④芸名と同じ役名「田中美奈子」が乗ったエクリプス ガルウイング仕様
⑤若手刑事「谷川竜太郎」の愛車は、踏破性高いパジェロ
⑥登場回数、わずか1回!? とてもレアなミラージュ
時代の変革期に現れたゴリラ

①班長「倉本 省」の愛車はギャランVR-4

西部警察の「マシンX」や「スーパーZ」のような派手なスポーツカーから、落ち着いた印象のセダン(ギャラン VR-4)に変わったのは、渡 哲也さんの年齢に合わせた変化というべきかもしれませんね。

ちょっとニヒルでストイックなリーダーである役どころの倉本は、粛々と任務を遂行しながらも、部下への思いやりやさりげない優しさを魅せるシーンもあって、まさしく"憧れの上司”といったキャラクターだったと思います。そんな倉本にギャランは、よく合っていたかもしれません。

ドラマ終盤になると病と闘う妻を介護するもうひとつの一面も見られたりして、アクションドラマでありながら、ヒューマンタッチな演出もこのドラマの特徴でした。

②おしゃれで軽快な自由人「風間有悟」はデボネアAMG

太陽にほえろ!などで見せた、当時の正統派イケメン的なイメージに対して、ゴリラでの神田正輝さんは、肩肘張らない自由人といった印象の役どころでした。そんな彼にフォーマルセダンであるデボネアをAMG仕様にしてしまった、ちょっとした”ハズシ”クルマがよく似合っていたように思います。

デボネアAMGは、当時にしてすでにかなりの希少車。この奇抜なスタイリングは、確かに高額車ユーザーにとっては手の出しにくいセンスだったかもしれませんよね。そんなモデルですから、ドラマのなかでもかなり異彩を放っていました。

神田正輝さんのタレントとしての経歴のなかでも、こうした取り合わせというのはちょっと毛色が変わった役どころだったように思います。

③言わずと知れたガルウイング スタリオンに乗る「伊達 健」

伊達 健に関するエピソードとして、舘ひろしさんは「西部警察の鳩村とあぶ刑事の鷹山は、同じ芝居」と発言し、また「あぶ刑事の鷹山と、ゴリラの伊達は同じ芝居」とも発言していました。かなりぶっちゃけた発言ですが、それだけ舘さんのダンディな刑事役というスタイルにブレがなかったということなのでしょう。

そんな舘さん演じる伊達 健が愛車にするのは、スタリオン GSR-VRの特注ガルウイング仕様。かつて西部警察の「スーパーZ」を彷彿とさせるクルマで、この番組のなかでも主役級といった扱いだったと思います。また、渡さんではなく舘さんが乗るということは、ある意味、渡さんから舘さんにバトンが渡されたということなのかもしれません。

シリーズ後半になると、伊達は病におかされながらも任務にあたることになります。ドラマは、次第に死期が近づいて来る伊達の心模様や友情などが盛り込まれ、ヒューマンドラマという仕立てになっていったところが見所でした。それもそのはず、後半からは「北の国から」でも有名な脚本家、倉本聰氏が加わり、エンディングへ向けて加速させていったのです。

わずか8年という生涯…懐かしの名車 三菱 スタリオンは1982年から1990年に登場!

スタリオンが登場したのは1982年!1982年と言えば東北新幹線・上越新幹線の開業や、笑っていいとも!が放送開始された年ですね。3ドアクーペで独自のスタイルを持つクルマとして開発されました。

スタリオンの名前はstar(星)とarion(ギリシャ神話の名馬)を組み合わせたものだといわれています。

ミドル級サルーンのギャランΣ(シグマ)をベースとし、リトラクタブル式ライトを採用。発売当初搭載されていたのは、直列4気筒SOHCエンジン。FR駆動で、全長4,400mm、全高1,320mm、幅はナローとワイドモデルがあり、ナローが1,695mm、ワイドが1,745mm。全体的に角張った印象で、”ガンダムチック”と呼ばれることもありました。

このスタリオンは、1980年代の三菱を代表するレーシングカーとしても活躍していました。

グループA時代の全日本ツーリングカー選手権に参戦し、86年にはメイクスランキング2位を獲得する等多くのレースで勝利を収めました。そして、1990年、三菱GTOに後を引き継ぐ形で生産を終了。8年という短い歴史に幕を閉じます。

短い間でしたが、スタリオンの活躍は三菱自動車の歴史にしっかりと刻まれ、引き継がれています。実はオーナーだった!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。時代を感じる、懐かしいモデルでしたね。

④芸名と同じ役名「田中美奈子」が乗ったエクリプス ガルウイング仕様

芸名と役名が同じ田中美奈子が登場したのはシリーズ中盤から。それに合わせて、田中美奈子専用の特装車も設定されます。それがエクリプス ガルウイング仕様。このエクリプス、番組登場時点では、まだ日本国内未導入だった記憶があります。それでも三菱自動車から提供を受けていたというのは、まさに特別待遇でした。

エクリプスは、アメリカ向けの若者用スポーティーカーという位置づけで、当時のスポーティーカーのなかでは、どこか垢抜けた躍起になっていない魅力がありつつも、そのトップグレードはギャランVR-4と共通だったりして、本格派の一面も覗かせます。

ガルウイングというのは見た目の派手さや乗り降りのしやすさ、あるいはドラマの警察的には乗車しながら狙撃しやすいなどのメリットもあるようです。でも、実際の警察車両には導入されていないところをみると、果たして…どうなのでしょう。

⑤若手刑事「谷川竜太郎」の愛車は、踏破性高いパジェロ

ゴリラで唯一の若手男性刑事、谷川竜太郎が乗るのは、1,990年代のRVブームをけん引したパジェロ。元来、凶悪犯が相手になるゴリラですから、こうした悪路にも強いタイプのクルマのほうが、使い勝手は良かったといえるかもしれませんね。

実はこのゴリラに登場するパジェロ、前期と後期にわかれています。というのもドラマ放映中、パジェロがマイナーチェンジを行ないワイドボディを追加したことから、それに対応してドラマに登場するパジェロも、後期のワイドフェンダーを装着したモデルになっていたのです。

通常ならそのままということも多いドラマ提供車ですが、細かい対応をみせていました。

⑥登場回数、わずか1回!? とてもレアなミラージュ

前半期に紅一点、内勤の刑事役で活躍した高峰淳子の愛車は、ミラージュ サイボーグ。リーフレットやサウンドトラックにも掲載されていて、G-5というコードネームまで与えられながらこのクルマ、実はエピソードの中では1度しか登場していないレア物のようです。

加納みゆきさんが演じた高峰淳子は、装備をつけて皆と一緒にヘリコプターに乗り込もうとすると追い返されたりするシーンもあったりして、後半に登場する田中美奈子とは立ち位置が異なっていたように思います。女性が社会でどう活躍するかという、当時の認識も現れていたのかもしれませんね。

時代の変革期に現れたゴリラ

ゴリラは、西部警察の流れを汲みながら、バブル期という時代性を反映して泥臭さ、汗臭さをできる限り「脱臭」した新しい刑事ドラマであろうとしていました。

DCブランドのスーツや自由な価値観、生き方。終盤に見せるヒューマンドラマの側面など、あらゆる要素、また潤沢な資金を投入して、石原プロモーションの考えうるアクションドラマとしての集大成ともいうべき仕上がりでした。

この後、「代表取締役刑事」などやや人情派に転じていくこのシリーズですが、ゴリラは時代も派手で、また制作側も西部警察の余勢をかって、打ち上げ花火としては非常に見どころのある作品だったといえるのではないでしょうか。

今回は、そんなゴリラに登場した特装車・覆面車を振り返ってみました。ちなみにサウンドトラック盤を見返すと、これらの他に、ミニカ ウォークスルーがラインナップされていたようです…私はちょっと記憶にないです。皆さん、登場シーンを覚えていらっしゃいますか?
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