ハイブリッド車の駆動用バッテリーの寿命と交換費用

「20世紀に間に合いました」をキャッチコピーとした初代プリウスの誕生から、2017年で20年になります。このあいだに、ハイブリッド車は超特別なクルマから、普通のクルマと言えるまで普及しました。そこで気になるのは、ハイブリッド車の駆動用バッテリーの寿命と保証期間、そして修理交換費用ではないでしょうか?

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トヨタ ハイブリッド車、発売20年で世界累計販売1,000万台に!
駆動用バッテリーに対する各自動車メーカーの対応
実はガソリン車でも十分?

トヨタ ハイブリッド車、発売20年で世界累計販売1,000万台に!

2017年2月、トヨタ自動車はハイブリッド車の世界累計販売が1,000万台を突破したと発表しました。

初代プリウスの発売から、ちょうど20年が経ちました。この20年で、他メーカーからもハイブリッド車が続々と発表され、ハイブリッド車は特別なものではなくなりました。

そこで今回は、実際にディーラーに出向き、ハイブリッド車のバッテリー寿命や保証期間、修理代金を取材してきました。

駆動用バッテリーに対する各自動車メーカーの対応

トヨタ 新型ノアの場合

トヨタ 新型ノアに搭載されるハイブリッドシステムは、EV走行も可能なシリーズ パラレル式のTHS IIです。

初代プリウス以来、熟成を重ねてきたハイブリッドシステムで、フロントシート床下に搭載されたニッケル水素電池の寿命は10年以上とされ、故障なしで廃車まで乗るユーザーも多いとのこと。

保証期間は5年間または10万km走行まで。万が一の修理費用は、概ね20~30万円です。技術が確立し、普及しているニッケル水素電池を利用しているため、他のハイブリッド車に比べると修理費用は安価です。

日産 ノートe-POWERの場合

海外ではレンジエクステンダーという名称で知られる日産e-POWERシステム。

大別すると100%EV走行のシリーズ式ハイブリッドで、エンジンは発電用だけに使用しています。駆動用のリチウムイオンバッテリーは、フロントシートの下に配置されています。

いわば自家発電機を備えたEV車で、発電機(エンジン)を駆動するためにガソリンを使います。燃料補給に関しては、従来のインフラ(GS)を使えるので、実用性は高いといえるでしょう。

日産によると、ノートe-POWERの駆動用バッテリー単独での保証期間は設けておらず、e-POWERシステムに、5年間または10万km走行までの保証を用意しています。保証期間外の修理費用は、まだ想定していないそうです。

また、e-POWERシステムの寿命は、半永久的だとか。信じるか信じないかは、あなた次第です。

ホンダ フリードの場合

ホンダ フリードのハイブリッドシステムは、他社とはひと味違うSPORT HYBRID i-DCDです。

1モーターを7速デュアルクラッチトランスミッションに内蔵し、低燃費とホンダらしいスポーティな走りの両立を狙ったシリーズ パラレル式ハイブリッドです。

駆動用バッテリーはリチウムイオン充電池で、リアラケッジルームの床下に配置されます。寿命は7年。保証期間は3年間または6万kmまでの走行と、他社と比較すると短めです。

保証期間外の交換費用は、25~30万円とのこと。これは参考で、他ホンダハイブリッド車の修理費用です。現行型フリードは2016年発売ですから、仕方のないところですね。

三菱 アウトランダーPHEVの場合

世界最高のPHEVと欧州で褒めたたえられた三菱 アウトランダーPHEVは、プラグインハイブリッド車とEV車の特性を備える車です。

走行状況に応じてバッテリーとモーターのみで走行する「EV走行モード」、エンジンで発電した電気でモーターを駆動させる「シリーズ走行モード」、エンジンメインでモーターがアシストする「パラレル走行モード」を、車が切り替えてくれます。

リチウムイオンバッテリーの搭載位置は、キャビン床下に配置されます。

ユーザーの声によると、ほぼエンジンを使用せずに走行可能とのこと。リチウムバッテリーの負担は大きそうですが、保証期間は8年または16万kmまでの走行で、フル充電で70%以下にまでバッテリーが消耗した場合に適用されます。

これなら安心と思いきや、保証期間外での交換費用は70万円以上。12kWhという大容量のバッテリーを使っているので、致しかたないことかもしれませんね。

スズキ ソリオ ハイブリッドの場合

シリーズ パラレル式ハイブリッド搭載車としては、最後発のスズキ ソリオ ハイブリッドです。マイルドハイブリッドではないので、念のため。

駆動用バッテリーにマイルドハイブリッドより大容量のリチウムイオン充電池を使用し、EV走行とモーターアシスト領域を拡大しています。

リチウムバッテリーの寿命は5年以上とされ、保証期間は5年間または10万km走行までです。

登場して間もない新システムなので修理実績は皆無ですが、メーカーでは保証期間外交換費用を概ね12万円程度と想定しているとのことです。

実はガソリン車でも十分?

「毎日自動車に乗らないのであれば、購入費用も含めたトータルコストで考えると、ガソリン車のほうがおすすめですよ」というのは、取材中に棒某ディーラーマンからのアドバイス。

確かに購入費用の差額を燃料費や免税で埋めるには、年間2万kmといった超長距離を運転する必要があります。先進技術で地球環境には優しいハイブリッド車ですが、家計にとっては、まだ厳しいのかもしれません。