ポルシェを変えた"最強のSUV"と謳われたカイエンの実力は?
更新日:2024.09.09
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2014年11月に日本で発売された、ポルシェのコンパクトSUV「マカン」が人気を博しています。
マカンは2002年に発売された「カイエン」に続く、ポルシェ第2のSUVです。カイエンのヒットが前提としてあったため、マカンは"成功を確約されたコンパクトSUV"と発売前から言われてきました。
そんなマカン成功の下地を整えたカイエンは、単なるヒットSUVではありません。ポルシェというメーカー、更にはヨーロッパの高級車メーカー全体を変えたモデルであるとも言えます。その根拠となる4つの理由を以下で紹介していきます。
マカンは2002年に発売された「カイエン」に続く、ポルシェ第2のSUVです。カイエンのヒットが前提としてあったため、マカンは"成功を確約されたコンパクトSUV"と発売前から言われてきました。
そんなマカン成功の下地を整えたカイエンは、単なるヒットSUVではありません。ポルシェというメーカー、更にはヨーロッパの高級車メーカー全体を変えたモデルであるとも言えます。その根拠となる4つの理由を以下で紹介していきます。
新型カイエンターボ 徹底解説動画
スポーツカーともいえる最強SUV ポルシェ カイエン
2002年、ポルシェ初のクロスオーバーSUVとしてデビューしたのが「カイエン」です。ただ、ポルシェとしてはあくまで「新しい形のスポーツカー」と定義しており、クロスオーバーSUVとは謳っていなかったようです。
ただ、ポルシェ&フォルクスワーゲンとしても高級SUVのカテゴリーに進出したい、という狙いがありました。なので、両社で共同開発を行い、他とひと味違うSUVである「カイエン」が誕生となったわけです。
ポルシェらしく、形式は「9○○~」となっており、初代955型、957型、現行モデルの958型と3代目モデルと熟成が進んでいます。
特筆すべきはやはりその運動性能でしょうか。初代モデルからV8 4.5L 4WD ターボモデルが用意されており、こちらは450馬力、とスーパースポーツカーさながらの出力を発揮。車重約2.5tと重量級でありながら、0~100km/h加速がわずか5.6秒と、SUVとは思えないすさまじい性能を誇ります。
ただ、ポルシェ&フォルクスワーゲンとしても高級SUVのカテゴリーに進出したい、という狙いがありました。なので、両社で共同開発を行い、他とひと味違うSUVである「カイエン」が誕生となったわけです。
ポルシェらしく、形式は「9○○~」となっており、初代955型、957型、現行モデルの958型と3代目モデルと熟成が進んでいます。
特筆すべきはやはりその運動性能でしょうか。初代モデルからV8 4.5L 4WD ターボモデルが用意されており、こちらは450馬力、とスーパースポーツカーさながらの出力を発揮。車重約2.5tと重量級でありながら、0~100km/h加速がわずか5.6秒と、SUVとは思えないすさまじい性能を誇ります。
ポルシェ カイエンは魅力的なカイエンの内装とエクステリアを持つ
どうしてもカイエンの運動性能からの紹介になってしましたが、レザーを基調とした内装も高級感あふれるもの。スポーティさとラグジュアリー感の融合した内装は、ポルシェが今まで培ってきたスポーツイメージと、質感が融合、またモデルチェンジごとに確実に快適性が向上していることも魅力です。
リアシートは調整機能が付き、前後位置およびバックレストの角度が調節できる分割可倒式リアシートが採用、足元の空間がより広く確保されるようになっています。
1000万円以上のグレードが主であることからも、やはり内装は高品質な素材で仕上げられており、とにかく上質感のあるエレガントな仕上がりになっているのも所有満足度を高めるのは間違いありません。
また、エクステリアについてですが、見た瞬間に「ポルシェだ」とわかるデザインであり、ポルシェがあえてSUVという言葉を使わなかったのもわかるような気がします。
ともすればクーペとも見紛うような流麗な「カイエン」のボディラインをデザインしたのは、2004年までポルシェのチーフデザイナーとしていた「ハーム・ラガーイ」氏の手によるものとされています。その後モデルチェンジを行っても基本デザインは踏襲されており、初代モデルのデザイン・パッケージが傑出していたともいえますね。
当然賛否あろうと思いますが、しかしマッシブでありながらも柔らかさがある、ポルシェならではの世界観を持ったこのエクステリアに魅力を感じ、購入に至った方も多いのではないでしょうか。
まさにどこでも行けるポルシェのスポーツカー、といったところでしょうか。こうした高性能、高級感、そして視点の高さからくる乗りやすさ(右ハンドルも選択可能)も、世界のみならず日本でも人気を博すポイントといえましょう。
リアシートは調整機能が付き、前後位置およびバックレストの角度が調節できる分割可倒式リアシートが採用、足元の空間がより広く確保されるようになっています。
1000万円以上のグレードが主であることからも、やはり内装は高品質な素材で仕上げられており、とにかく上質感のあるエレガントな仕上がりになっているのも所有満足度を高めるのは間違いありません。
また、エクステリアについてですが、見た瞬間に「ポルシェだ」とわかるデザインであり、ポルシェがあえてSUVという言葉を使わなかったのもわかるような気がします。
ともすればクーペとも見紛うような流麗な「カイエン」のボディラインをデザインしたのは、2004年までポルシェのチーフデザイナーとしていた「ハーム・ラガーイ」氏の手によるものとされています。その後モデルチェンジを行っても基本デザインは踏襲されており、初代モデルのデザイン・パッケージが傑出していたともいえますね。
当然賛否あろうと思いますが、しかしマッシブでありながらも柔らかさがある、ポルシェならではの世界観を持ったこのエクステリアに魅力を感じ、購入に至った方も多いのではないでしょうか。
まさにどこでも行けるポルシェのスポーツカー、といったところでしょうか。こうした高性能、高級感、そして視点の高さからくる乗りやすさ(右ハンドルも選択可能)も、世界のみならず日本でも人気を博すポイントといえましょう。
ポルシェ カイエンは多様なエンジンが選べる
現行モデルの最上級グレードはカイエン ターボS。
エンジンは4.8Lターボに拡大されており、最高出力は570馬力に高められつつ、車重も軽量化し、0~100加速はわずか4.1秒。大柄なボディを最高速284km/hまで引っ張る、痛快なモデルとなっています。ちなみに値段は2000万円以上になります。
エントリーモデル「カイエン」には3.6L V6エンジンを搭載、こちらは300馬力を発揮。また環境性能を問われる現代のモデルらしく、「カイエンS・ハイブリッド」も追加。
こちらは3.0L V6エンジンにダウンサイズしながらも47馬力を発揮するモーターを組み合わせ、380馬力を発揮、モーターでの単体走行も可能としています。環境性能と動力性能を同時に手に入れたハイブリッドモデルも魅力的ですね。
エンジンは4.8Lターボに拡大されており、最高出力は570馬力に高められつつ、車重も軽量化し、0~100加速はわずか4.1秒。大柄なボディを最高速284km/hまで引っ張る、痛快なモデルとなっています。ちなみに値段は2000万円以上になります。
エントリーモデル「カイエン」には3.6L V6エンジンを搭載、こちらは300馬力を発揮。また環境性能を問われる現代のモデルらしく、「カイエンS・ハイブリッド」も追加。
こちらは3.0L V6エンジンにダウンサイズしながらも47馬力を発揮するモーターを組み合わせ、380馬力を発揮、モーターでの単体走行も可能としています。環境性能と動力性能を同時に手に入れたハイブリッドモデルも魅力的ですね。
ポルシェ カイエンの弱点はその価格
ただし、多くの人にとってネックとして挙がってしまうのは、やはり価格でしょうか。
エントリーグレードの「カイエン」でも859万円、最上級グレードのターボSにいたっては2235万円…。なかなか手に入れるハードルは高いといえますね。
エントリーグレードの「カイエン」でも859万円、最上級グレードのターボSにいたっては2235万円…。なかなか手に入れるハードルは高いといえますね。
ポルシェ カイエンは"最速のSUV"か
まずは、カイエンがどんなモデルなのかを振り返ってみましょう。
カイエンは、ポルシェの歴史とブランドに新しい風を吹き込んだSUV車です。カイエンを発売するまでのポルシェは、ほぼ911だけを改良して製造・販売するスポーツカー専門のメーカーでした。
そのため、2002年の発表当時、この新たな取り組みに対して「あのポルシェがSUVを開発?」とポルシェの迷走を疑うファンもいたはずです。昔からのファンは、正に期待と不安が入り混じっていたことでしょう。しかし、カイエンはいざ発売されると大ヒット。一般的なSUVというよりも、SUVセグメントにおけるスポーツカーという地位を築き上げました。
2015年1月に開催されたデトロイトモーターショーでは、最新モデルとなる「カイエン ターボS」が展示されました。このカイエン ターボSは、"スポーツカー開発の聖地"と呼ばれるニュルブルクリンク(ドイツ)というサーキットで7分59秒というラップタイムを叩き出しました。
その速さは911 カレラSの記録(8分5秒)をも勝り、それまでSUVにおける最速記録保持車だった「レンジローバー スポーツSVR」の記録を約14秒も塗り替えてしまいました。紛れもなく、カイエンは最速SUVであり、その速さはスポーツカーにも劣らないことを証明したのです。
それでは、このカイエンが「ポルシェ自身、そしてヨーロッパ自動車市場のターニングポイントとなったモデル」と言えるのはなぜでしょうか。
カイエンは、ポルシェの歴史とブランドに新しい風を吹き込んだSUV車です。カイエンを発売するまでのポルシェは、ほぼ911だけを改良して製造・販売するスポーツカー専門のメーカーでした。
そのため、2002年の発表当時、この新たな取り組みに対して「あのポルシェがSUVを開発?」とポルシェの迷走を疑うファンもいたはずです。昔からのファンは、正に期待と不安が入り混じっていたことでしょう。しかし、カイエンはいざ発売されると大ヒット。一般的なSUVというよりも、SUVセグメントにおけるスポーツカーという地位を築き上げました。
2015年1月に開催されたデトロイトモーターショーでは、最新モデルとなる「カイエン ターボS」が展示されました。このカイエン ターボSは、"スポーツカー開発の聖地"と呼ばれるニュルブルクリンク(ドイツ)というサーキットで7分59秒というラップタイムを叩き出しました。
その速さは911 カレラSの記録(8分5秒)をも勝り、それまでSUVにおける最速記録保持車だった「レンジローバー スポーツSVR」の記録を約14秒も塗り替えてしまいました。紛れもなく、カイエンは最速SUVであり、その速さはスポーツカーにも劣らないことを証明したのです。
それでは、このカイエンが「ポルシェ自身、そしてヨーロッパ自動車市場のターニングポイントとなったモデル」と言えるのはなぜでしょうか。
カイエンがポルシェを変えたと言われる理由とは
その理由は、カイエンがポルシェの販売領域を広げたからです。
ポルシェが創業以来40年以上に渡って改良してきた911は新興国には向いていないモデルと言えます。なぜなら、新興国のように悪路が多い環境では、911のようなスポーツカーが走るのは困難だからです。
もちろん、一部の富裕層にしか手が届かない価格帯ですが、カイエンには911と違って整備されていない道路でも申し分なく走れる走破性があります。カイエンによって、ポルシェは新興国でも戦えるメーカーとなりました。
また、カイエンの販売によって、2人乗りの911ではリーチできないファミリー層にも接近できます。新興国とファミリー層への領域拡大をカイエンはもたらしました。
カイエンのヒットが、ケイマン(2005年)パナメーラ(2009年)、そしてマカン(2014年)とラインナップを拡充してきました。つまり、それまでの単一モデルのみ発売する特殊なメーカーから脱却しています。
ポルシェが創業以来40年以上に渡って改良してきた911は新興国には向いていないモデルと言えます。なぜなら、新興国のように悪路が多い環境では、911のようなスポーツカーが走るのは困難だからです。
もちろん、一部の富裕層にしか手が届かない価格帯ですが、カイエンには911と違って整備されていない道路でも申し分なく走れる走破性があります。カイエンによって、ポルシェは新興国でも戦えるメーカーとなりました。
また、カイエンの販売によって、2人乗りの911ではリーチできないファミリー層にも接近できます。新興国とファミリー層への領域拡大をカイエンはもたらしました。
カイエンのヒットが、ケイマン(2005年)パナメーラ(2009年)、そしてマカン(2014年)とラインナップを拡充してきました。つまり、それまでの単一モデルのみ発売する特殊なメーカーから脱却しています。
ヨーロッパSUVブームの先駆けはカイエン
そして、カイエンがなぜヨーロッパの高級車メーカー全体を変えたモデルだという声もあります。その主張の根拠は、2000年代から現在まで続くSUVブームを創りだしたのがカイエンだからだそうです。
どれもグループ傘下ブランドのため、親会社の意向が大きいですが、例えば、ランボルギーニ、マセラティ、そしてロールス・ロイスなど、以前はSUVを販売していなかったメーカーが現在続々とSUV市場への参入を発表しています。
最早、SUVを販売していないメーカーの方が少なくなってきました。カイエンが2002年に発売してヒットしたことを受けて、各ヨーロッパ高級車メーカーがSUV市場に注目し始めたのです。
どれもグループ傘下ブランドのため、親会社の意向が大きいですが、例えば、ランボルギーニ、マセラティ、そしてロールス・ロイスなど、以前はSUVを販売していなかったメーカーが現在続々とSUV市場への参入を発表しています。
最早、SUVを販売していないメーカーの方が少なくなってきました。カイエンが2002年に発売してヒットしたことを受けて、各ヨーロッパ高級車メーカーがSUV市場に注目し始めたのです。
ポルシェと似た戦略をとっている新興メーカーがある?
完全に筆者の主観ですが、最後にポルシェと似た戦略をとっているメーカーを挙げます。
それは、アメリカの電気自動車メーカー「テスラ・モーターズ」(以下、テスラ)です。2003年にイーロン・マスク氏によって設立されるやいなや、わずか12年でマツダやスバルの時価総額を超える266億ドルに到達しました。(2015年2月11日時点)
テスラもポルシェと同じく、2008年に「ロードスター」という高価格帯のスポーツカー(発売時の価格:約1,000万円)でブランド力をつけてから、2009年には4ドアセダンの「モデルS」を発売。
そして今後はSUVタイプの「モデルX」を2016年に、更に低価格モデルの「モデル3」を2017年前半に発売する予定です。高価格帯のスポーツカーでブランド力を究めてから裾野を広げるというテスラの戦略は、ポルシェと瓜二つとまでは言えないまでも、どこか共通点を感じないでしょうか。
それは、アメリカの電気自動車メーカー「テスラ・モーターズ」(以下、テスラ)です。2003年にイーロン・マスク氏によって設立されるやいなや、わずか12年でマツダやスバルの時価総額を超える266億ドルに到達しました。(2015年2月11日時点)
テスラもポルシェと同じく、2008年に「ロードスター」という高価格帯のスポーツカー(発売時の価格:約1,000万円)でブランド力をつけてから、2009年には4ドアセダンの「モデルS」を発売。
そして今後はSUVタイプの「モデルX」を2016年に、更に低価格モデルの「モデル3」を2017年前半に発売する予定です。高価格帯のスポーツカーでブランド力を究めてから裾野を広げるというテスラの戦略は、ポルシェと瓜二つとまでは言えないまでも、どこか共通点を感じないでしょうか。