マセラティの車名に共通するものとは?それぞれの特徴や由来を徹底解説

マセラティ ギブリ

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最近、見かける機会が多くなったイタリアのマセラティ。1914年に設立されてから現在まで、その道のりは幾多の経営危機に直面し、さまざまな自動車メーカーの傘下に入りながら困難を乗り越えてきました。

そんなマセラティは、車名に"風の名前"をつけることを伝統としています。今回は個性豊かな風の名を持つマセラティを紹介します。

文・杉山敬太
Chapter
マセラティ ミストラル
マセラティ ギブリ
マセラティ ボーラ
マセラティ カムシン
マセラティ カリフ
マセラティ シャマル
マセラティ レヴァンテ

マセラティ ミストラル

1964年に発売されたミストラルは、マセラティ初の市販グランツーリスモである3500GTに代わるモデルで、風の名前が付けられた最初のモデルです。

ミストラルとは、フランスにあるローヌ川の河谷を地中海に向かって吹き抜ける強い北風のことを言います。軽量かつスポーティをコンセプトとしていたこのモデルは、まさに風のような疾走感のあるクルマになるよう名づけられました。

マセラティ ギブリ

※写真は3代目ギブリ

ギブリは1966年に初代モデルが販売されてから、現在でも3代目が販売され続けているロングセラーモデルであり、マセラティのフラッグシップとして位置づけられています。

初代の2ドアクーペの最高速度は、当時のフェラーリ、ランボルギーニと肩を並べる265km/hを記録しました。

アフリカ北部で吹くサハラ砂漠からの乾いた熱風を意味する名前は、第2次世界中に使用された偵察・爆撃機や現行型の軽攻撃機にも用いられるなど、イタリアでは好んで用いれているようです。

マセラティ ボーラ

冬になるとイタリアの北東部に吹き付ける地方風の意味を持つボーラは、ミストラルと同じく強い北風です。

1971年にマセラティ初のミッドシップ2シーターモデルとして、当時の親会社であるシトロエンからの提案を受け販売されました。同年代に販売されたランボルギーニ ミウラに対抗して作られたこともあり、ミドシップレイアウトを採用したその姿は正真正銘のスーパーカーであると言えます。

マセラティ カムシン

1973年に販売されたカムシンは、北アフリカやアラビア半島で吹く砂塵嵐をともなう乾燥した熱風に由来します。

デザインはランボルギーニ カウンタックやランチア ストラトスなど、多くのヒット作を生んだマルチェロ・ガンディーニが担当しており、マセラティの歴史の中でガンディーニが手掛けた最初のモデルとなりました。

マセラティ カリフ

カリフとはアフリカのスーダン、ソマリア及びアラビア半島南端のアデン湾で夏季に吹く、砂塵混じりの陸風です。

マセラティがデ・トマソ傘下に入った頃、これまでの高級スポーツカーとは異なったモデルの販売が要求され、買いやすい価格かつスポーティな2リッタークラスの4人乗りクーペ、ビトゥルボを1981年に発売しました。

続けて1983年に販売されたカリフは、ビトゥルボをベースにしながら、2.8L V6ツインターボエンジンを搭載した2人乗りのカリフは生粋のスポーツカーとして仕上げられていました。

マセラティ シャマル

シャマルとは、夏季にメソポタミアの平原からイラクおよびペルシア湾方面に吹き下ろしていく、砂塵をともなう北西風を意味します。

1990年に販売されたシャマルは、カリフよりも一層スポーツ性を高めた4人乗りクーペとして登場しました。エンジンは、3.2LのV8ツインターボが搭載され、カリフの255psに対し、シャマルは326psの最高出力を発揮。

デザインはマルチェロ・ガンディーニが手掛け、このデザインは、2代目ギブリに大きなインスピレーションを与えました。

マセラティ レヴァンテ

レヴァンテは2016年からマセラティ初のクロスオーバーSUVとして販売されているモデルです。レヴァンテとは地中海に吹く東風で、通常は穏やかな風ですが、ときとして瞬時に強風に変貌することで知られています。

スポーツ性とラグジュアリー性を両立させたこのモデルは、まさにレヴァンテの風を体現したSUVとなっています。
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