前後で異径サイズのホイールや、幅が異なるタイヤのメリットとは?

ハイパワーな後輪駆動車の場合、リアタイヤは太くなる傾向に

FR車を中心に「後輪駆動車にワイドタイヤ&ホイール」を装着することは珍しいことではありませんでした。

後輪はパワーを受け止める為に太めのタイヤを履くように設計され、前輪はステアリングの切れ角や必要な制動力等の動力性能に合わせてサイズが決定されます。前輪は舵を担当する為、ステアリングを限界まで切った際に干渉しない必要性がありますので、最小回転半径など、使い勝手を考慮すると後輪用のワイドタイヤが履かせられない場合もあります。

上記のように、前輪は舵を切る為に適度なサイズに抑え、リアは太めのタイヤでトラクションを受け止めるという考え方ですが、デメリットも存在します。

4輪が同サイズで無い為、前後のタイヤローテーションが出来ません。ローテーションで前後均等に減らしたい所ですが、サイズが異なるので基本的には使い切って履き替えとなります。リアばかり摩耗して交換を繰り返している場合も、フロントは減っていないのにゴム劣化が進みますので交換が必要な場合もあるでしょう。

購入面でも「4本同サイズ」でセット販売されているタイヤも多く、2本ずつだと探しづらい場合があります。

FR車でも4本同サイズタイヤの採用は増えてきた

タイヤ

タイヤ性能の向上により、最近ではFR車両でも4本通しのサイズ(ホイール・タイヤのサイズが同じ物)を採用するケースが増えています。

量産車の場合、4輪同一サイズで車両全体のバランスが取れるように純正で調律されている場合もあるので、そのような場合にリアタイヤばかり無暗なワイド化を行うことはかえって操縦バランスを悪化させることも。

4本同一サイズの場合は、前後左右のタイヤローテーションも可能となります。

4本同サイズのタイヤを採用している際に、フロントのみ純正サイズを使用しリア側を意図的にワイド化することによって意図的に操縦フィーリングを変化させることも可能ですが、足回りのセッティングや車両の後輪車重などを考慮しつつ行う必要があるでしょう。

しかし、近年の車両はABSやトラクションコントロール等の電子制御が複雑に絡み合って装着されているケースが多く、それらのバランスを崩さないようにベストなセッティングを行うことは難しくなってきていると言えるでしょう。

MRエンジン搭載車は、前後ホイール径(インチ)が異なるものを採用する場合がある

ミッドシップレイアウト(MR)等のリアヘビーな車両では、前後のタイヤの太さだけではなく、使用するホイール外径がことなる場合があります。

フェラーリ等の海外製MR車から、日本製MR車でも採用されることケースが存在します。最近の例では「ホンダ・S660」がフロント15インチ/リア16インチホイールを採用しました。

ホイールを前後異径とすると、ワイド化以上に重さに差が出ますし、製造工程においてもディスク部分やリム径が異なるのでコストは高くなる筈です。

それでも採用されるのは一体何故でしょうか?

一体何故?前後異径ホイールを採用する理由

S660だけでなく、今までも「ビート」「NSX(前期)」「MR-S」などに採用された「前後異径ホイール」。

メーカーでは運動性能の向上などが主な理由として記載されていますが、「後輪のワイド化だけでインチアップまでは必要ないのでは??」という疑問に思う方もいます。

この件に関しては、様々な理由が推測されています。「径の違いによる安定性」「タイヤの摩耗具合」「デザイン面」など多岐にわたる推測があります。

性能面においては、「安定性を重視した結果」という見解がなされる場合が多いようです。後輪ホイールの方が重くなることによる遠心力の発生の違い(フライホイール効果)や扁平率の違いによる接地面の変化など…MR車特有の限界域での急激な挙動変化を抑える為と推測されています。

メーカーはMR車のホイールサイズを異径にしたがる傾向がありますが、初代MR2(AW11)などにおいて「認可が降りなかった」という事情が存在するケースもあります。

最近はFRセダン等でも4本同サイズのタイヤ・ホイールの採用が多くなりましたが、今でもメーカーが意図的にサイズを変更させる場合があります。

製造コスト面や利用者のローテーション等の点で考えればデメリットとなりますが、それを超えたメリットが存在する場合にメーカーが純正で採用しているのは間違いありません。

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