20インチも当たり前…ホイールはいつから大きくなったのか?

シビックTYPE-R ホイール

最近では20インチ以上のホイールは当たり前のようにあり、軽自動車ですら純正で16インチホイールを採用している車種があります。それにも関わらず未だに「新車のサイズでないと車検に通らない」と思い込んでいる人もいる過渡期ではありますが、ホイールはいつからこのように大きくなったのでしょう?

Chapter
ホイールの大径化はタイヤの低扁平率化、クルマの高性能化の歴史でもある
その昔、国産車のスポーツタイヤとは「70扁平」だった
低扁平タイヤの登場で「インチアップ」が流行った
性能面からも求められたホイール大径化
ドレスアップ用途は行き着くところまで

ホイールの大径化はタイヤの低扁平率化、クルマの高性能化の歴史でもある

ホイールというものはそれ単体では「部品」として成立しません。
もちろん「商品」として裸の状態で店に並んでいる事もありますが、実際に使用する際にはタイヤを組み込み、「タイヤホイール」としてでないと、クルマを走らせる事ができないのです。

つまり、ホイールが変わっていく歴史とは、タイヤが変わっていく歴史と常にコインの裏表、まずはタイヤの歴史から紐解かなければいけません。
さらに言えば、ホイールの内側にあるもの、つまりブレーキにも関わる話です。
今はなぜホイールが大きいのか、逆に言えばなぜ昔はホイールが小さかったのか?

その理由を説明していきましょう。

その昔、国産車のスポーツタイヤとは「70扁平」だった

今では信じられない話ですが、今から30年ちょっと前までは「70扁平」のタイヤがスポーツタイヤの主流でした。というより、それ以上の低扁平タイヤは運輸省で認可されず、車検が通らなかったのです。

1983年に運輸省からようやく60扁平のタイヤが許可され、フェアレディZで言えばZ31の時代にようやく215/60R15という純正タイヤが装着された、という時代でした。

それ以前であれば195/70R14であれば立派なスポーツタイヤ、普通の車であれば80扁平、82扁平が標準の時代でしたから、70扁平の車でさえスポーティ、60扁平や50扁平のタイヤなどを履くクルマは暴走族や走り屋系の違法改造車だったわけです。今となっては新車で60扁平のタイヤを履くクルマすら少なくなっている事を考えれば、本当に昔話の世界です。

そして、それだけ扁平率の高いタイヤしか認可されていないとなれば、当然ホイールも軽自動車なら10インチ、普通車なら12インチから14インチもあれば大きい方で、大径タイヤを履くトラックやバスなどの大型車、ジープのような特殊なクルマを除けば、大径ホイール時代がアンダーグラウンドの世界だったのです。

<次のページに続く>
次ページ
低扁平タイヤの登場で「インチアップ」が流行った