知ってた?ガソリンスタンドの床が傾いている理由

ガソリンスタンドの床が傾いている?

ガソリンスタンド

なかなか気づきにくいかもしれませんが、ガソリンスタンドの床には勾配が設けられています。道路にも勾配がついており、中央分離帯を頂点に路側帯方向へと下降します。

道路に傾斜をつける理由は、水捌けを良好な状態で保ち、車両の通行の安全を確保し、歩行者への水はねを防ぐためです。ではガソリンスタンドの場合は、どのような理由なのでしょうか。

ガソリンスタンドの床を傾ける理由

ガソリンスタンドの床が必ず傾いているのは、法律で決められているからです。その根拠となる法律が、消防法の危険物の規制に関する規則です。消防法第三章第二十八条の五十七では、危険物の一般取引所の床の設備用件を次のように定めています。

"危険物が浸透しない構造とするとともに、適当な傾斜を付け、かつ、貯留設備及び当該床の周囲に排水溝を設けること。"

ガソリンスタンドの床は、ガソリンや灯油が浸透しにくい素材で舗装し傾斜をつけ、給油エリアの周囲に排水溝を設ける必要があります。ガソリンスタンドによっては、給油エリア内にパンチングで塞いだ排水口がある場合がありますが、こちらも周囲より低くなっています。

ガソリンスタンドの床が排水溝に向かって傾斜している理由は、給油中にこぼれたガソリンや灯油を水で洗い流し、周囲の排水溝に流し込むためです。また、揮発したガソリンが給油エリアに滞留させない狙いもあります。

ガソリンはライターやエンジンなどの熱源はおろか、静電気ですら引火・爆発します。ガソリンスタンドで火気厳禁、給油中のエンジン停止、ガソリンスタンドの床に傾斜をつけるのは、いずれも引火事故防止を第一に考えているためです。

排水溝に流れたガソリンは周囲の下水には流さず、ガソリンスタンド地下の貯蔵庫に保管されます。産廃物として専門業者の手により処分され、周囲の環境汚染を防ぎます。

充電スタンドや水素ステーションの床も傾いている?

充電スタンド

現代の自動車の燃料は、ガソリンや灯油だけとは限りません。一般向けには電気や水素もあります。法人用には液化天然ガスもあります。

では、一般車両向けの充電スタンドや水素ステーションの床も、ガソリンスタンドの床と同様に傾斜をつける必要があるのでしょうか。

充電スタンドの場合、床に傾斜をつける必要はありません。むしろ傾斜地に設置しないことを推奨しています。その理由は、充電器の固定をしっかりと行うためです。傾斜地に設置すると、地震など万が一の場合に転倒し被害を拡大させる可能性があります。

水素ステーションの場合、床の傾斜に関して規制や規則はありません。ただし、床面付近の通気を良好な状態に保つ必要があります。水素充填機が屋内の場合には、床面付近に充填機を設置している部屋の面積の3%の広さに当たる開口部を設けなくてはいけません。

これは、気化したガスが滞留しないようにするためです。また、水素は大気よりも比重が軽いため、床よりも屋根にガスが滞留しない構造が求められます。

ガソリンスタンドの床に傾斜が設けられているのは、ガソリンや灯油の性質に対応した災害防止のための工夫なのですね。

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