ガソリンスタンドにある静電気除去パッド。触れずに給油は危険です!

静電気除去

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セルフ式ガソリンスタンドで給油するとき、必ず耳にする「静電気除去パッドに触れてから給油を始めてください」というアナウンス。じつはこれ、あなたの命にかかわる大事なアナウンスだと知っていましたか?今回は、なぜ静電気除去パッドに触れないといけないのか?についてお話をしていきます。

文・吉川賢一
Chapter
なぜ、昔はフルサービスのガソリンスタンドしかなかったの?
ガソリンスタンドで静電気除去しないといけないワケ
フルサービス店舗の店員さんは「静電気除去」が必要ない!?

なぜ、昔はフルサービスのガソリンスタンドしかなかったの?

特石法(特定石油製品輸入暫定措置法)の廃止や、『危険物の規制に関する規則』の改正などが影響し、ガソリンスタンドの総数は近年、大幅に減少しています。そんななかでも、セルフ式の店舗はその数を伸ばしており、経済産業省の発表によると、平成26年度末の時点で、日本国内のガソリンスタンドのうち、約3割がセルフ式の店舗となっているようです。

セルフ式店舗の魅力は、なんといっても価格の安さ。フルサービスの店舗に比べ、人件費を抑えられるぶん売価を安く設定しています。また店員のセールストークを聞かずに済むというのも、魅力のひとつだと言えるでしょう。

また、意外とセルフ式のほうが、短い時間で給油を終わらせることができたりもします。フルサービスの店舗だと、店員の対応待ちや、クレジットカードで支払うと認めのサインを求められます。

ところがセルフ式なら、たとえ混んでいても前のクルマの給油が終われば、すぐに給油ができますし、クレジットカードなどで支払うと、ノズルを置くとすぐにレシートが出て、サインを書いたり、お釣りを受け取るというわずらわしさもありません。

そんな便利なセルフ式ですが、1998年まではフルサービスのガソリンスタンドしか存在しませんでした。危険物の特性を知らないドライバーが、ガソリン等を取り扱うことが危険とされていたのです。しかしながら、1998年4月に消防法が改正され「顧客にみずから給油などをさせる給油取扱所」の運用が可能となり、セルフ式のガソリンスタンドが登場しました。

ガソリンスタンドで静電気除去しないといけないワケ

導入にも書いたように、セルフ式ガソリンスタンドでは「静電気除去パッドに触れてから給油を始めてください」というアナウンスが流れます。その理由は、静電気の火花でガソリンに引火するためです。

これはガソリンの揮発性は非常に高く、燃料の給油キャップを外すときに発生する給油口火災(ガスキャップファイヤー)を未然に防ぐことを目的としています。

ちょっと触れるだけなのですが、正直、面倒ですよね。でも、いつなにが起こるのかわからないというのも事実。ノズルを持つ前にさっとタッチするクセをつけておきましょう。

実際に静電気が原因の火災や爆発は、年に数件発生しています。特に冬季は静電気がたまりやすいので注意が必要です。

では、フルサービスの店舗で働く店員さんは、「静電気除去」をしていないように見えますが、大丈夫なのでしょうか?

フルサービス店舗の店員さんは「静電気除去」が必要ない!?

静電気を除去しないと、給油の際に危険なことはわかりました。でも「静電気除去パッド」って、フルサービスの店舗では見かけませんし、店員さんが給油前に、なにやらそれらしい行為をしている様子もありません。フルサービス店舗の店員さんが”静電気を除去しなくてもいい理由”。それは店員さんのユニフォームにあります。

ガソリンスタンドの店員さんは「静電気帯電防止作業服(JIS規格の名称) 」の基準を満たしたユニフォームを着用しています。このため、静電気が帯電しづらい状況にあるのです。また、常に地面に足をつけていたり、金属の車体に触れていたりする、ということも、店員さんが帯電しづらい理由のひとつです。

一方でドライバーは、クルマから降りる際に、シートと衣類が擦れることで帯電しやすい状況にあり、ノズルを触るまで、放電の機会がないことから静電気除去パッドにタッチすることが必要となるわけです。

またセルフ式スタンドでは、携帯電話の使用も厳禁とされています。携帯電話内部の基盤で発生する火花で、火が点くことがあるそうです。こちらも実際に発生例があるので、携帯の使用も控えるようにしましょう。もちろん、たばこは論外です。

給油は、非常に日常的な行為ですが「危険物を取り扱う」という意識を忘れずに、行うようにしましょう。

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