【トーヨータイヤに聞いた】スタッドレスタイヤ”OBSERVE(オブザーブ)”シリーズの性能と特徴|ミニバンやSUVなど車種に合わせた専用タイヤ発想の製品も紹介

TOYO TIRES トーヨータイヤ スタッドレスタイヤ OBSERVE GIZ2

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TOYO TIRE(トーヨータイヤ)株式会社の商品企画本部 消費財商品企画部の市野さんに、乗用車用スタッドレスタイヤの最新モデルである「OBSERVE GIZ2(オブザーブ・ギズツー)」をはじめ、豊富な同社のスタッドレスタイヤのラインアップについて、特徴や性能を伺いました。
また、トーヨータイヤのスタッドレスタイヤは乗用車用だけでなく、SUV用やハイト系専用など、さまざまな車種に向けた商品が揃っています。
今回はそんなトーヨータイヤの商品の特徴だけでなく、メーカーの歴史や強み、そしてスタッドレスタイヤの選び方についてもご紹介いたします。(取材日:2021年10月15日)
Chapter
TOYO TIRE(トーヨータイヤ)の歴史
トーヨータイヤのスタッドレスタイヤの特徴と強み
トーヨータイヤのスタッドレスタイヤ特徴となる3本の主軸
トーヨータイヤ独自の考え”専用タイヤ発想”
今人気のSUVに対応したSUV専用タイヤの展開
トーヨータイヤのスタッドレスタイヤの価格帯はどのくらい?
1.【高いアイス性能とロングライフを実現】OBSERVE GIZ2(オブザーブ・ギズツー)
2.【ハイト系専用スタッドレスタイヤ】Winter TRANPATH TX(ウィンタートランパス・ティーエックス)
3.【ドライやウェットでも安定した走り】OBSERVE GSi-6(オブザーブ・ジーエスアイ シックス)
4.【オフロード走行のSUV専用】OBSERVE W/T-R(オブザーブ・ダブルティーアール)
5.【商用車用スタッドレスタイヤ】DELVEX 935(デルベックス・キュウサンゴ)
スタッドレスタイヤとオールシーズンタイヤ
トーヨータイヤが考えるスタッドレスタイヤのこれから

TOYO TIRE(トーヨータイヤ)の歴史

1945年に東洋紡績(現在の東洋紡(株))がゴム工業分野への進出を目的として設立した東洋ゴム化工と平野護謨製造所が合併し、東洋ゴム工業(株)を設立しました。
そこから数年後には自動車タイヤ生産の工場を開設し、徐々にその規模を拡大していきます。
1966年には、米国での自動車タイヤ販売を促進するため、業界に先駆け Toyo Tire(U.S.A.)Corp.(現在のToyo Tire U.S.A.Corp.)を設立しました。米国市場では、トーヨータイヤが昔から得意とするトラック・バス用タイヤの技術を活かした、タフでスタイリッシュなオフロード用大口径タイヤが今も人気を博しています。

その後も様々な会社と合併や提携を行いながら、欧州やアジアなどの世界各国に販売会社や生産拠点を設け、グローバルに企業展開を図っています。
そして2007年には、自動車タイヤ販売会社10社を統合し、「(株)トーヨータイヤジャパン」を設立しました。
2019年には社名を現在の「TOYO TIRE(株)」へ変更しています。社名にTIRE(タイヤ)という言葉を掲げるメーカーは、国内では唯一トーヨータイヤだけであり、自動車産業の一角に携わる誇りと責任を持って、社会に貢献することをめざしています。

トーヨータイヤのスタッドレスタイヤの特徴と強み

トーヨータイヤのスタッドレスタイヤ特徴となる3本の主軸

トーヨータイヤのスタッドレスタイヤは、「吸水」「密着」「ひっかき」の3つの効果が主軸です。
冬の凍結路面で滑る要因の一つに、タイヤ回転時に発生する摩擦熱によって、氷表面に水膜が生じ、その水膜の上でタイヤが空転することが挙げられます。そのため、これに対応する機能・仕組みがスタッドレスタイヤには必要です。
そこでトーヨータイヤでは、まず、タイヤのゴムや溝・サイプで水をしっかり吸い取る吸水」機能、次に路面にタイヤがぴったりくっつくようにする「密着」、そして、ゴム内部に練り込まれた素材や溝のエッジ(端部)の効果などによって発揮される「ひっかき」を軸として、凍結路面をはじめ、冬の季節に想定されるさまざまな路面環境に対応するスタッドレスタイヤを開発してきました。

では、3つの主軸それぞれの性能はどのようにして発揮されているのか?
乗用車用スタッドレスタイヤの「OBSERVE GIZ2(オブザーブ・ギズツー)」を例に見ていきましょう。
まず、「吸水」効果を発揮している仕組みの一つにコンパウンドに練り込まれている”NEO吸水カーボニックセル”が挙げられます。これは氷表面付近にあるミクロの水膜を瞬時に吸水・除去する素材で、トーヨータイヤが独自に開発したものです。
また、コンパウンド以外でも吸着3Dサイプという、タイヤ表面の細かい溝であるサイプの内側に空洞を設け、サイプのとじ込みを抑えることで吸水力を高めています
次に「密着」については、タイヤに配置されたブロックを最適な大きさにして剛性を保つことはもちろんのこと、”持続性密着ゲル”という新素材を配合したことによって、これまで以上にコンパウンドのやわらかさが維持されて、しっかりと路面に密着します。コンパウンドが硬くなることを抑えられたことで、アイスバーンや凍結した路面での効果をより永く保つことにもつながっています。

そして、最後の「ひっかき」効果については、コンパウンドに練り込んだ鬼クルミ殻が、氷を直接ひっかき、トレッドパターンに組み込まれたサイプや溝によるエッジ効果にプラスして、より高いグリップ力を実現しています。

また、タイヤの設計には、T-MODEという、AIやCAE(コンピューター支援技術)を融合したトーヨータイヤ独自のタイヤ設計基盤技術を活用して、スノートラクション性能の予測や最適な形状を計算して商品に反映しています。

トーヨータイヤ独自の考え”専用タイヤ発想”

そして、トーヨータイヤには「専用タイヤ発想」という考え方が根付いています。
専用タイヤ発想とは、車種特有のサイズ感や形状から派生してクルマの動きにあらわれる特徴を踏まえて、タイヤでより最適な走りをサポートしていくという商品開発コンセプトです。
例えば、SUVやミニバンなど車高が高い車両は横からの風の影響を受けやすかったり、ハンドルを切ったときの揺り戻しが大きかったりします。
このように車の大きさや形の影響で発生してしまう課題を、少しでもタイヤで解決できないかと考えたことがきっかけとなり、スタッドレスタイヤでも様々な車種・タイプに合わせた商品が展開されています。

実際に、トーヨータイヤのスタッドレスタイヤは、乗用車用の最新モデル「OBSERVE GIZ2(オブザーブ・ギズツー)」をはじめとして、ミニバンなどのハイト系専用の「Winter TRANPATH TX(ウィンタートランパス・ティーエックス)」、氷雪路からウェット・ドライ路面まで対応したSUV専用の「OBSERVE GSi-6(オブザーブ・ジーエスアイ シックス)」、さらに荒れた氷雪路に対応したオフロード系のSUV専用の「OBSERVE W/T-R(オブザーブ・ダブルティーアール)」をラインアップしています。
この他にも、ビジネスバンや小型トラックなどの商用車に適したスタッドレスタイヤとして「DELVEX 935(デルベックス・キュウサンゴ)」が販売されています。
こうしてタイヤのラインアップを改めて見ると、その豊富さに驚いてしまいますよね。
そして、この考え方はスタッドレスタイヤだけでなく、もちろん、夏タイヤやその他のラインアップにも反映されています。
その中でも、特に印象的だったのが「TRANPATH(トランパス)」シリーズです。ミニバンに、軽自動車に、ラクジュアリーミニバンにと、まさに「専用タイヤ発想」のもと開発されたタイヤなのだということが伝わってきます。

スタッドレスタイヤのWinter TRANPATH TX(ウィンタートランパス・ティーエックス)もミニバンに最適なタイヤなので、ミニバンを持っている人は是非Winter TRANPATH TXを購入することをおすすめします。

今人気のSUVに対応したSUV専用タイヤの展開

トーヨータイヤというと、北米で販売されている“SUV”用タイヤをイメージされる方もいるのではないでしょうか?ピックアップトラックやSUVといった大型車両向けのタイヤを得意とするトーヨータイヤは、北米だけでなくもちろん国内でも、夏タイヤからスタッドレスタイヤまで、SUV専用タイヤの販売に注力しています。
SUVとは、アウトドアやスポーツなどに適した仕様の車で、日常使いからレジャーまで幅広く使える多目的スポーツ車として販売されています。

昨今の新車登録車販売台数を見ると、SUVカテゴリーの台数が世界中で非常に伸びており、まさにSUVブームが巻き起こっているのです。
確かに、最近ではよく街なかでもSUVに乗っている人を見かけるようになりました。巷では”街乗りのSUV”といわれるような、コンパクトなサイズのSUVも人気です。SUVに乗ることが一般的になってきているのかもしれません。

そして、トーヨータイヤから販売されているSUV専用スタッドレスタイヤは、SUVの強みである、走破性や走行時の安定感を発揮できるようにしたいとの考えから、ハンドリング性能やブレーキング性能を向上させた仕様となっています。
SUVはしっかりとした大型のボディをもつため、冬道では特に走行時のハンドリング性能の高さを重要視する人が多いと考えられます。
その中でSUVの駆動力を感じながら走ることができる、トーヨータイヤのSUV専用スタッドレスタイヤはおすすめです。

トーヨータイヤのスタッドレスタイヤの価格帯はどのくらい?

最新モデルOBSERVE GIZ2(オブザーブ・ギズツー)は、13インチから18インチまで対応しており、16インチのタイヤを例にすると店頭の価格帯が約1万3千円〜1万8千円程度となっています。(CarMe編集部調べ)
16インチのタイヤを4本購入すると考えると、約5万円〜7万円で揃えることができる計算になります。
タイヤはサイズが大きいものほど値段も高くなるため、インチが一番小さい13インチの価格帯は、1本約5千円〜7千円、一番大きい18インチだと1本約2万2千円〜3万円程度で販売されているようです。(CarMe編集部調べ)

また、タイヤは購入時の価格だけでなく、交換工賃や外した夏タイヤの保管費用等も必要となるため、タイヤを購入・交換してもらうお店の担当者に詳しい見積もりを聞くことをおすすめします。
もちろんサイトや販売店によって価格は異なるため、販売しているお店に直接問い合わせることでより詳しい価格を知ることができます。
(※タイヤの販売価格について、メーカー(トーヨータイヤ)ではオープン価格としています。)

1.【高いアイス性能とロングライフを実現】OBSERVE GIZ2(オブザーブ・ギズツー)

TOYO TIRES(トーヨータイヤ)

TOYO TIRES(トーヨータイヤ) OBSERVE GIZ2 195/65R15 91Q

7,700円〜(税込)

新コンパウンドによって実現した息の長いスタッドレスタイヤ

OBSERVE GIZ2(オブザーブ・ギズツー)は、寒暖差が激しい日本の気候の変化に着目してつくられた、乗用車用スタッドレスタイヤです。従来から求められてきたアイス性能はもちろんのこと、シャーベット、ウェット路面への対応にも注力しています。

従来品との比較で、まずアイス制動性能が8%短縮しています。この性能の向上に特に貢献しているのが、コンパウンドに新たに採用された持続性密着ゲルという素材で、経年時のゴムのしなやかさを維持してくれるため、路面への密着性を高め、長く効果を発揮することができます。
また、タイヤ表面に排水を促す吸着3Dサイプを施したことで、ウェット制動性能の18%短縮に貢献しています。よりアイス路面での吸水、密着、ひっかきを向上したスタッドレスタイヤとなっています。

そして、今シーズンは昨シーズンからサイズのラインアップを20サイズ以上拡充しており、対応車種もより幅広くなっています。

メーカー
TOYO TIRES(トーヨータイヤ)
モデル名
1314-4117

2.【ハイト系専用スタッドレスタイヤ】Winter TRANPATH TX(ウィンタートランパス・ティーエックス)

トーヨータイヤ (TOYO TIRES)

スタッドレスタイヤ1本 TOYO TIRES(トーヨー)WINTER TRANPATH(トランパス)215/70R16 100Q T4981910500650

11,200円〜(税込)

ミニバンなどのボディの高さがあるハイト系専用のスタッドレスタイヤ

ハイト系専用スタッドレスタイヤ”として売り出されている、Winter TRANPATH TX(ウィンタートランパス・ティーエックス)は、SUVやミニバンなどのボディに高さがあるような車種用に開発されたスタッドレスタイヤです。背が高い車に装着することで、走行性能の高さをより実感できるタイヤとなっています。

走行時の車両のふらつきを抑え、アイス性能と走行安定性を両立させた安心な仕様です。
CUVや街乗りのSUVとして売り出されているサイズの車種にも対応したサイズラインアップを展開しています。

メーカー
トーヨータイヤ(TOYO TIRES)
モデル名
T4981910500650
リム経
16インチ

3.【ドライやウェットでも安定した走り】OBSERVE GSi-6(オブザーブ・ジーエスアイ シックス)

TOYO TIRES(トーヨータイヤ)

TOYO TIRES(トーヨータイヤ) OBSERVE GSi-6 175/80R16 91Q

11,900円〜(税込)

SUV・CCVに対応したスタッドレスタイヤ

SUV専用のスタッドレスタイヤである、OBSERVE GSi-6(オブザーブ・ジーエスアイ シックス)は、アイス、スノー、ウェットを高次元で両立させた、トータルバランスが良いスタッドレスタイヤです。
昨シーズンまでは一部のサイズに限定して展開していましたが、今シーズンから新たに15サイズを増やしており、現在の取り扱いは全17サイズとかなり豊富です。輸入車からSUV、CCV(より本格的なSUVの車種)まで対応したラインアップとなっています。

基本的な考え方はOBSERVE GIZ2と同じですが、様々な路面状況でも大型のボディを支えながら、車本来の力強い走りをサポートする作りとなっています。
ハンドリング・ブレーキング性能向上を図ったタイヤで、圧雪路でのブレーキング性能は従来品よりも7%短縮ウェット(シャーベット)でのブレーキング性能も11%短縮しています。
SUVに乗っている人におすすめと言えるでしょう。

メーカー
トーヨータイヤ(TOYO TIRES)
モデル名
1593-0306

4.【オフロード走行のSUV専用】OBSERVE W/T-R(オブザーブ・ダブルティーアール)

TOYO TIRES(トーヨータイヤ)

TOYO TIRES(トーヨータイヤ) OBSERVE W/T-R 185/85R16 105/103N LT

20,790円〜(税込)

アウトドアやレジャーなどでオフロードに行く機会が多い人におすすめ

もう一つのSUV専用スタッドレスタイヤ、OBSERVE W/T-R(オブザーブ・ダブルティーアール)は、通常の雪道だけではなく、雪道+オフロードでの走行が多い方(アウトドアなどで、舗装されていない道の利用が多い人など)に対応して開発された特徴的な商品です。
サイドに大型のサイドブロックを採用したことで、深い雪の中でも進みやすく荒れた路面でも走破できる仕様となっています。
オフロード走行を志向するドライバーから人気のある車種に着目して、3サイズをラインアップしています。

メーカー
TOYO TIRES(トーヨータイヤ)

5.【商用車用スタッドレスタイヤ】DELVEX 935(デルベックス・キュウサンゴ)

TOYO TIRES(トーヨータイヤ)

TOYO TIRES(トーヨータイヤ) DELVEX 935 155/80R14

11,220円〜(税込)

ビジネスバンや小型トラックに対応したスタッドレスタイヤ

DELVEX 935(デルベックス・キュウサンゴ)は、ビジネスバンや小型トラックなどの、いわゆる商用車用のスタッドレスタイヤです。
商用車は荷物を満載にしているときとそうでないときで、タイヤにかかる重量が変化するため、タイヤの接地面積も異なります。積載量が変わってもスタッドレスタイヤとしての性能をきちんと発揮できるような仕様となっています。アイス・スノー路面での走行性を高めて、冬のビジネスを足元からサポートするタイヤです。

接地面の動きを抑制する”溝底補強ブロック”を採用し、しっかりと路面を捉えることで、安定したコーナリングやレーンチェンジをサポート。タイヤに配置されたブロックやパターンの剛性を確保する仕組みによって、スタッドレスタイヤとしてのエッジ効果やグリップ力がしっかり発揮されます。

メーカー
TOYO TIRES(トーヨータイヤ)

スタッドレスタイヤとオールシーズンタイヤ

トーヨータイヤのスタッドレスタイヤは、車種ごとにおすすめのタイヤを設定しているため、持っている車のタイプによって選ぶことが可能です。
温暖化が進んでも、引き続き降雪地区ではスタッドレスタイヤが必要です。
一方で、首都圏などあまり雪が降らない地域で、年に数回、突然の降雪に備えたいという場合には、オールシーズンタイヤがおすすめです。高速道路のスタッドレスタイヤ規制にも対応しているため、冬のレジャーなどで出かける場合にも、オールシーズンタイヤが活躍すると考えられます。
個人のライフスタイル・居住地域に合わせてタイヤ選びをするように心がけてみてください。

トーヨータイヤが考えるスタッドレスタイヤのこれから

昨今、暖冬といわれるほど暖かい年や、寒波が襲って急激に冷え込む年があり、日本の冬の気候が変化していることを多くの方が感じていると思います。
市野さんも、「昨今の日本における冬の気象状況を見ると、北海道のような地域でも1日の中で寒暖差が激しい事が多いため、OBSERVE GIZ2(オブザーブ・ギズツー)のように気温によって刻々と変化する冬のあらゆる路面にも柔軟に対応できる性能・機能を搭載したタイヤが求められることが考えられます。」と話をしていました。
スタッドレスタイヤにはアイス性能の高さを求める人が多い傾向にありますが、これからは、シャーベット路面やウェット路面など、様々な状況を想定した性能の付与が必要だと考えられます。
冬を取り巻く環境やニーズの変化に伴って求められる性能に応えた、トーヨータイヤのスタッドレスタイヤを是非体感してみてください。

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