スタッドレスタイヤの寿命はどれくらいなのか?

スタッドレスタイヤ

※この記事には広告が含まれます

冬到来、降雪地域のドライバーはとっくに愛車の足元をスタッドレスタイヤに換えているだろう。

あまり雪の降らない地域でも初雪の予報が聞こえるようになり、倉庫からスタッドレスタイヤを出してくるタイミングと考えているのではないだろうか。

文・山本 晋也

山本 晋也|やまもと しんや

自動車メディア業界に足を踏みいれて四半世紀。いくつかの自動車雑誌で編集長を務めた後フリーランスへ転身。近年は自動車コミュニケータ、自動車コラムニストとして活動している。ジェンダーフリーを意識した切り口で自動車が持つメカニカルな魅力を伝えることを模索中。

山本 晋也
Chapter
安心して使える目安は3~5年
チェックすべきは溝の深さとゴムの柔らかさ
夏場に使うのは百害あって一利なし

安心して使える目安は3~5年

さて、冬のドライブには欠かせないスタッドレスタイヤだが、今シーズンから新品にしたユーザーは良いとして、倉庫から出してきたスタッドレスタイヤは安心して使えるコンディションだろうか? 

スタッドレスタイヤに限らずタイヤというのはゴムを使った製品であり、ゴムの性質を考えると「生もの」ということができる。まったく使っていなくとも、保管状態次第では3~5年で寿命を迎えてしまう。古くなりすぎたタイヤでは安全が確保できない。

チェックすべきは溝の深さとゴムの柔らかさ

安心して使えるかどうかの目安は、溝の深さとゴムの柔軟性にある。タイヤの溝については車検時には1.6mm以上の深さを確保しているというルールがあるが、スタッドレスタイヤが雪道で機能を発揮できる基準は約5mmとなっている。

そのため、サマータイヤでは溝が浅くなったことを示すスリップサインが設けられているが、スタッドレスタイヤでは5mm程度の摩耗によってプラットフォームがトレッド面に露出することで摩耗状態を知らせるようになっている。すなわち、車検にギリギリ通るようなレベルの溝ではスタッドレスタイヤとしては寿命が過ぎているのだ。

ゴムの柔らかさについては、タイヤショップなどにある硬度計で確認するしかないが、毎シーズン冬の時期に使っているとして3~4年でスタッドレスタイヤとしての性能を発揮できる柔軟性が失われることが多い。

また、ゴムは紫外線などによっても傷んでいく。一年中、履きっぱなしにしていたり、むき出しで日光に当たる状況で保管していたりすると、ゴムの劣化は進みやすい。

夏場に使うのは百害あって一利なし

なお、スタッドレスタイヤ全般にいえることだが、雪道には強くとも雨には弱い。なぜなら、スタッドレスタイヤのトレッドパターンは一般に排水性に劣っているためだ。そのため、水膜の上にタイヤが浮いた状態になる「ハイドロプレーニング現象」も起きやすい傾向にある。

もちろん、寒い時期に十分な柔軟性を実現する柔らかいゴムは夏場には不利で、ドライの舗装路でのグリップ性能も劣ってしまう。溝が減ってきたスタッドレスタイヤを見て「このまま春・夏・秋と履いておいて、来シーズンの新しいスタッドレスタイヤに履き替えよう」と考えてしまうドライバーもいるだろうが、安全面からいうとそれはNG行為だ。春になったら適切なサマータイヤに履き替えるべきだ。

【お得情報あり】CarMe & CARPRIMEのLINEに登録する

商品詳細