【ヨコハマタイヤに聞いた】冬のあらゆる路面に対応するスタッドレスタイヤ”iceGUARD(アイスガード)”の特長・性能をご紹介

スタッドレスタイヤ ヨコハマタイヤ 取材画像

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日本の大手タイヤメーカーであるヨコハマタイヤの製品企画を行う、横浜ゴム株式会社の消費財製品企画部の増渕さんにスタッドレスタイヤのブランド「iceGUARD(アイスガード)」について話を伺ってきました。
冬のあらゆる路面に対応するスタッドレスタイヤをつくりたいという考えのもと、相反する雪上と氷上での性能を高めた最新モデル”iceGUARD 7(アイスガード セブン)”を軸として、開発時のお話や特に意識したポイントなどをご紹介します。(取材日:2021年9月22日)
Chapter
ヨコハマタイヤが歩んできたスタッドレスタイヤ進化の過程とは?
ヨコハマタイヤのスタッドレスタイヤ"iceGUARD 7(アイスガード セブン)"の開発秘話
ヨコハマタイヤのスタッドレスタイヤの価格帯と販売店
1.【氷に効く、永く効く、雪に効くスタッドレスタイヤ】iceGUARD 7(アイスガード セブン)
2.【省燃費にも応えたスタッドレスタイヤ】iceGUARD 6(アイスガード シックス)
3.【SUV用スタッドレスタイヤ】iceGUARD SUV G075(アイスガード SUV ジーゼロナナゴ)
スタッドレスタイヤ市場を知る増渕さん直伝!スタッドレスタイヤの選び方
ヨコハマタイヤが考える日本の環境変動とスタッドレスタイヤ開発の展望
ヨコハマタイヤの基盤となる横浜ゴムの歴史

ヨコハマタイヤが歩んできたスタッドレスタイヤ進化の過程とは?

ヨコハマタイヤのスタッドレスタイヤは、1985年に発売された「GUARDEX(ガーデックス)」から始まり、1993年のGUARDEX K2を経て、その後リニューアルを行い2002年に「iceGUARDアイスガード)」シリーズを発表します。
この初代アイスガードを発売した当時、2002〜2004年頃、氷上での性能が飛躍的に向上したため、業界的にも認められた時期でした。
そういった中で、氷以外の性能もスタッドレスタイヤにまとわせる時代が来たのではないかとの考えから、2005年にヨコハマタイヤでは第3.5世代目となる「iceGUARD BLACK(アイスガード ブラック)」が開発されます。
初代のiceGUARDは、氷上性能の向上に注力していたこともあり、タイヤとしての剛性感が乏しいスタッドレスタイヤでした。
そこで、雪や氷の無い路面でも安定した走行を叶えるため、しっかりとした剛性感をもたせたiceGUARD BLACKの開発に至ったのです。
そこから、ヨコハマタイヤのスタッドレスタイヤは高い氷上性能を追求するとともに、走行時の安定性を担保するのに欠かせない剛性感も持たせるように開発を続けています。
このしっかりとした剛性感は、特に雪のないドライ路面やウェット路面で感じることができるでしょう。
代を重ねるごとに進化し続けている部分であり、凍結路面の性能を突き詰めた上での付加価値として、走りの安定感は多くの消費者から支持を得ています。
そして、2017年には従来製品よりも氷上性能を向上させたのはもちろんのこと、それ以外のウェット性能や省燃費性、静粛性など、あらゆる性能をアップさせ、満を持して第6世代目となる「iceGUARD 6(アイスガード シックス)」を発売しました。
ヨコハマタイヤが持つすべての技術を搭載した、渾身の一作と言えるスタッドレスタイヤだと感じるほど、技術を最大限に駆使した商品だと増渕さんも話されていました。
しかし、いよいよ次のモデルを開発しようとなった際に、どの部分の性能を付加する、向上させるかという課題が持ち上がります。
そこで、メーカーの考えや思いが独り歩きしないように、消費者・タイヤ販売店・営業の方と、関係する全ての方々にアンケートをとり、その意見からどんな性能・機能を必要としているのか、求めているのかを参考にすることにしました。
そして、アンケート結果の中でも上位に必ず入ってきていた、雪上性能永く効く性能も氷上性能に加えて特に追及しなければいけないと確信したのです。
その後も試行錯誤を繰り返し、2021年にアイスガード20年目、7世代に渡るスタッドレスタイヤ開発のノウハウと、氷上性能と合わせて雪上性能・永く効く性能が向上した最新モデル「iceGUARD 7アイスガード セブン)」が発表されました。

ヨコハマタイヤのスタッドレスタイヤ"iceGUARD 7(アイスガード セブン)"の開発秘話

2021年発売の”iceGUARD 7”(アイスガード セブン)は「」「」「永く効く」の3つの性能を主軸として開発されています。
この3つの主軸を成す上で一番難しいとされた部分が、氷と雪の相反する性能をどう両立させて高めるかという点です。
当然スタッドレスタイヤなら氷と雪の性能が高いレベルでしっかり備わっているだろうと考える人がほとんどだと思いますが、その両立をすることはかなり難しいとされています。
そもそも氷の路面と雪の路面で必要な機能が異なります
まず氷の場合だと、凍結路面とタイヤの間に存在する水膜を除去した後に、タイヤと凍結路面の接地面積が大きければ大きいほどよくグリップが効いて止まることができます。
滑る要因である氷の表面の水を除去あるいは吸水する技術がタイヤに備わっていれば、極論一切溝がないタイヤであれば、一番グリップの効きが良いと考えられます。
しかし、雪の路面となると雪柱せん断力という雪を踏み固める際にタイヤの溝で雪の柱をつくり、それを回転時に折ることでグリップを効かせる力が必要になります。
つまり、氷では”接地面”を大きくすること、雪では””を大きくすることがそれぞれ求められるため、この相反する2つの性能をどちらも向上させるのは、iceGUARD 7開発時の難題となりました。
ではどのようにその難題を解決したのか?
実はこの2つの性能を両立させるきっかけとなったのが、オールシーズンタイヤ「BlueEarth AW21」の開発です。
オールシーズンタイヤをつくるにあたって、冬季路面での安全な走行を第一にと考えたヨコハマタイヤは、”雪に強い”オールシーズンタイヤをつくる方針で開発を進めていました。
夏タイヤに近いようなタイヤのゴムを採用し、パターンで雪の性能を向上させようと考えます。
その際に、当時スタッドレスタイヤの最新モデルだったiceGUARD 6の雪の上での技術を組み込もうと考えました。
そこで、クリスマスツリーを逆さにしたような形の放射状のパターンを採用します。
これは、放射状に斜めに溝を入れることで、溝の距離を稼ぐためです。距離を稼ぐことで溝の角が多くなり、エッジ効果が高まるだけでなく、なんと接地面積を犠牲にすることなく雪上のグリップ力を高められることに気がついたのです。
こうして、オールシーズンタイヤBlueEarth AW21は、ドライ、ウェットの性能を担保しつつ、アイスガード6とほとんど変わらない雪の性能をもたせることに成功しました。
そして、この考え方をiceGUARD 7に転用する、言うならば親孝行開発によって、スタッドレスタイヤの最新モデルの氷と雪の性能の両立を実現しただけではなく、溝エッジ量をiceGUARD 6から30%増加接地面積も3%増加させ、氷上性能・雪上性能ともに向上させることに成功しました。
そして、「永く効く(ながくきく)」スタッドレスタイヤの実態についても聞いてみました。
「永く効く」というキャッチコピーは、2010年発売の第4.5世代目となる「iceGUARD TRIPLE PLUS(アイスガード トリプル プラス)」のときから採用したものです。
長持ちするタイヤを意味する「永く効く」をどう表現しようかと考えた際に、当時は3年間もつと言えれば、この上なく強いコンセプトを打ち出せると考え、経時劣化試験と呼ばれるゴムの摩擦力が経年時にも保たれるか試験を行い、3年後もゴムの摩擦力が変わらないことが確認されました。
その結果をもって、氷上摩擦力の経時劣化イメージグラフと一緒に訴求することができたのです。
そして、2012年に発売された「iceGUARD 5(アイスガード ファイブ)」では、消費者から3年よりも4年使いたいという声が多かったことを参考に、経時劣化試験を行い、iceGUARD 5のゴムは4年長持ちすることが確認され、4年間安心して使えるスタッドレスタイヤとして売り出されます。
しかし、このまま性能を高めていくだけでよいのかという疑問から、メーカーの意見が独り歩きしないように全体アンケートで「何年まで長持ちすると言われたら、スタッドレスタイヤを安心して使えるか」と聞いたところ、4年くらいまでが信用できるし、使いたい」と答えた人が多く、逆に5年だと「本当なら嬉しいけれど、信じられない」と答えた人が多かったそうです。
その結果から、性能が長持ちする年数は今日まで明言されている4年がベストだという結論にいたりました。
もちろん、4年がベストだからこれ以上を求めないというわけではなく、新しいモデルになるにつれて、長持ちさせるための技術・仕組みも進化し続けています。

ヨコハマタイヤのスタッドレスタイヤの価格帯と販売店

最新モデルiceGUARD 7(アイスガード セブン)は、13インチから20インチまで対応しており、16インチのタイヤを例にすると店頭の価格帯が約2万円〜3万千円程度となっています。(CarMe編集部調べ)
16インチのタイヤを4本購入すると考えると、約8万円〜12万円で揃えることができる計算になります。
タイヤはサイズが大きいものほど値段も高くなるため、インチが一番小さい13インチの価格帯は、1本約8千円〜1万2千円、一番大きい20インチだと1本約6万円程度で販売されているようです。(CarMe編集部調べ)
また、タイヤは購入時の価格だけでなく、交換工賃や外した夏タイヤの保管費用等も必要となるため、タイヤを購入・交換してもらうお店の担当者に詳しい見積もりを聞くことをおすすめします。

もちろんサイトや販売店によって価格は異なるため、販売しているお店に直接問い合わせることでより詳しい価格を知ることができます。
ヨコハマタイヤのスタッドレスタイヤを取り扱っている近くの店舗については、ヨコハマタイヤのタイヤ公式ホームページから探すことが可能です。
(※ タイヤの販売価格について、メーカー(ヨコハマタイヤ)ではオープン価格としています。)

1.【氷に効く、永く効く、雪に効くスタッドレスタイヤ】iceGUARD 7(アイスガード セブン)

ヨコハマ(YOKOHAMA)

iceGUARD 7 iG70 195/65R15 91Q

18,414円〜(税込)

氷上性能と雪上性能の相反する性能を両立させたスタッドレスタイヤ

最新モデルのiceGUARD 7(アイスガード セブン)において着目すべきポイントは、氷上・雪上性能の両立と向上です。
もちろん、前モデルのiceGUARD 6の性能を落とさずに氷と雪を向上させているため、その他の省燃費性や静粛性なども高いレベルを維持したままとなっています。

まず、氷上性能においては、iceGUARD史上最大の接地面積とブロック剛性を実現したことで、従来よりも氷上でのブレーキング性能が向上しています。
さらに、雪上性能においてはグルーブやサイプをギザギザにしたり、斜めにしたりすることで溝の距離を稼ぎ、エッジ量を最大化して雪上でのグリップ力をより向上させています。
また、このサイプは摩耗時に細くならないように、50%摩耗時にサイプが太くなる仕組みを採用したことで、グリップ力の維持に貢献しているのです。

そして、新しく開発されたiceGUARD 7専用のコンパウンドである「ウルトラ吸水ゴム」を採用している点も大きな特徴です。
氷上、雪上で触って感じる薄い水膜は細かいサイプで吸水・除水を行っていますが、タイヤの摩擦熱で発生するマイクロレベルの水については、ゴム内部に練り込まれた様々な素材で吸水する技術を搭載することで対応しています。
マイクロレベルの水まで吸水するので、氷路面への密着を促し、さらなる氷上性能の向上に一役買っています。

また、路面への密着効果を高めるもう一つの特長が、新採用された「ホワイトポリマーⅡ」です。この素材を配合することで、氷点下でのゴムの柔らかさを維持するシリカを混ぜ合わせる際により均一に分散させることができるようになりました。
この均一に配合されたシリカの働きにより、凍結路面だけでなく、ウェットやドライ路面への密着効果に貢献しています。

タイヤ数
1
タイヤ幅
195mm
ホイールサイズ
15インチ
扁平率
65%

2.【省燃費にも応えたスタッドレスタイヤ】iceGUARD 6(アイスガード シックス)

アイスガード

YOKOHAMA(ヨコハマタイヤ) スタッドレスタイヤ iceGUARD 6 アイスガード iG60 185/60R15 84Q R2763

8,800円〜(税込)

氷上性能の向上と燃費にも”効く”スタッドレスタイヤ

前モデルのiceGUARD 6(アイスガード シックス)は「氷に効く」「永く効く」「燃費に効く」の3つを主な特徴です。その他のウェット性能と静粛性も従来品から向上させています。
進化した非対称パターンとマイクロレベルの水に対応したプレミアム吸水ゴムによって、従来品よりも約15%氷上性能をアップさせています。
そして、ゴムの素材にオレンジオイルSを採用したことで、よりゴムのしなやかさを維持でき、ゴムの氷上摩擦力を約4年間長持ちさせています。
さらに、iceGUARD 6は省燃費性能も兼ね備えており、ウェット性能を高めながら、転がり抵抗を2%低減させることに成功しました。

メーカー
ヨコハマ
ブランド
アイスガード

3.【SUV用スタッドレスタイヤ】iceGUARD SUV G075(アイスガード SUV ジーゼロナナゴ)

アイスガード

YOKOHAMA(ヨコハマタイヤ)スタッドレスタイヤ iceGUARD SUV アイスガードSUV (G075) 225/60R17 R1580 R1580

10,560円〜(税込)

氷上性能も抜群のSUV専用設計スタッドレスタイヤ

SUV用のスタッドレスタイヤであるiceGUARD SUV G075(アイスガード SUV ジーゼロナナゴ)は、「氷に効く」「永く効く」「燃費に効く」の3つを特徴としています。
特に氷上性能は、スーパー吸水ゴム新設計のトレッドパターンによって、従来品から氷上制動を23%向上させています。

乗用車とSUVの区分けというのは、はっきりと違いが分かる人もいれば、あまり意識せずに乗用車感覚で乗っている人もいると思います。
このiceGUARD SUV G075では、ランドクルーザーなどの大型の車種を中心としたサイズラインアップを揃えています。

メーカー
ヨコハマ
ブランド
アイスガード

スタッドレスタイヤ市場を知る増渕さん直伝!スタッドレスタイヤの選び方

先ずはタイヤを販売している店舗で詳しく聞いてみることをおすすめします。
タイヤ販売店では、消費者一人ひとりのライフスタイルに合ったスタッドレスタイヤを選んでくれるでしょう。

では、販売店がどんな点を抽出してタイヤをおすすめするかというと、乗っている車種住んでいる場所の気候状態から判断することが多いそうです。
また、日常でどのような使い方をするのかを抽出することで、より最適なタイヤを選ぶことができます。
温暖化が進んできているためスタッドレスタイヤがいらないのではと考える人もいますが、降雪圏と呼ばれる地域ではまだまだ冬季の必需品であると考えられます。
また、関東より西の雪があまり降らない地域でもスタッドレスタイヤを必要としている人は一定数おり、そのうちの大半の方々がウィンタースポーツや帰省をするために降雪圏に行く傾向にあります。そして、一部の方はもしものときのためにスタッドレスタイヤを使用している人が多いといいます。
つまり、日頃から雪のある地域に行くことがあるのか、それとも日常的に使用しないのかで、スタッドレスタイヤを購入するべきか、それともオールシーズンタイヤを購入するべきかという具合に、必要なタイヤも変わってくるのです。

ヨコハマタイヤが考える日本の環境変動とスタッドレスタイヤ開発の展望

近年の降雪量の減少傾向からスタッドレスタイヤの需要が減るのではないかと懸念されています。
しかし、氷の性能を突き詰めるスタッドレスタイヤはこの先数十年は必要とされるだろうとの考えで、今後も気候の状況と定期的な消費者へのアンケートをもとに、必要とされる性能を搭載したスタッドレスタイヤの開発を進めていくそうです。
増渕さんも「機能商品として、奇抜なことはしない」と話をされていたように、ヨコハマタイヤはこれからも高い氷上性能と永く効くスタッドレスタイヤのさらなる進化を見せてくれることでしょう。

ヨコハマタイヤの基盤となる横浜ゴムの歴史

横浜ゴムは1917年に「横浜電線製造(現在の古河電気工業株式会社)」と米国「BFグッドリッチ」との合弁会社として設立し、今年で104年目を迎えます。当時は、米国の先端技術を用い、国産で世界一流のゴム製品を提供することを目指しました。

1920年に横浜市に平沼工場を完成させ、米国製の精錬、ベルト、ホース、タイヤ製造設備を導入し、ベルト、タイヤなどの製造を開始。翌年には日本初のコードタイヤ「ハマタウン」を開発しましたが、1923年には関東大震災により平沼工場は壊滅します。

その後の1928年に横浜市鶴見区に新工場(横浜工場)設立が決定し、翌年には操業を開始し、改めてスタートを切りました。横浜工場ではベルト、ホースなどの工業品が出荷され、市場から高い評価を得ました。

1930年にはタイヤの生産を再開、高い耐久性の製品を市場に投入し、会社は次第に成長していきました。しかし、1945年の空襲により、横浜工場が焼失。再出発を決意し、1950年に平塚市に主力工場を建設します。
1960年代後半、ラジアルタイヤが市場に登場します。1960年代は日本のモータリゼーションが花開いた時代としても知られています。
ヨコハマはラジアルタイヤG.T.SPECIALを全面展開しました。技術・生産部門では「品質こそわれらの誇り、われらの命」をモットーに次の時代のタイヤづくりを模索します。この頃、高度経済成長によりマイカーの保有が急増、購買志向も自分だけの個性を求めるようになっていました。

横浜ゴムは、この時代変化を察知し、まだどこも試みていない「タイヤのブランド戦略」を採ります。1978年にADVANの発売を先頭に、1980年にASPECGRAND PRIXと立て続けに発売します。
3ブランド戦略を展開し、各ブランドは市場に大きなインパクトを与えました。

横浜ゴムのレース活動は1957年、浅間火山レースでスタートしました。
1963年には4輪の日本グランプリに参戦し、以来そのタイヤ開発は半世紀以上にも及んでいます。ラリー、フォーミュラ、ツーリングカーと貪欲に技術の挑戦を広げていきました。
ADVANカラーのマシンはあらゆるカテゴリーで異彩を放ち、中でも1980年代のスポーツプロトタイプカー選手権でのADVANポルシェ962Cは、特にウェットコンディションで強く、レース関係者からは「雨のヨコハマ」と言われ伝説となりました。

そして、世界のカテゴリーにも次々挑戦。次第に強豪チームへのタイヤ供給が増え、好成績を重ねていきます。それによって世界のパフォーマンスカーへの純正承認へ繋がっていきました。
1990年代後半から「高性能スポーツタイヤを履きたい」ユーザーは減少していき、長年得意としていたハイパフォーマンスタイヤは時代のニーズとともに変化を余儀なくされました。また、自動車業界全般の課題は「環境問題」です。環境にも配慮し、かつ横浜ゴムが積み重ねてきたスポーツ志向は絶やしてはいけないとの考えから、「ハイパフォーマンス+エコ」という、タイヤ業界ではまだ定着していない新しい領域を先駆けることを決意しました。

1998年、日本メーカー初の本格的なエコタイヤを発表。DrivingNoise-Vibration-Harshness(騒音、振動、ハーシュネス)とAssessmentを高次元で併せ持つ、このコンセプトをDNAと命名しました。低燃費性能を「目で見せる」新しいPRを開発し、坂道から車を転がしその距離を新旧比較しました。
その後、次々の環境対応商品を発表し、「エコタイヤの先駆け」イメージを確立させました。
1990年代後半~2000年代かけて更に海外進出を加速。96年にフィリピンにタイヤ生産販売会社「ヨコハマタイヤ・フィリピン」設立、2005年にドイツにタイヤマーケティング会社「ヨコハマ・ヨーロッパ」設立など勢いを増しました。
製品ブランドでは、オフロードSUV車に向けて企画・開発されたジオランダーが新たな一歩を踏み出し(1996年)、今年で20年目を迎えるiceGUARD(2002年)やBluEarth(2010年)が誕生したのもこの頃です。2010年代も海外進出は継続しつつ、今では世界12カ国34生産拠点をもつメーカーとなっています。

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