洗車時にホイールの内側も洗うべき？放置リスクと初心者向けお手入れ法【2025年最新】

ホイールの内側は、実は車の中で最も汚れが溜まりやすい場所のひとつです。なぜなら、ホイール内側はブレーキディスクやブレーキパッドに近く、走行中に発生するブレーキダスト（ブレーキ摩擦で出る金属粉）やオイル汚れが直接飛び散るためです。前輪は特にブレーキの使用頻度が高いため、フロントホイールの内側ほどダストが蓄積しやすく真っ黒になりがちです。さらに道路の泥汚れや砂利、雨水に含まれる汚れも走行中に内側へ巻き上がり、どんどん付着していきます。

ブレーキをかける際に生じた高温の金属粉がホイール表面に飛び散り、その瞬間に冷えて酸化して塗装に焼き付いて固着してしまいます。ただ表面に乗っているだけではなく塗装の隙間に入り込むため、時間が経ったブレーキダスト汚れは水洗いやカーシャンプー程度では歯が立たず、普通に洗っただけでは落ちない“頑固な汚れ”になってしまうのです。

また、冬場に走行すると融雪剤（塩化カルシウム）が足回りに飛び散ってホイール内側に付着する場合があります。融雪剤の成分である塩分は金属の腐食を促進するため、冬道を走った後はホイール内側も含め足回りに塩分汚れが付いていることに注意が必要です。このように、ブレーキダスト・泥汚れ・塩分汚れなど様々な汚れがホイール内側には蓄積していきます。

ホイール内側の汚れを長期間放置すると、見えないところで愛車にダメージが蓄積する可能性があります。まず、ブレーキダストや泥汚れをそのままにしておくとサビの原因となり、最悪の場合ホイール自体の劣化につながります。ブレーキダストには鉄分が含まれており、ホイールのくぼみや表面に刺さったまま放置されると腐食（錆び）に発展してしまうことがあるのです。

また、汚れを放置することでホイールの状態変化を見逃すリスクもあります。例えばホイールにヒビやクラックが入っていても、内側が汚れて真っ黒だと気づけません。しかし洗浄して綺麗にすれば、小さな傷やトラブルも早期に発見できます。

さらに上述の融雪剤が付いたままだと、塩分によってホイールの金属部分が腐食し、アルミホイールであれば白い粉状の錆（白錆）が生じて塗装下地を侵食することもあります。特に雪国やスキー帰りなど冬季走行後は早めに汚れを落とさないと、気付かないうちにホイール内部から劣化が進行してしまう恐れがあります。

ホイール内側まで汚れがないと足元全体がスッキリ。「おしゃれは足元から」は車にも当てはまり、スポークの奥まで輝けば車全体が引き締まって見えます。近年は黒や白などカラーホイールも増えており、汚れが目立ちやすい分、内側まで洗えば効果は歴然です。

一度ピカピカにしてコーティングしておけば、次回からは水洗いだけで汚れがスルッ。ブレーキダストも焼き付きにくくなり、頑固なこびり付き汚れを防止できます。要は汚れの早期除去サイクルが回り、悪循環を断てるわけです。

洗浄時にホイールのヒビやクラックを早期に発見できるのもポイント。ブレーキ周りを同時に確認できるため、愛車を良好な状態に保つのに一役買います。

裏まで磨き上げたときの達成感は格別。初心者でも「ここまで綺麗になるのか！」と感動し、ますます洗車が好きになるはずです。

まず手軽に内側を洗いたい場合は、ガソリンスタンドなどに設置されている自動洗車機の「下回り洗浄」コースを活用する方法があります。最近の洗車機には車体の下部や足回りを洗い流す高圧ジェット噴射機能が付いたものがあります。洗車機の下にノズルがあり、真水を勢いよく噴射してタイヤハウス内やホイールの裏側などをまとめて洗い流してくれるコースです。

「毎回自分でタイヤ外してなんて無理！」という方でも、洗車機の下回り洗浄ならスイッチひとつで内側の大まかな汚れをサッと落とすことができます。特にウインタースポーツ帰りで融雪剤を浴びた後などは、週末まで放置せず帰宅ついでに洗車機に入れて下回りを洗ってしまうと効果的です。早めに汚れを落とすほど落ちやすくなりますし、錆予防の観点からも有効です。

もちろん洗車場などで自分でホースの高圧ノズルを使って足回りを洗い流すのもOKです。高圧洗浄機があればベストですが、家庭用ホースのジェット噴射でもタイヤ裏にできるだけ水を当てて泥や塩分を流しておきましょう。ただし、ブレーキ部分にあまり直接水をかけすぎると不具合の原因になることもあるので、長時間水浸しにしないよう注意してくださいね！

しっかり綺麗にしたい場合は、ホイールを手洗いする方法にチャレンジしてみましょう。できればホイールを取り外して洗うのが一番内側まで洗えますが、初心者にはハードルが高いのでホイールを付けたままスポークの隙間から手を入れて洗浄するやり方でOKです。

1. 水洗い（予洗い）をする
まずはホイール全体に水をかけ、大まかな泥汚れやホコリを洗い流します。可能であれば高圧洗浄機で内側までジャバジャバ水をかけると効果的です。この予洗いで砂粒を先に除去しておけば、後のブラッシングでホイールを傷つけるリスクを減らせます。

2. 洗浄剤を吹きかける
ホイール用クリーナー（中性または弱アルカリ性がおすすめ）をホイール内側にスプレーします。市販のホイールクリーナーには、スプレーするとブレーキダストに反応して紫色に変わり汚れを浮かせるタイプなど便利なものが多数あります。汚れが軽度ならカーシャンプーを泡立てて代用することも可能です。クリーナーを吹き付けたら表示された時間だけ放置し、汚れを浮かせましょう（商品によりますが数分程度が一般的です）。

3. ブラシでこする
汚れが浮いてきたら、柔らかめのホイール用ブラシで内側を優しくこすります。スポークの間隔が広いホイールならキッチン用の柄付きブラシが便利です。歯ブラシだと奥まで届きにくいので、菜箸などに括り付けて延長すると奥まで磨けて◎です。ブラシの選び方はとても重要で、毛先が硬すぎないものを使うようにしましょう。ナイロンや金属ブラシは洗浄力があっても塗装を傷つける恐れがあるため避け、先端加工された柔らかい毛のブラシを選ぶのがコツです。

4. スポンジやミットで仕上げ洗い
ブラシで大まかな汚れを落としたら、仕上げにスポンジや洗車ミットで内側全体を洗います。泡立てたカーシャンプーをたっぷり付けて、ホイール内側をなでるように洗いましょう。スポンジはできればマイクロファイバー素材のものがおすすめです。汚れをしっかり絡め取れて、水でサッとすすぐだけでスポンジ自体も汚れが落ちるため、真っ黒になってもすぐ綺麗にリセットできて作業がはかどります。

5. 十分にすすぎ洗いをする
洗剤や浮いた汚れが残らないよう、再度ホイール内側にたっぷり水をかけてすすぎます。ここでも高圧ノズルがあれば汚れも一緒に飛ばせて効果的です。裏側からも水を流し、スポーク間やナット穴の奥など洗剤が溜まりやすい部分は念入りにすすぎましょう。

6. 乾燥させる
洗い終わったら水滴をしっかり拭き取ります。マイクロファイバークロスでホイールの内側も見える範囲で拭き上げましょう。可能であれば車を少し動かしてタイヤの位置を変え、下になっていた部分の水滴も拭くと完璧です（※ブレーキが濡れている場合、この時ブレーキを踏むと一時的に効きが悪くなるので注意）。乾燥不十分だとせっかく綺麗にしたホイールにウォータースポット（水ジミ）ができてしまうので、拭き取りと乾燥までが洗車と思って丁寧に行います。

ここまでホイールを付けたまま洗う前提で説明しましたが、可能であればホイールを車から取り外して洗うと内側の隅々まで完璧に掃除できます。タイヤ交換の知識やジャッキアップ作業に慣れている方は、数か月に一度ホイールを外して裏側まで徹底洗浄すると新品同様の輝きを保てます。

特に冬用タイヤに履き替える習慣がある方は、タイヤ交換のついでに外したホイールの内側を洗う良いチャンスです。スタッドレス交換の都度洗浄すれば年2回ペースですが、それでも十分効果があります。半年に一度しっかり洗っておけば、大抵の汚れは落としきることができるようです。

「スタッドレスに替えないからその機会がない…」という場合は、タイヤローテーション（前後の入れ替え）を行うタイミングで洗うのも手です。いずれにせよ、年に数回でもホイールを外して裏側から洗浄できれば理想的と言えます。難しければ無理はせず、先述の付けたまま洗う方法を定期的に実践するだけでもかなり違いがありますよ。

内側洗わない派の多くは「ホイール裏なんて普段見えないし、多少汚れていても走行に支障はない」と考えます。実際、裏側（ハブ接触面）は部品同士が密着しているため、汚れが原因で重大トラブルになる可能性は低め。

ディーラー点検でもブレーキ周りと一緒に清掃されますし、「そこまで神経質にならなくても大丈夫」という意見には一理あります。また「見えない部分に時間をかけるよりボディや内装を優先したい」「忙しくて手が回らない」という現実的理由も理解できます。さらにシルバーホイールは汚れが目立ちにくく、多少汚れていても見た目では分かりにくいのも事実です。

とはいえ長期放置はおすすめできません。ブレーキダストが多い車種では数年で裏側が茶色く変色し、タイヤ交換時に頑固なサビ汚れがびっしり…という例もあります。

毎回ホイールを外す必要はありませんが、半年～1年に一度のタイヤ交換やローテーションのタイミングで内側まで洗浄すれば、蓄積汚れは大幅に抑えられます。普段の洗車では手の届く範囲をサッと流し、「ここぞ」の節目でしっかり洗う——この“ほどほどルール”なら無理なく続けられ、裏側の劣化リスクも最小限にできます。

ここ数年で洗車グッズはますます充実し、高機能化しています。特にホイールクリーナー分野では、「吹きかけて流すだけ」で鉄粉汚れまで落とせる製品や、ホイール専用の色変化クリーナー（汚れに反応して色が変わるタイプ）が各社から発売されています。初心者でも扱いやすく効果抜群なため人気です。

また、上述したフォームガンを使った泡洗車は引き続きブームが続いており、家庭用の手動ポンプフォームガンが手頃な価格で手に入るようになりました。SNS上でももこもこの泡でホイールを洗う動画が多く投稿され、洗車好きの間で盛り上がっています。

ブラシ類では国産ディテールブランドの高品質ブラシが注目されています。京都発のKYOTO DETAIL社が開発した「ハイブリッドホイールブラシ」は、細い柄で狭い隙間にもスッと入り、特殊繊維の毛が汚れを掻き出しつつ洗剤の飛び散りを抑えると評判です。海外製の高級ブラシも日本で手に入りやすくなり、用途に応じて複数のブラシを使い分けるユーザーも増えました。

そのほか、水を使わない洗車グッズも存在感を増しています。ホイール用の使い捨てお掃除シートや、スプレーして拭くだけの簡易クリーナーなど、アパート暮らしで水が使えない人でもケアできる商品が登場しました。これらは出先で汚れが気になった時にもサッと拭ける手軽さがウケており、今後ますます種類が増えていきそうです。

ユーザーの意識面でも、以前に比べホイールの内側まで清潔に保ちたいという声が増えてきています。かつては「ホイールなんて走れば汚れるもの」という諦めが強かった印象ですが、最近では洗車系YouTuberやSNSの影響もあり、「足回りまでピカピカにするのが真の綺麗好き！」という風潮も見られます。洗車オフ会などでも、裏側まで磨かれたホイールは一目置かれる存在とか。愛車を大事にする文化が広がる中で、細部へのこだわりが高まっているのかもしれません。

それに伴い、ホイールの製品側にも洗浄性を意識したトレンドが出てきています。例えばブレーキダストが付きにくい低ダストブレーキパッドへの交換や、ホイール自体に防汚性能のあるクリア塗装を施すメーカー純正オプションも増えました。

また、一部のアフターマーケットホイールでは「洗いやすい形状」を売りに、スポーク間隔を広めにとったデザインや、リム裏まで手が届く構造をアピールする製品も登場しています。「洗えないホイールは履かない」という先述のお客様のようなニーズに応える形で、製品開発側も進化しているわけですね。

「ホイールの内側なんて見えないし…」はもう卒業！結論は、「洗える範囲でOKなので、定期的に洗うのが吉」です。ブレーキダストや泥汚れを放置すると、サビや固着といった手遅れなダメージに繋がってしまいます。

難しそうに思えますが、高圧洗浄機や便利な専用ブラシを使えば、初心者でも意外と簡単です。内側までピカピカになった足元を見れば気分も爽快、車全体もワンランク上の輝きに見えるはず。

次回の洗車で、ぜひ愛車の「足元の裏側」ケアにもチャレンジしてみてくださいね！