ホイールスペーサーのメリット・デメリットを徹底解説|安全性・車検への影響は?

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ホイールスペーサーはタイヤの見た目を改善する人気カスタムですが、安全性や車検は大丈夫でしょうか?

本記事ではホイールスペーサーのメリット・デメリットを初心者にもわかりやすく解説し、注意点や法規制など安全に使用するための知識を丁寧に紹介します。

※一部画像はKSP様よりご提供いただきました。

CARPRIME編集部

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Chapter
ホイールスペーサーとは?仕組み・種類をやさしく解説
ホイールスペーサーのメリット|ドレスアップと性能向上を両立
ドレスアップ効果でツライチを実現(見た目向上)
トレッド拡大でコーナリング安定性アップ
低コストで手軽にカスタム
ミリ単位でタイヤ位置を微調整
キャリパー干渉を解消してホイール選択肢拡大
ホイールスペーサーのデメリット|安全リスクと注意点まとめ
ネジ山不足でナット緩み・ハブボルト折損の危険
バネ下重量増で乗り心地・部品寿命に影響
フェンダー外への跳ね上げ汚れが増える
整備・ディーラーで取付拒否される可能性
法規制を超えると車検不合格(保安基準違反)
ホイールスペーサーを安全に使うコツとチェックポイント
信頼できるメーカー品を選ぶ
厚みは5 mm以内を目安に最小限に
50〜100 km走行後は必ず増し締め
ロングボルト・周辺部品の干渉をチェック
重ね使いはNG!ワイトレで一体化を
DIYが不安なら専門店へ相談
ホイールスペーサーは車検に通る?法規制と合格条件
フェンダーはみ出し10 mmルールをクリア
トレッド拡大で走行安定性を損なわない範囲に
大幅なトレッド増は構造変更手続きも視野
ホイールスペーサーの取り付け方法|DIY手順とプロ依頼のポイント
ホイールスペーサーまとめ|メリット・デメリットと安全な活用術

ホイールスペーサーとは?仕組み・種類をやさしく解説

ホイールスペーサーとは、自動車のホイールとハブ(車体側のホイール取り付け面)の間に挟み込む円盤状の金属パーツです。これを装着することでホイールの取り付け面を外側へオフセットし、タイヤ全体を外側に押し出すことができます。

ホイールスペーサーの厚みは一般的に1mmから10mm程度まで様々な種類があり、手軽に車のトレッド(左右のタイヤの間隔)を広げられるのが特徴です。10mmを超える厚みのものは「ワイドトレッドスペーサー」と呼ばれ、ハブボルトが一体化した構造でさらに大きく外側に出すことができます。

主な用途は見た目のドレスアップで、タイヤとフェンダーが一直線に並ぶ「ツライチ」状態を実現するためによく用いられます。タイヤがボディに対して引っ込み気味の場合にスペーサーを噛ませることで、フェンダーの縁とタイヤ外側面がほぼ面一になり、スタンス(足回りの幅広感)が向上します。

見た目以外にも、ホイール交換時にブレーキやサスペンションへの干渉を避けるためにスペーサーを入れてホイール位置を微調整するケースもあります。
例えば、社外ホイール装着時にキャリパーとホイールのスポークが当たりそうなとき、数mmのスペーサーで間隔を確保できることがあります。いずれにせよ、手軽にホイールの位置を外側へ調整できるのがホイールスペーサーの魅力です。

ホイールスペーサーのメリット|ドレスアップと性能向上を両立

ドレスアップ効果でツライチを実現(見た目向上)

最大のメリットは、やはり車の見た目の向上です
ホイールスペーサーでタイヤを外側に出すと、タイヤとフェンダーの隙間が埋まり、車全体が力強く安定した印象になります。いわゆる“ツライチ”に近づけることで、足回りのおしゃれ度がアップし、スポーティーで迫力のあるスタイルを演出できます。

トレッド拡大でコーナリング安定性アップ

ホイールを外側に出してトレッド幅を広げることで、カーブでの安定性が増す場合があります。左右のタイヤ間隔が広がると車体の重心を支える幅が広くなり、コーナリング時の横揺れ(ロール)が軽減される効果が期待できます。
その結果、ハンドリングが安定し、運転時の安心感が増すことがあります。

ただし、安定性向上の度合いは車種や走行条件によるため、劇的な性能アップを保証するものではありません

低コストで手軽にカスタム

ホイールスペーサーは比較的安価で入手できるカスタムパーツです。厚みにもよりますが、汎用品であれば数千円程度から購入可能で、ホイール一式を交換するよりも圧倒的にコストが抑えられます。

ただし、取り付けは厚さによって難易度が大きく異なります。3mm程度の薄いスペーサーであれば比較的容易ですが、5mm以上の厚さになると、安全確保のために純正より長い「ロングハブボルト」への交換といった専門的な作業が必要になる場合があります。

安易な取り付けはタイヤ脱落などの重大な事故につながる危険性があるため、製品の取扱説明書をよく読み、自信がない場合は必ずプロの整備工場に依頼しましょう。

ミリ単位でタイヤ位置を微調整

1mm刻み程度の細かな厚みのバリエーションがあるため、タイヤの“引っ込み具合”を細かく調整できるのもメリットです

例えば「あと少しだけ外に出したい」「左右で微妙にクリアランスが違う」などの場合にも、適切な厚みのスペーサーを選ぶことで対応できます。ミリ単位で車幅のセッティングを詰められるので、理想の見た目に近づけるための繊細な調整が可能です。

キャリパー干渉を解消してホイール選択肢拡大

ホイールスペーサーはホイールとブレーキキャリパーの干渉を避ける目的でも使われます。社外ホイールやビッグキャリパー装着車でホイール裏がブレーキに当たってしまう場合、必要最小限のスペーサーで隙間を作れば干渉を防げます。
これにより、ホイール選択の幅が広がるという利点もあります。

ただし、安全上必要なクリアランスを確保するための措置であり、この場合も厚みは最小限に留めることが重要です。

ホイールスペーサーのデメリット|安全リスクと注意点まとめ

ネジ山不足でナット緩み・ハブボルト折損の危険

スペーサーを挟むことでホイールナットのかみ込み長さ(ネジ山の掛かりしろ)が短くなるため、走行中にナットが緩みやすくなるリスクがあります。極端に言えば、ペットボトルの蓋を半分しか締めていない状態に近く、振動や衝撃で緩みやすくなるイメージです。

そのまま放置するとハブボルト(車体側のボルト)に過剰な負荷がかかり、最悪の場合ボルトが折れてタイヤが脱落する危険性もあります。とくに厚みのあるスペーサーや複数枚重ねはネジ山の余裕がなくなり大変危険なので避けましょう。

ワイドトレッドスペーサーの場合は専用ボルトで固定しますが、それでも定期的な増し締めが必要です。

バネ下重量増で乗り心地・部品寿命に影響

ホイールスペーサーそのものの重量や、外側へタイヤが張り出すことによる重心変化により、サスペンションなど足回りへの負担が増えるデメリットもあります

特にスペーサー装着はタイヤ周辺の「バネ下重量」を増やすため、乗り心地や走行性能に影響を与える可能性があります。バネ下重量の増加は路面追従性の低下や振動増加を招き、せっかく安定性を狙ったのに乗り味が悪化するケースもあります。

またタイヤが外側に出ることでハブやベアリングに掛かる横方向の力(スクラブ半径の変化)が大きくなり、長期的には部品の摩耗を早める懸念もあります。
つまり、無理のない範囲での装着に留めないと本末転倒になりかねないのです。

フェンダー外への跳ね上げ汚れが増える

タイヤが純正状態より外側に出ることで、走行中に泥や小石を跳ねやすくなりボディが汚れやすくなるという欠点も指摘されています。通常であればタイヤハウス内で留まっていた泥水・砂利が、タイヤのはみ出しによって車体側面に飛び散りやすくなるためです。特に雨天走行後はボディのサイドや下回りが汚れやすくなるでしょう。

また、タイヤがフェンダーより突出すると他車や歩行者に泥や小石を飛ばして迷惑をかける可能性もあります。こまめな洗車や必要に応じてマッドガードの装着など、汚れ対策も検討しましょう。

整備・ディーラーで取付拒否される可能性

ホイールスペーサーの装着は自己責任となる部分が大きく、整備工場やディーラーでは取り付けを断られるケースもあります。特に厚みのあるワイドトレッドスペーサーでは「強度証明書のない部品は扱えない」として作業を拒否されることもあります。

またディーラーなどでは、車検は通っても「万一トラブルが起きた際に保証できない」との理由でスペーサー装着車の整備を嫌がる場合もあります。ユーザー自身で取付・管理する覚悟が必要になる点はデメリットと言えるでしょう。

法規制を超えると車検不合格(保安基準違反)

ホイールスペーサー装着によりタイヤが車体からはみ出すと保安基準違反となり車検に通らない場合があります。たとえ数 mm程度でもフェンダーより出ていると検査官の判断で不合格となる可能性があるため、装着後の見た目が保安基準に適合するか注意しなければなりません。

このようにカスタムの自由度が法規によって制約される点もデメリットの一つです。

ホイールスペーサーを安全に使うコツとチェックポイント

信頼できるメーカー品を選ぶ

ホイールスペーサーは信頼できるメーカーの高品質な製品を選びましょう。強度試験済みの製品やハブセンター付き(ハブリング一体型)のスペーサーは、ホイールとの嵌合精度が高く振動や緩みを抑制できます。

安価な粗悪品や素材強度の不明なものは避け、強度・精度に優れた製品を使用することが安全性確保の第一歩です。

厚みは5 mm以内を目安に最小限に

スペーサーの厚みは必要最小限に留めましょう。「もっと外に出したい」と欲張って過度に厚いスペーサーを入れると、それだけボルトやハブへの負荷が増しリスクも高まります。

特に純正ボルトで装着できる限界は5 mm程度までとされることが多く、それ以上厚い場合はロングハブボルトへの交換やワイドトレッドスペーサーの使用が推奨されます。車種によっては5 mm未満でもロングボルト推奨のケースもあるため、車両ごとの適正な厚みを超えないよう注意してください。

50〜100 km走行後は必ず増し締め

ホイールスペーサー装着後は、必ず規定トルクでナットを締め付け、走行後にも増し締めを行いましょう。走行直後は締め付けが落ち着いておらず、振動で若干緩む場合があります。

一般的には装着後50〜100 km走行した時点で一度ホイールナットを増し締めし、その後も定期的に緩みがないか点検する習慣をつけてください。また、スペーサー本体にひび割れや変形がないかも時折チェックし、異常があれば直ちに使用を中止しましょう。

ロングボルト・周辺部品の干渉をチェック

スペーサー装着によってホイールナットやハブボルトの先端がブレーキなど他の部品に干渉しないか確認が必要です

特に輸入車などハブボルト式(ボルトでホイール固定するタイプ)の車では、ロングボルト装着時にボルト先端がハブ裏側のセンサーや部品に当たるケースがあります。装着後はステアリングを目一杯切った状態で異音や引っ掛かりがないか、リフトアップしてタイヤを回転させ異常がないかなど、入念にチェックを行いましょう。

重ね使いはNG!ワイトレで一体化を

薄いスペーサーを2枚以上重ねて使用するのは危険です。重ねることで面圧が均一に掛からず緩みやすくなるほか、ずれた際に急激にバランスを失う恐れがあります。

必要な厚みのスペーサーが市販されていない場合でも、複数枚重ねるような使い方は避け、ワイドトレッドスペーサーの導入やホイール交換等の別手段を検討してください。

DIYが不安なら専門店へ相談

自分で取り付ける技術や知識に不安がある場合、無理にDIYせず専門店に依頼するのが安全です。タイヤ脱着にはそれ相応の危険が伴い、締め付け不良で走行中にタイヤが外れれば重大事故になります。

カー用品店や整備工場では有資格者が正しい手順とトルク管理で取り付けてくれます。費用はかかりますが安全には代えられません。自分で取り付ける際も焦らず丁寧に作業してください。

ホイールスペーサーは車検に通る?法規制と合格条件

フェンダーはみ出し10 mmルールをクリア

日本の保安基準では、タイヤの外側がフェンダーより突出している車は走行不可(車検不適合)とされています

ただし2017年の基準改正により、タイヤ側面の一部やリムガードについては「10 mm未満の突出まで」許容されるようになりました。これはタイヤ断面の丸み部分に限った緩和措置で、ホイール本体やナットがはみ出すことは依然禁止です。

スペーサー装着後は前後輪それぞれフェンダーの縁からタイヤの出具合をチェックし、怪しい場合は厚みを見直すかオーバーフェンダー等で対処する必要があります。

トレッド拡大で走行安定性を損なわない範囲に

保安基準には「改造により走行安定性を損なうような場合は不可」という主旨の規定もあります。極端にトレッドを広げすぎると車体設計上のバランスが崩れ、検査官が危険と判断するケースもゼロではありません。

実際の車検現場では主に「タイヤのはみ出し」と「ナットの締め付け具合(緩みの有無)」がチェックされます。スペーサーによってホイールナットの締結が浅くなりガタついている場合も不合格となります。

大幅なトレッド増は構造変更手続きも視野

稀なケースですが、スペーサー装着によりトレッド幅が大幅に変わる場合、記載変更(構造変更検査)が必要になることもあります。一般ユーザーの範囲ではあまり問題になりませんが、改造申請が必要なレベルの変更を行う場合は事前に専門業者に相談してください。

通常の数 mm〜数 cm程度の範囲であれば車検証の記載変更は不要ですが、公道走行の安全を損なわない範囲かどうか、常に安全性と合法性を意識したカスタムを心がけましょう。

ホイールスペーサーの取り付け方法|DIY手順とプロ依頼のポイント

DIY取り付け手順(ジャッキアップから増し締めまで)
  1. 車両を安全に固定しタイヤを外す  –  平坦な場所でサイドブレーキをかけ、必要に応じて輪留めを使用します。ジャッキアップして車体を上げ、ホイールナットを緩めてタイヤホイールを車から取り外します。

  2. スペーサーをハブに装着する  –  ハブ周辺の汚れや錆を布やブラシで清掃し、用意したホイールスペーサーをハブボルトに差し込みます。ハブとスペーサー、スペーサーとホイールがしっかり密着するよう位置を調整します。

  3. ホイールを取り付けナットを締める  –  ホイールを元通りハブボルトに装着し、ホイールナットを手で均等に締めて仮固定します。車体を降ろす前に対角線順に少しずつナットを締め込み、最後に規定トルクでしっかりと本締めします。

  4. 増し締め・確認  –  一度取り付けたらすぐに走行せず、ハブとホイールの隙間がないこと、ナットの締め残しがないことを確認します。短距離走行後に再度ナットを規定トルクで増し締めし、スペーサーやボルトに異常がないか点検します。


取り付け時の安全ポイントとNG例

作業中は車体をジャッキスタンドなどで確実に支え、安全確保してください。ホイールの脱着作業は重量物を扱うのでケガにも注意しましょう。

スペーサー装着面やホイール裏面にゴミやサビが付着していないか必ず確認してください。異物が噛み込むと締結不良の原因になります。ホイールナットは車種適合のものを使用し、ネジ山に過度なグリスアップはしない(基本は乾燥状態で規定トルク締め)。

取り付け後は先述の通り必ず増し締めを行い、その後も定期的に点検を続けてください。走行中やカーブで違和感(ハンドルのブレや異音)がないか注意深く確認し、少しでも異常を感じたら直ちに安全な場所に停車し、増し締めや取付状態を点検しましょう。

ホイールスペーサーまとめ|メリット・デメリットと安全な活用術

無題

当写真はKSP様よりご提供いただきました。

ホイールスペーサーは車の見た目を手軽にグレードアップできる人気カスタムパーツです。数 mmのスペーサーを挟むだけでタイヤの引っ込み具合が改善され、迫力のあるスタイル(ツライチ)を実現できます。

また、場合によってはコーナリングの安定性向上やブレーキ干渉の解消といったメリットも得られます。一方で、ナットの緩みや足回りへの負担増、法規制上の制約などデメリットも存在し、使い方を誤ると安全性を損なうリスクも伴います。

大切なのは、メリットとデメリットを公平に理解した上で判断することです。安全に配慮しながら規定の範囲内で使用すれば、ホイールスペーサーは車検にも通りますし楽しくドレスアップを楽しむことができます。

しかし、「どうしても不安が拭えない…」という方は、ホイール自体をオフセット(インセット)の小さいものに交換してタイヤ位置を調整する方法も検討してください。ホイール交換は費用がかかりますが、スペーサーを介さず直接理想のツライチを実現できるため安全面での安心感は高まります。

見た目と安全性・合法性のバランスを取ることが何より重要です。ぜひ本記事の情報を参考に納得のいく選択をして、ホイールスペーサーを正しく使い、愛車のドレスアップを安全かつ快適に楽しみましょう。
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