クラウンやセドリックの激安中古車って本当にお買い得?安い理由と信頼性を考察

セドリク セダン

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中古車情報を見ているとどうしても目がいってしまう「激安物件」。しかもそれがクラウンやセドリックなどの高級車だったりすると「本当に大丈夫なの?」といった気持ちにさせられてしまいますよね。事故車じゃないか、メーター戻していないか…そんな想像もしてしまう激安高級車ですが、実際はどうなのでしょうか。
Chapter
中古高級車が安い理由
トヨタの高級車の代名詞「クラウン」とは?
クラウンの良きライバル「セドリック(グロリア)」とは?
クラウンとセドリックの中古車市場・価格は?
中古クラウンは激安高級車の醍醐味?
ポストバブル期のセドグロ、しかし今だからこそ・・・
小さな高級車はこんなに激安!
10年でおおよそ10分の1は魅力的?
17系と18系クラウンのデザインの大きな違いとは?
17系と18系クラウンの燃費を比較
S20型クラウンのグレードによる違いについて

中古高級車が安い理由

新車時には500万円や600万円という高級車の値段が、たとえば10年程度経ってはいても、中古車価格として新車当時の10分の1にまで値下がりしていたとしたら、それはやっぱりお買い得だと感じるのではないでしょうか。

たとえば、2005年型のプリウスが今年2015年に至って、たとえばディーラー系中古車店での価格としてみても、10分の1までにはなっていませんよね。ヘタすると100万円近い値段が付いています。これにはプリウスという「ブランド」の強みも大きく影響はしていると思います。

傾向として高級車というのは2度目の車検、つまり5年くらいまでは市場価格を高めに維持できるのですが、それを過ぎるとガクッとオチる。これはどうしてなのか。ひとつに、高級車というのは新車で買う人が多く、新車の、つまり最新鋭であることに重きが置かれる傾向があるんですよね。

それが登場後5年、まあちょうどフルモデルチェンジのタイミングかもしれませんが、そのあたりから、新車としてのありがたみがだんだんと薄れてくる。これが市場価格にモロに出るわけです。

事故車やメーター戻し、これもまだ「フレッシュ」な年式あるいは新車登場からの年数のうちなら、する「価値」がある。つまり、騙せば高く売れるという算段がつけばやるけれど、10年も経ったクルマにそれをする理由があまりにも薄い。無いとは言わないですが、事故っているのを直すコストが大きすぎるし、メーター戻してもクレームになるリスクが大きい。激安車を薄利多売で売っている弱小店ならなおのこと、アブナイ橋は渡りたくない、クレーム一発店の存続に関わる世界。

そういう行為、個体は避ける傾向です。無いとは言わないですし、新しいうちに直した事故やメーター戻しの可能性もそれは否定できない。でも無事故記録簿完備し、大事に乗った1オーナー物(これが実に多い)ならほぼ間違いないはず。

高級車というのはそれなりにコストもかかっているし、なにより新車での購買層は社会的地位のある人たちで、とくに信頼性には人一倍厳しい顧客に向けていますから、つまり耐久性は非常に高いと考えられます。ましてや個人タクシーなどのニーズもあって、じつはそうしたタクドラからもたらされる声というのもしっかり反映しながら作られていたりするのが高級車なんですね。この安くても信頼性が高い、というのもポイントです。

というわけで、前向きに中古高級乗用車をオススメできる要素は指折りたくさんあります。

トヨタの高級車の代名詞「クラウン」とは?

セルシオが「レクサス」ブランドに組み込まれた現在、特殊な位置づけのセンチュリーを除けば、実質的にトヨタのフラッグシップに“返り咲いた”クラウンですが、細かく分けると「マジェスタ」「アスリート」「ロイヤル」「セダン」そしてタクシー用車両の「コンフォート」という5種類が存在します。

そのうちの売れ筋はやはり「マジェスタ」と「アスリート」でしょう。マジェスタはクラウンの"王道"とも言える堂々たる高級車の風格、アスリートはかつて存在した4ドアハードトップ系列の後継とも言え、高級車ながら少し走りに振った種類のクルマと言うことができます。

ユーザーのエコカー、つまり燃費や維持費への意識が高いこのご時世、クラウンにも「マジェスタ」「アスリート」「ロイヤル」シリーズにハイブリッドモデルが存在します。

カタログ数値によると、マジェスタに積まれる3.5Lエンジンベースのハイブリッドで18.2km/L、アスリート/ロイヤルの2.5Lハイブリッドで23.2km/L(4WDモデルは21.0km/L)を叩き出し、高級車ならではの走りと燃費を両立させるモデルとして評価されています。

ちなみに、2.5Lの通常モデル(2WD)の燃費はカタログ上で11.4km/Lなのでその倍以上の燃費となります。

クラウンの良きライバル「セドリック(グロリア)」とは?

さて、クラウンが“王冠”なら、日産のフラッグシップだったセドリックは「小公子」という小説の主人公に由来する命名。兄弟車にグロリアがあり、両者合わせて“セド・グロ”とよく呼ばれていました。

また、日産にもセルシオのライバルであったシーマという高級車がありましたが、これももともとはセドリック/グロリア(Y31型)から派生する車種として誕生しました。

クラウンが1955年の初代から現在(14代目)まで販売され続けているのに対し、1960年に初代が誕生したセドリック/グロリアは残念ながら、1999年から2004年まで販売された10代目(Y34型)で後継のフーガにバトンタッチする形で、その歴史に幕を閉じています(営業車系を除く)。

ちなみにクラウンの同時期モデルは1999年〜2007年まで発売されていた11代目(S17型)ということになります(※2004年には通称「ゼロクラウン」が後継として発売開始)。

クラウン同様、セドリック/グロリアもタクシー車両としてもよく使われていましたが、やはり販売力に勝るクラウンにはかなわなかったと言えます。クラウンがその後タクシー専用車両「コンフォート」まで出すようになったのとは対照的といえます。

ただし、他社にはない大排気量エンジン用CVT「エクストロイドCVT」の採用もそうですし、軽量かつメンテナンスフリーで燃費や維持費にも好影響、クラウンには当時搭載がなかったV型6気筒のVQエンジン搭載車があるなど、「技術の日産」のフラッグシップならではの高級車であったということは言えるでしょう。

クラウンとセドリックの中古車市場・価格は?

ということで、ここではセドリックの最終型(Y34型)と同時期のクラウン(S17型)の中古車価格の相場を比較してみましょう。
車種 最低価格 最高価格 平均価格
クラウンマジェスタ 6.5万円 198万円 38.4万円
クラウンアスリート 4.8万円 119.8万円 30.8万円
クラウンロイヤル 5.9万円 129.9万円 28.1万円
セドリック 3.8万円 87万円 27.5万円
グロリア 4.8万円 128万円 33.4万円
(2016年6月30日現在)
いずれの車種も平均価格としては30万円前後といい勝負ですが、すでに12年以上経っている中古車にもかかわらず、クラウンの場合いまだに200万円近い販売価格のものがあるなど、新車時の人気の差や耐久性に優るクラウンのメリットがここでも伺えるといえるかもしれません。

それは中古車市場での「タマ数」にも如実に現れていて、セドリック・グロリアが合わせてが300台ほどの在庫状況なのに対して、クラウンは3車種合わせて700台をはるかに超えています。

ただし、数があるがゆえに、うまく交渉すればそこそこの値引きが引き出せるかもしれませんね。

12年落ち以上ということもあり、税金その他の維持費的には辛いものもあるかもしれませんが、そこはかつての両社を代表する高級車です。メンテナンスがしっかりしているものを賢く選べば、比較的リーズナブルな価格で、現在の普及価格帯の小型車の新車にはないゆったりした高級感を味わえ、それはそれで豊かなカーライフが送れそうです。

中古クラウンは激安高級車の醍醐味?

クラウンユーザーはとにかく故障に敏感ですから、壊れないことこそ本命といったクルマ作りで、まったく冒険をしていないところが、むしろ中古車としてはありがたかったりしますよね。安く買ったのに壊れた、というのでは意味がない。そう考えると、壊れにくいクラウンというクルマは中古車でこそ本領を発揮するタイプかもしれません。

下手するともう20年モノにはなってしまいますが、この15系クラウン。コスト削減と軽量化の課題に取り組んでフルモノコックボディを採用した最初のモデル。中古車として数々個体を見てみると、たとえば内装のヘタリの少なさや塗装の劣化の少なさなどは特筆すべき点で、やはり耐久性が高いことが伺えます。エンジンやトランスミッションも、これはもうすでに個タクに供されている個体で実績を挙げていますから、タイミングベルト関連に注意を払っていればまず心配は少ないと。

ただ、ジジクサい、という問題はありますが、とにかく値段重視で壊れない、しかも快適でエアコンも効いてできるだけ安全性も高いほうがいい、という要求に対しては、このクルマ以外ちょっと考えられないですね。値段は2016年6月現在でひと桁万円台から高くても50万円台の車両本体価格。完全に忘れられた存在になっていますが、むしろ古臭いところを逆手に取って皆が最新のクルマに流れていく方向とは逆を向く楽しさを味わえるはず。

ただ、燃料はメインの2.5以上でハイオク、もちろん自動車税などは割増になってしまいます。でも元手の安さでカバーできるはずです。

ポストバブル期のセドグロ、しかし今だからこそ・・・

バブル期の日産は非常に勢いがあって冒険的に様々なチャレンジをしました。しかしこのY33型セドリック・グロリアの時期になると否応なく合理化の嵐が吹き荒れるという時代でしたから、このクルマも例外なくコストダウンに晒されていくのです。

しかしそこはそれ、日産の仕事ですから、基本部分には新しいVQエンジンを搭載するなどの新機軸を積極採用したり、車体軽量化による燃費向上などの、技術面での施策には手を抜いていなかった、そんなあたりに好感を持てます。

率直に申し上げて、従来のVG系エンジンは耐久信頼性にやや難のあるエンジンで、距離年数を経るごとに手間のかかるエンジンと言えました。そこはそれでマニアにとっては堪えられない魅力となっていくのでしょうが、今回の激安中古車はお買い得か、というテーマで見ると、やはり新規採用されたVQエンジンの存在は小さくないですよね。

なんといってもタイミングチェーンでメンテナンスが非常にラクになっていること、それ以前にVQ型エンジンの開発コンセプトにメンテナンスフリーと軽量化という考え方が盛り込まれていましたから、これは中古車としてみると非常にありがたいわけです。

Y33系のとくにVQエンジン搭載車はその意味で15系クラウンよりもメカニズム的にはちょっと先を行っているようなところがあり、なおかつ従来から人気のあったグランツーリスモという若々しいイメージのグレードがメインに据えられていましたから中古車として見ると、こちらのほうが格好よく見えるかもしれませんね。ただ、その代わり、「走り」のクルマというイメージもついてまわりますから、多少コンディションにバラツキが出てくることも傾向としてありそうです。このクルマもやはり15クラウン同様一桁台から50万円程度で手に入ります。(2016年6月現在)

燃料はVG30E/20Eエンジン搭載車はレギュラー、それ以外全てハイオク、税金関係も割増です。

小さな高級車はこんなに激安!

JCG10系プログレ。これももう忘れ去られてしまった感のある、90年代後半から2000台前半にかけて販売された、むしろクラウンやセドリックより高級な仕立ての乗用車でした。なんといっても狙いは小さな「セルシオ」だったわけです。

5ナンバー枠に収まるサイズの中に極めてフィニッシュレベルの高いインテリア、静粛性、乗り心地などを詰め込んだこの小さな高級車。結局一世代限りで終わってしまったのは個人的に残念だったのですが、これが不人気ゆえに中古車になると激安、というのはじつはかなり以前からの傾向。

実にもったいないと思いますね。なにせセルシオクラスの質感を持つインテリアは本木目パネル(グレード別)や本革、スエード調、ウールなどの各種高級素材が取り揃えられ、しかもその仕上げが実に丁寧。小さいからといってザツなところが一切ない、本物の高級乗用車でした。

エンジンはJZ系直列6気筒の2.5と3.0。2WDと4WDがあって、前期モノは4段AT、後期モノはD4エンジンに5段ATという組み合わせ。中には希少なスポーティグレードiRバージョンも存在します。

現在の価格帯は、販売期間がやや長めだったこともあって開きがあるのですが、おおむね50万円用意しておけばまずまずの個体は確保できそうな雰囲気。燃料はすべてハイオク、年式によっては増税対象もありになりますが、ちょっと他にはない「小さな本格高級車」を激安で、というのは魅力的ではないでしょうか。

レクサスでもセルシオでもない、プログレ。大穴です。

10年でおおよそ10分の1は魅力的?

見渡してみればこの17系クラウンもじつはそろそろ50万円クラスに入ってきますし、遠からずゼロクラウンもその範疇に降りてきそうな雰囲気です。激安中古車を見ていると、この「降りてくる」という感覚があります。今のクルマは年数を経ても極端に古臭くは見えなくなりましたし、実際に壊れにくくもなっています。クルマ本体の寿命も80年代に比べてはるかに長くなっているはずです。

ゆえに、10年や15年という時間は大した時間ではないという感覚になってきますよね。

そして、待っていればこういうクルマが確実に「降りてくる」と。

故障やトラブルが全くないとは言いません。中古車ですからコンディションや前オーナーの取り扱いにも左右されるところもあるはずです。しかし、激安中古車ともなると、そもそも「ダメ」なクルマは商品にならないわけです。商品化への加修コストや整備、仕上げの手間などを考えると、「ダメ」なヤツは拾われない。生きるか死ぬか。コンディションとして売り物になるかどうか、という境界線が明確にある。だからじつは激安高級車というのは選びやすかったりもするわけですね。生き残っているには生き残っているだけの理由があると考えられるからです。

こんなあたりを見回しても、中古車というのは奥の深い面白さがあります。投下資金も少なくてすむため、一度この「アナザーワールド」を体験してみてはいかがでしょうか。

17系と18系クラウンのデザインの大きな違いとは?

写真は17系クラウンです。

18クラウンは「ゼロクラウン」と呼ばれているだけに、先代までのデザイン性の一切を無視する形で生まれ変わっているため、全くと言って良いほど異なります。

大きな違いはプラットフォームです。17クラウンではマジェスタと同じく、90マークⅡで使用されたプラットフォームと共通のものが採用されましたが、18クラウンでは、マークXやレクサスに採用されているプラットフォームとなり、角の多いエクステリアデザインから、流曲線状の優雅さもつエクステリアデザインへと生まれ変わりました。

ヘッドライトユニットは17クラウンでは横長でしたが、18クラウンでは少し味が加えられ、流れるようなシルエットのスポーティーなヘッドライトユニットに変更されました。また、2005年のマイナーチェンジではロイヤスアスリートのヘッドランプにはスモークが貼られています。

しかしインテリアに関しては両車はほとんど変わらないデザインとなっています。違いは、18クラウンにはG-BOOK対応の高精細DVDボイスナビゲーション付EMVが搭載されているぐらいでしょう。

17系と18系クラウンの燃費を比較

写真は18系クラウンです。

  17系クラウン
18系クラウン
カタログ燃費 10.0km/L~12,0km/L 10.0km/L~12,0km/L
実燃費 7.6km/L~11,4km/L
9.0km/L~13,2km/L
※10・15モードで測定しています。
17クラウンの燃費は、カタログデータを上回らない実燃費となっていますが、アクセルワークとタイヤ次第で、10.0km/Lを超えることはできそうです。タイヤは、やはりスタッドレスタイヤを履いていると燃費性能がガクンと落ちるため、シーズンが終わり次第すぐにノーマルタイヤに戻してあげる必要があります。

一方18クラウンの実燃費はカタログ燃費を上回る結果となっています。18クラウンの場合は実燃費は向上しているものの、気を抜いてしまうと10km/Lを下回る燃費性能になってしまうので、エコ運転を日ごろから心がけることが大切です。
(2016年07月時点)

S20型クラウンのグレードによる違いについて

  HybridアスリートG
HybridアスリートS
Hybridアスリート
HybridアスリートG Four
HybridアスリートS Four
Hybridアスリート Four
2.0アスリート アスリート G-T
2.0アスリート アスリート S-T
2.0アスリート アスリート -T
3.5アスリートG
3.5アスリートS
2.5アスリートG i-Four
2.5アスリートS i-Four
2.5アスリート i-Four
新車価格(税込)
5,770,000
4,950,000
4,310,000
5,986,000
5,166,000
4,526,000
5,330,000
4,500,000
3,880,000
6,100,000
5,240,000
5,497,000
4,627,000
4,007,000
駆動方式 2WD 4DW 2WD 2WD 2WD
エンジン 2AR-FSE 2AR-FSE 8AR-FTS 2GR-FSE 4GR-FSE
最大出力(kW(PS)/r.p.m) 131(178)/6,000 131(178)/6,000 173(235)/5,2200〜5,800 232(315)/6,400 149(203)/6,400
最大トルク(N/m(kgf・m)/r.p.m) 22.1(22.5)/4.200~4,800 22.1(22.5)/4.200~4,800 350(35.7)/1,650~4,400
377(38.4)/4,800 243(24.8)/4,800
トランスミッション 電気式無段変速機 電気式無段変速機 8 Super ETC 8 Super ETC 8 Super ETC
トヨタ17クラウンから、2度のフルモデルチェンジの末に誕生したS20型クラウンは、15のグレードを展開しています。

その価格帯はどれも非常に高額で、中でもHybridG、HybridG Four、Four、2.0アスリート アスリート G-T、3.5アスリートG、2.5アスリートG i-Fourと、最上級グレードのGとHybridアスリートSは500万円を超える新車価格となります。


一度はこんなあたりを見回しても、中古車というのは奥の深い面白さがあります。投下資金も少なくてすむため、一度この「アナザーワールド」を体験してみてはいかがでしょうか。
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