PHVで選ぶならどっち?トヨタ プリウスPHVと三菱 アウトランダーPHVを比較【プロ徹底解説】

プリウスPHV

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ハイブリッドカーであるプリウスに、さらに大きなバッテリーを搭載し、外部からの充電機能も持たせたのがプリウスPHVです。

PHVとはプラグイン・ハイブリッド・ヴィークルの略。

そんなプリウスPHVのライバルとなるのは、やはりPHVの代表格である三菱自動車のアウトランダーPHEVでしょう。

今回は、この2台の違いを解説します。

文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
プリウスPHVのライバルとは
トヨタ プリウスPHVのプロフィール
アウトランダーPHVのプロフィール
プリウスPHVの勝っているところ
アウトランダーPHVの勝っているところ

プリウスPHVのライバルとは

プラグイン・ハイブリッド・ヴィークルのプラグとは、電気の配線で、コンセントと接続する部品のこと。車にコンセントを接続できるハイブリッドカーという意味です。ハイブリッドカーは、エンジンで発電した電力でモーターを駆動して走ることができます。

そこで、大きなバッテリーを搭載して、外部から充電できるようにすれば、電気がある間はEV(電気自動車)のように使える! というのがPHVの特徴です。そして、EVと違って、エンジンがあるから、充電した電気がなくなっても、エンジンを使って走り続けることができます。

充電した電力がある間はEVと同じ、電力がなくなったら普通のハイブリッドカーとして使える。EVとハイブリッドカーの間に位置するのがPHVです。そのためEVが普及するまでの間のニーズに答える、新時代のエコカーとして注目を集めました。
そのPHVの先駆となったのが2012年より発売された先代のプリウスPHVであり、翌年に登場した三菱自動車のアウトランダーPHEVの2台です。

現在は、トヨタから、さらにRAV4PHVとハリアーPHVが登場していますが、いち早く登場して市場を生み育てたのは、プリウスPHVとアウトランダーPHEVの2台と言って間違いありません。

トヨタ プリウスPHVのプロフィール

現行型のプリウスPHVは、2017年にフルモデルチェンジしたPHVとしての2代目です。1.8リッターエンジンのハイブリッド・システムに、先代の2倍にあたる8.8kWhのリチウムイオン電池を搭載。EV走行距離を大幅に伸長させています。

EV走行距離は60km(WLTCモード)となっています。充電した電力を使い切った後のハイブリッド燃費は30.3km/l(WLTCモード)です。

セダンのプリウスをベースにしているので、乗車定員は5名。駆動方式はFF。ラゲッジ容量は後席使用時で360リットル。リヤシートを倒した状態で1,200リットルです。
ハイブリッドのエンジンは、1.8リッターのガソリンで、最高出力72kW(98PS)・最大トルク142Nm。モーターは駆動用が最高出力53kW(72PS)・最大トルク163Nm、加速時にアシストも行う発電用モーターは最高出力23kW(31PS)・最大トルク40Nmを発揮します。

価格は338万3,000円~401万円となります。

アウトランダーPHVのプロフィール

現行型のアウトランダーPHEVは、2021年にフルモデルチェンジしたPHVとしての第2世代となります。三菱自動車は、PHVではなくPHEV(プラグイン・ハイブリッド・電気自動車)という表記を使用します。ハイブリッドカーというよりも「EVに近い!」とアピールしているわけです。

アウトランダーPHEVの特徴はSUVをベースにしており、前輪と後輪にそれぞれ駆動用のモーターを搭載した4WDであることが特徴です。エンジンは発電だけでなく、駆動も行うため、プリウスPHVと同様に「モーターだけの走行」「エンジンとモーターとの走行」の両方ができます。
アウトランダーに搭載されるリチウムイオンバッテリーは20kWh。EV走行距離は85~87㎞。充電を使い切った後のハイブリッド燃費は16.2~16.6km/l(WLTCモード)。

3列シートのSUVをベースにしており、乗車定員は2列シート仕様で5名、3列シート仕様で7名。ラゲッジスペースは、5人乗り仕様で498リットル、7人乗り仕様で3列目シートを倒した状態で469リットルです。3列目シートを使った状態では、ゴルフバッグを1個しか収納できません。

ハイブリッドのエンジンは、24リッターのガソリンで、最高出力98kW(PS)・最大トルク195Nm。モーターは前輪用が最高出力85kW(115.6PS)・最大トルク255Nm、後輪用モーターは最高出力100kW(136PS)・最大トルク195Nmを発揮します。

価格は462万1,100円~532万700円となります。

プリウスPHVの勝っているところ

プリウスPHVが勝っているのは、ハイブリッド燃費です。

自宅などで充電した電力を使い切った後、エンジンで発電しながら走るときの燃費は、プリウスPHVが30.3km/lなのに対してアウトランダーPHEVは16.2~16.6km/l。2倍に近い差となっています。
また、座席をすべて使っているときの荷室の広さも、実はプリウスPHVが勝ります。プリウスPHVに乗車定員5名で乗ったときも、2つのゴルフバッグをラゲッジに積むことができます。一方、アウトランダーPHEVの場合、3列シートまで使って7人乗車するとゴルフバッグは1つしか積めません。

アウトランダーPHVの勝っているところ

アウトランダーPHEVの強みは、7人乗車が可能ということと、4WDで雪道やオフロードにも強いというところです。これはプリウスPHVには、まったくない強い特徴となります。

また、前輪に最大トルク255Nm、後輪に最大トルク195Nmという2つの強いモーターが生み出す強力な加速力もアウトランダーPHEVの魅力でしょう。
また、搭載するリチウムイオン電離の容量がアウトランダーは20kWhと、8.8kWhのプリウスPHVの2倍以上もあるため、大型SUVであってもEV航続距離はアウトランダーPHEVが勝っています。
同じPHVとはいえ、セダンのプリウスPHVと3列シートのSUVであるアウトランダーPHVでは、内容は大きく異なります。

小さく軽いプリウスPHVと、大きくてパワフルなアウトランダーPHEVといった違いです。

ただし、どちらも長いEV走行距離を備え、車の外部に電力を供給する機能を備えています。

これもPHVならではの魅力となります。
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