アリアはコンセプトモデルからどのように市販化されたのか!?日産 アリアをコンセプトモデルと比較【プロ徹底解説】

アリア

日産は、2019年10月に開催された第41回東京モーターショー2019で、ニッサン アリア コンセプトを発表しました。

そのコンセプトカーは2020年7月に市販車アリアへと発展します。

コンセプトカーから市販車への変化はどのようなものであったのでしょうか。

文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK

Chapter
日産の将来像を体現したEVのコンセプト
日本ならではのデザインをコンセプトに
EVプラットフォームの採用がもたらすプロポーション
コンセプトカーに搭載された最新のメカニズムとは
市販車との違いとは

日産の将来像を体現したEVのコンセプト

2019年の東京モーターショーで発表されたニッサン アリア コンセプトは、市販車に続くコンセプトカーです。

ただし、ただ1台の市販車アリアのコンセプトというだけでなく、日産が全体で目指す「ニッサン インテリジェント モビリティ」の新しい象徴であるとも説明されていました。

つまり、将来の日産の未来像をイメージさせることも狙いのひとつとなっていたのです。

そのためニッサン アリア コンセプトには、新しいコンセプトやテクノロジーが採用されていました。

それが新しい日産のデザインランゲージとなる「タイムレス ジャパニーズ フューチャリズム」であり、ツインモーターのEVプラットフォーム、先進の運転支援システム「プロパイロット2.0」、そして新時代のHMIである「バーチャル パーソナル アシスタント」やコネクテッドなどの最先端の技術となります。

「もっと繋がり、もっとワクワクする、そしてより自信を持った運転を可能とする」という未来の日産車の価値を体現するコンセプトカーだったのです。

日本ならではのデザインをコンセプトに

ニッサン アリア コンセプトが採用した新しいデザインコンセプトが「タイムレス ジャパニーズ フューチャリズム」です。

これは日本古来の伝統美に着想を得たデザインであり、シンプルで力強く、モダンであることが特徴です。

日産のデザイナーは「日本らしい伝統的なテイストを新鮮な視点で新しい時代、そしてグローバルに通用するモダンなデザインに昇華させることです」と説明します。

EVプラットフォームの採用がもたらすプロポーション

ニッサン アリア コンセプトには新しいEV専用プラットフォームが採用されています。前後のタイヤより外側となるオーバーハングは短く、一方で乗員のためのキャビンが大きいのが特徴です。

また、21インチもの大径のタイヤと、ルーフとボディを別の色とした2トーンカラーがスポーティさとラグジュアリー感を生み出しています。

その顔つきも個性的です。ヘッドライトは超薄型のLEDとなっており、グリルは日産が「シールド」と呼ぶ平滑なパネルとなっています。エンジン冷却の必要のないEVということで、空気を通す穴のあるグリルの代わりにパネルとし、埋め込まれたレーダーなどのセンサーを守る盾(シールド)と名付けられたというわけです。

エクステリアカラーには、見る距離によって見え方が変化する「彗星ブルー」が採用されました。遠くからは、深いマットのブルーに見えますが、近寄れば、塗装に含まれるガラスフレークによって無数の光の屈折がボディに映し出されます。まるで夜空に流れる彗星のような美しさを備えています。

コンセプトカーに搭載された最新のメカニズムとは

ニッサン アリア コンセプトにはEV専用プラットフォームが採用され、前後に高出力なモーターを配置するツインモーター4WDとなっています。

また、先進運転支援システムとしてレベル2の自動運転でのハンズオフを可能とする「プロパイロット2.0」や、スマートフォンなどの専用デバイスで車外から車を自動駐車させる「プロパイロット リモートパーキング」機能を装備しています。

さらにニッサン アリア コンセプトは、日々の生活に溶け込むための新しい技術も搭載されました。たとえば「ドア ツー ドア ナビゲーション」は、スマートフォンを使い、車に乗る前から乗った後、降りた後の目的地までをシームレスに案内する機能です。

また、走行中は「バーチャル パーソナル アシスタント」が駐車場の位置や走行に必要な情報を提供しながらナビゲーションを実施。未来の新しい車との付き合い方が、数多く提案されていたのです。

市販車との違いとは

では、そんなニッサン アリア コンセプトから、2020年に発売開始となった市販版アリアでは、どんな違いがあったのでしょうか。

はっきりしているのは印象的だった「彗星ブルー」の採用は見送られたことです。また、ホイールサイズは、コンセプトの21インチから、市販車となって19インチにサイズダウンしています。

ボディサイズは、コンセプトの全長4,600×全幅1,920×全高1,630mmから、市販車で全長4,595×全幅1,850×全高1,655mmに。少し幅が狭くなっています。ただし、印象的な顔つきなどのデザイン関係は、ほとんどコンセプトカーも市販車も変化はありませんでした。

また、市販車では4WDだけでなく、2WDモデルが用意されたのも変化のひとつ。

一方、「プロパイロット2.0」と「プロパイロット リモートパーキング」が採用されました。さらにスマートAI音声サービス「アマゾン・アレクサ」の対応もトピックです。

モーターショーで発表されたコンセプトカーから市販車へと進む中で、大抵の場合、デザインは多少なりとも変化するもの。

ところがアリアは、その変化が非常に小さくすみました。変化が少ないだけ、コンセプトカーの狙いが、よりダイレクトに市販モデルに投影されている。それがアリアの特徴ではないでしょうか。

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
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