トヨタ プリウスPHVの維持費はどれくらい?新車購入から初回車検までの3年間でかかる総額を計算してみた【プロ徹底解説】

トヨタ プリウスPHV

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トヨタのプリウスPHVを新車で購入した後、最初の車検までの3年間で、どれだけの維持費が必要になるのでしょうか。

税金や保険、メンテナンス費用などを計算してみました。

プリウスPHVの維持費を解説します。

文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
新車から車検までの3年に必要な維持費の内容
自動車税
任意保険料金
燃料費
メンテナンス費用
総額はいくら

新車から車検までの3年に必要な維持費の内容

車を維持していく上で、必要になる費用のひとつが税金です。車には「環境性能割」「自動車重量税」「自動車税種別割」(一般的に「自動車税」とよばれています)が存在しており、車体の購入時には「消費税」がかかります。

ただし、このうち「環境性能割」「自動車重量税」「消費税」は、新車購入時に支払うことになります。また、「自動車重量税」は購入後も車検時に支払うことが決められています。

つまり、購入後から車検までの間に支払う税金は「自動車税」のみとなります。
また、車には2つの保険を掛ける必要があります。ひとつは法的に、必ず掛けることが決められている「自賠責保険」。必須の保険のため「強制保険」と呼ばれることもあります。そして、任意ですけれど、実際のところ絶対に掛けておくべきなのが保険会社の用意する「任意保険」です。

2つの保険のうち、「自賠責保険」は新車購入時と車検時に掛けるため、購入後から車検までの間に支払うのは「任意保険」となります。
続いて必要になる費用が、燃料費です。プリウスPHVは、ガソリン・エンジンを使ってハイブリッド状態で走るだけでなく、充電した電力で走ることもできます。つまり、ガソリン代金と電気代金が燃料費となります。
そして最後に必要な維持費がメンテナンス費用です。定期的な点検と、オイルなどの交換などメンテナンスは必須となります。

つまり、新車購入後、3年後となる最初の車検にまで必要な維持費は「自動車税」「任意保険」「燃料費」「メンテナンス費用」となります。

自動車税

「自動車税」は、地方税であり、自分が済んでいる自治体から請求書が送られてきます。これは毎年課される税金で、4月1日の時点での所有者が支払います。税額は、エンジンの排気量によって決まっています。

プリウスPHVのエンジン排気量は1,797㏄であり、税額は1.5リットル超~2リットル以下の税額に該当します。税額は3万6,000円となります。ただし、これは基本の額。

プラグインハイブリッドカーであるプリウスPHVには「自動車税種別割のグリーン化(環境配慮型税制)が用意されており、初回新規登録した年度の翌年分の自動車税が軽減されます。プラグインハイブリッドは、基本額のおおむね75%軽減。プリウスPHVは3万6,000円のおおむね75%軽減で、年間9,000円となります。

3年間で3回払う自動車税のうち、1回が9,000円で、残り2回が3万6,000円。合計で8万1,000円となります。

ちなみに東京都は、さらに追加で「ZEV導入促進税制」を導入しています。これは、新規登録から5年分の自動車税を全額免除、つまりゼロにしてくれる制度です。東京都であれば、プリウスPHVの自動車税はゼロ円となります。

任意保険料金

保険会社が販売する自動車向けの任意保険は、補償の内容、保険加入者の過去の実績、車のモデル別によって、保険料金が異なります。また、同じような内容でも、保険会社によっても異なります。

あくまで目安として言えば、20代後半で初めての車でネット保険の見積もりを取ってみたところ、保険料金は年間4万7,570円でした。車両保険は自損事故も含む、いわゆるフルカバーにすると7万9,340円。

つまり保険料は1年間で11万9,180円。厳密に言えば、事故なく過ごせば、2年目、3年目と保険料は割引となりますが、今回は目安ということで、3年分では35万7540円となります。

燃料費

車は走るために燃料が必要です。プリウスPHVの場合、ガソリンだけでなく、自宅などで充電した電力だけでも走行することが可能です。満充電での走行可能距離はカタログスペックでは60㎞(WLTCモード)となっています。

つまり、毎日、自宅で夜に満充電にして、日中に60㎞以下しか走らなければ、ガソリンを1滴も使わずに、延々と走れることになります。

仮に充電だけの電力で、1年間に1万㎞を走行した場合、どれだけ電気料金が必要なのかを考えてみましょう。プリウスPHVのバッテリーは8.8kWhです。つまり、満充電には8.8kWhの電気が必要です。電気料金は自宅での契約次第という部分がありますが、仮に1kWh=30円で計算してみます。

つまり、8.8kWhの満充電にかかる費用は8.8kWh×30円=264円です。これで60㎞を走れます。1㎞走行あたりにかかる費用は4.4円。それが1万㎞ということで、年間の電気料金は4万4,000円となります。3年間であれば、13万2,000円です。
一方、プリウスPHVは充電せずに、ガソリンだけで走り続けることもできます。その場合の燃費は30.3km/l。ガソリン代金を160円で計算してみると、1万㎞走るのに5万2,805円ほどかかります。3年間であれば約15万8415円となります。

エンジンだけで走るのか充電だけで走るのかは、人に寄って異なりますが、どちらか一方を使えば、もう一方の料金は安くなります。つまり、燃料費は13万2,000円~15万8,415円の間というのが目安と言えるでしょう。

メンテナンス費用

プリウスPHVを何事もなく3年の間、乗り続けるにはメンテナンスが必須となります。毎年の点検は法律で定められたものですし、エンジンのオイル交換、タイヤのローテーションなども行う必要があります。

近年は、そうしたメンテナンスをディーラー各社がパックとして割安にするサービスを実施しています。新車購入の多くの方が利用しているサービスです。最初にまとめて支払う必要がありますが、その分、料金は割安になります。

とある関東近郊のトヨタのディーラーの場合、プリウスPHVの車検までのパック料金は、3万7,400円と提示されています。通常価格は6万2,200円です。ほかのエリアのディーラーでは3万1,760円というところもありました。車を販売するディーラーは、トヨタの直営ではなく地元企業のため、地域によって価格が異なるのです。

ただし、今回は目安ということで割安価格ではなく、通常価格6万2,200円としてみました。

総額はいくら

以上のように求めた維持費をプラスすると以下のようになります。

自動車税       :8万1000円
任意保険料      :35万7540円
燃料費(ガソリン代金):15万8415円
メンテナンス費用   :6万2200円

計:65万9155円
プリウスPHVの3年間の維持費の内訳を見ると、最大を占めるのが任意保険であり、次に燃料費となります。ただし、燃料費はガソリンよりも電気代の方が若干、安くなります。そういう意味であれば充電して走行した方が維持費を抑えることになります。

とはいえ、プリウスPHVの燃費性能は非常に高いので、普通のエンジン車と比べれば、これでも十分にリーズナブルと言えるでしょう。
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