トヨタ プリウスPHVのエンジンスペックや走行性能を紹介【プロ徹底解説】

プリウスPHV

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トヨタのプリウスPHVは、通常のプリウスよりも大きな駆動用の電池を搭載することで、自宅での充電を可能としています。その走行性能は、いかほどのものなのでしょうか?

先代モデルからの進化、標準のプリウスとの違いを解説します。

文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
プリウスをベースに電動性能を高めたプリウスPHV
電池だけでなくハイブリッド・システムも先代より進化
通常モデルとPHVモデルとの差

プリウスをベースに電動性能を高めたプリウスPHV

プリウスPHVは、ハイブリッド専用車であるプリウスをベースに、より大きな駆動用の二次電池を搭載し、さらに外部からの充電機能を追加するモデルです。

ベースとなったプリウスよりも大きな電池を搭載しているため、エンジンを使わないEV走行を、より長い時間できることが最大の特徴となります。
家で充電した電力だけで走っている限りは、エンジンをまったく使わないので、ガソリン燃料をまったく消費せずに済みます。

また、充電した電力を走行以外に使うことができるのも特徴のひとつとなります。

電池だけでなくハイブリッド・システムも先代より進化

現行型のプリウスPHVは、2017年2月に発売された、第2世代モデルとなります。ハイブリッド・システムは、1.8リッターのガソリン・エンジンとモーターを組み合わせたTHSⅡ。

これは先代モデルと同様ですが、エンジン内部の改良により熱効率を高め、ハイブリッドトランスアクスルとモーター、パワーコントロールユニットを小型化するなど、中身は進化したものとなります。
1.8リッターエンジンのスペックは、先代で最高出力73kW(99PS)・最大トルク142Nmだったところ、現行型は72kW(98PS)・最大トルク142Nmと、ほとんど変わりません。
一方、モーターは先代で60kW(82PS)・207Nmのところ、現行型は53kW(72PS)・最大トルク163Nmの駆動用モーターに加え、23kW(31PS)・最大トルク40Nmの発電用モーターも駆動に使う「デュアルモータードライブシステム」を採用し、加速力を高めています。
また、リチウムイオン電池の二次電池は、先代で4.4kWhのところ、現行型では2倍となる8.8kWhを搭載。外部充電で満充電にしてからのEV走行距離を先代の26.4kmから68.2km(JC08モード)にまで延長しました。

外部から充電した電力を使い終わった後の燃費は、先代モデルで31.6㎞/l(JC08モード)から現行モデルの37.2km/l(JC08モード)/30.3km/l(WLTCモード)へと向上させています。

通常モデルとPHVモデルとの差

プリウスPHVと、ベースとなったプリウスとの違いは、どれくらいあるのでしょうか?

ベースとなった現行プリウスのパワートレインは、1.8リッターのガソリン・エンジンとモーターを組み合わせたTHSⅡ。つまり、プリウスPHVと変わりません。エンジンとモーターのスペックも同じとなります。
ただし、駆動用二次電池が異なっており、プリウスPHVの8.8kWhのリチウムイオン電池に対して、ベースのプリウスは約1.3kWhのニッケル水素電池、もしくは約0.7kWhのリチウムイオン電池を搭載します。

搭載する電池が小さいため、ベースとなったプリウスは、エンジンを停止したEV走行で走れる距離は少なく、何㎞も走ることができません。

EV走行距離で比較すれば、充電した電力を使うことで68.2kmも走れるプリウスPHVが圧倒します。
充電した電力を使い切った後の燃費性能は、ベースモデルのプリウスは27.2~32.1km/l(WLTCモード)となっており、プリウスPHVよりも、グレードによっては燃費性が上回っています。
エンジンとモーターを組み合わせるだけでなく、大きな駆動用の二次電池を搭載するのがプリウスPHVです。

先代モデルから現行モデルへと進化するのにあわせて、ハイブリッド・システムを進化させ、電池も大きくしたことで走行性能を飛躍的に高めています。

また、ベースモデルに対してもEV走行距離でプリウスPHVは、大きな差を付けています。
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