中古で買える国産ミニバンのおすすめランキング9選【自動車目利き人が厳選】

「車種が多すぎて、どんな基準で買ったら良いのかわからない」「見た目優先で選んでしまうと失敗しそう」「プロがおすすめする国産ミニバンを中古で買いたい」などなど、アタマを悩ませている方々に向けて、これまで何百車種と乗ってきた自動車ジャーナリストたちが、おすすめする国産ミニバンを厳選してお届けします。
国産ミニバンが欲しいけど、車種選びで迷っている、まだどんな車種を買ったら良いのかわからないという方は、愛車選びの参考にしていただければと思います。
文・松田 秀士/まるも 亜希子/小鮒 康一
- Chapter
- 【目利き人】松田 秀士氏が選ぶ!国産ミニバンのおすすめトップ3
- コスパに優れる5ナンバーミニバン。ホンダ フリード
- 大柄なボディからは想像できない胸のすくハンドリングも魅力。トヨタ アルファード
- パワートレインの違いで変わる装備に注意。日産 セレナ
- 【目利き人】まるも 亜希子さんが選ぶ!国産ミニバンのおすすめトップ3
- さまざまなファミリーの要望に応えてくれる。日産 セレナ
- 変わるものがない特別なミニバンなら。三菱 デリカD:5
- 使い勝手と信頼性も魅力。ホンダ フリード
- 【目利き人】小鮒 康一氏が選ぶ!国産ミニバンのおすすめトップ3
- 走りをおろそかにしないマツダらしいミニバン。マツダ MPV 23T
- 高級ミニバンの礎を築いた。日産 エルグランド(2代目)
- 北米市場を意識したLサイスミニバン。ホンダ ラグレイト
【目利き人】松田 秀士氏が選ぶ!国産ミニバンのおすすめトップ3
松田 秀士|まつだ ひでし
日本カー・オブ・ザ・イヤー/ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
INDY500やル・マン24時間など豊富な海外レース経験と、スーパーGT選手権では100戦以上出場経験者に与えられるグレーデッドドライバーとしても表彰されている。自身が提唱する「スローエイジング」により、66歳のいまも現役のプロレーサーとして活躍中。。昨年、中高齢者のための安全運転指南書「安全運転寿命を延ばすレッスン」(小学館)を刊行。浄土真宗本願寺派 僧侶、BOSCH認定 CDRアナリスト。
クルマ選びの基準は
試乗会とは別に、日々個人的に新型車の広報車両をお借りして数日間試乗するようにしています。短時間の試乗会だけでは得られる知見やフィーリングは不十分と考えているからです。今回は、できるだけ新型車でこのような試乗体験から印象に残ったクルマを基準に選んでみました。

コスパに優れる5ナンバーミニバン。ホンダ フリード
ホンダ フリードは、2008年に初代がデビューし大ヒットしたコンパクトミニバンです。現行モデルにフルモデルチェンジする2016年まで、約8年に渡って販売されたという長いモデルライフからも人気の高さが伺えます。
その2代目にあたる現行フリードには、コンベンショナルなガソリンエンジンとハイブリッドの2種類があります。
ガソリンは、1.5L直4で最高出力95kW(129ps)/6,600rpm、最大トルク153Nm/4,600rpm、トランスミッションはCVT。
いっぽうハイブリッドは、同じ1.5L直4でもアトキンソンサイクルエンジンで、7速DCTのトランスミッションに電動モーターを組み込んだ『スポーツハイブリッド i-DCD』です。エンジンとモーターの出力は、それぞれ81kW(110ps)/6,000rpm、134Nm/5,000rpmと22kW(29.5ps)/160Nmというもの。
WLTCモード燃費は、ガソリンが17.0km/L、ハイブリッドが20.8km/Lです。※いずれもFFモデル
駆動方式は、ガソリン、ハイブリッドともにFFと4WDが用意され、4WDモデルはガソリン、ハイブリッドともプロペラシャフトによって前後が繋がった形式を採用。このため4WDモデルの最低地上高は、FFに比べて15mmも高く設定されています。
室内は6人/7人乗りのほか、フリード+(プラス)の5人乗りも用意するなどバリエーションも豊富。全車に装備されるホンダセンシングは、前後方向の誤発信抑制機能やACC+LKAS(車線維持支援)など運転支援を行います。
サスペンションは比較的ソフトで、路面の凸凹をなぞるように吸収する印象。それでいてコーナリング性能は高く、ハイト系でモーメントが大きいワリには、大きすぎないロール角で狙ったラインをトレースできる。ミニバンのなかでは、トップクラスのハンドリング性能です。
また室内静粛性も高く、コストパフォーマンスに優れたモデルといえるでしょう。
大柄なボディからは想像できない胸のすくハンドリングも魅力。トヨタ アルファード
国産ミニバンの王様ともいえるトヨタ アルファード。2020年の年間販売台数は90,748台。2021年1月の乗用車販売台数ランキングでは、ヤリス、ルーミーに続いて堂々の3位です。
現行アルファードのデビューは2015年。2002年の初代から数えて3代目となるモデルです。
大型で特徴的なフロントグリルには、メッキが施されヒカリモノ的都会嗜好のセンスが漂います。スライドのドアが開いたらどんな人が出てくるのか?とまるでスーパーカーと同じ目線で見られるほど、と言ったら大袈裟でしょうか。とにかくアルファードに乗っている人は普通人ではない、と思わせるほどに押しの強いエクステリアデザインです。
パワートレインには、ハイブリッドと2つのコンベンショナルなガソリンエンジンがあり、駆動方式はFFと4WDをラインアップ。
ハイブリッドは、最高出力112kW(152ps)/5,700rpm、最大トルク206Nm/4,400〜4,800rpmの2.5L 直4(レギュラーガソリン仕様)エンジンに、105W(143ps)/270Nmを発生する電動モータ―の組み合わせ。ハイブリッドの4WDモデルは、リアに68kW(50ps)/139Nmの電動モーターが追加されます。
いっぽうガソリンモデルは、最高出力134kW(182ps)/6,000rpm、最大トルク235Nm/4,100rpmの2.5L直4がレギュラーガソリン仕様でトランスミッションはCVT。最高出力221kW(301ps)/6,600rpm 、最大トルク361Nm/4,600〜4,700rpmの3.5L V6がハイオクガソリン仕様で、トランスミッションは8速ATがそれぞれドッキングされます。
室内は7人乗りと8人乗り仕様があり、8人乗りはセカンドシートが3人掛けの6:4分割チップアップ式(ベンチタイプ)、7人乗りは左右で独立したキャプテンシートでエグゼクティブタイプもチョイス可能です。
サスペンションの動きが良く、背が高く大きなボディからは想像できないほどハンドリングが気持ち良く、同乗者だけでなくドライバーも楽しめるミニバンといえるでしょう。
高速道路でアルファードが後ろから迫ってきたら、すぐに道を譲るよう筆者は心掛けています。
パワートレインの違いで変わる装備に注意。日産 セレナ
日産 セレナの歴史は古く、1991年に発売されたバネットセレナまでさかのぼることができます。それまではバネットコーチというモデルがあり、商用車としてもヒットしていました。
初代の駆動方式はFRで、1999年発売の2代目からは現在と同じFFになりました。その後進化を繰り返し、現行モデルは2016年に発売された5代目です。
パワートレインは、4代目から採用されているスマートシンプルハイブリッドと、e-POWERの2種類。
e-POWERはノートやキックスにも採用されている形式で、1.2L直4エンジンで発電し、その電力を使って100kW(136ps)の最高出力と、320Nmの最大トルクを発生する電動モーターで走ります。このためトランスミッションも必要なくギヤチェンジもありません。
いっぽうのスマートシンプルハイブリッドは、いわゆるマイルドハイブリッドで、エンジン本体の外にありベルトで連結される発電機も兼ねた1.9kW(2.6ps)/48Nmの電動モーターがエンジン始動や加速時の補助を行います。その本体となるエンジンは2.0L 直4で、最高出力110kW(150ps)/6,000rpm、最大トルク200Nm/4,400rpmに、トランスミッションはCVTです。
乗車定員は7人と8人が用意されますが、スマートシンプルハイブリッドモデルは8人乗り専用で4WDの設定あり。いっぽうe-POWERモデルは4WDの設定がなく乗車定員も7人乗りのみとパワートレインによって異なっています。
日産の誇るADAS(運転支援技術)のProPILOT(プロパイロット)も装備されていて、高速道路での前車との車間距離と車線内の中央維持走行をアシスト、長距離運転の疲労を軽減します。
またハンドリングは軽快で、とくにe-POWERは電動モーターの強みである停止時からの発進加速にストレスがなく、7人フル乗車時など総車重が重くなったときにも気持ち良く加速してくれます。