中古で買える国産ミニバンのおすすめランキング9選【自動車目利き人が厳選】

トヨタ 3代目アルファード

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「車種が多すぎて、どんな基準で買ったら良いのかわからない」「見た目優先で選んでしまうと失敗しそう」「プロがおすすめする国産ミニバンを中古で買いたい」などなど、アタマを悩ませている方々に向けて、これまで何百車種と乗ってきた自動車ジャーナリストたちが、おすすめする国産ミニバンを厳選してお届けします。

国産ミニバンが欲しいけど、車種選びで迷っている、まだどんな車種を買ったら良いのかわからないという方は、愛車選びの参考にしていただければと思います。

文・松田 秀士/まるも 亜希子/小鮒 康一

松田 秀士|まつだ ひでし

モータージャーナリスト/レーシングドライバー

INDY500やル・マン24時間など豊富な海外レース経験と、スーパーGT選手権では100戦以上出場経験者に与えられるグレーデッドドライバーとしても表彰されている。自身が提唱する「スローエイジング」により、66歳のいまも現役のプロレーサーとして活躍中。執筆は、レース経験やメカニズム知見をもとにした幅広い知識による、分かりやすい文章表現を心がけている。昨年、中高齢者のための安全運転指南書「安全運転寿命を延ばすレッスン」(小学館)を刊行。浄土真宗本願寺派 僧侶、BOSCH認定 CDRアナリスト、日本カー・オブ・ザ・イヤー/ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

松田 秀士

まるも 亜希子|まるも あきこ

カーライフ・ジャーナリスト

映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリー(通称:ガゼルラリー)に参戦し、完走。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。
女性パワーでクルマ社会を元気にする「ピンク・ホイール・プロジェクト」、ジャーナリストによるレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表。近年はYouTubeチャンネル等で、ゆるく楽しいカーライフ情報を発信中。

まるも 亜希子

小鮒 康一|こぶな こういち

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。
国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とするが、実は現行車へのチェックも欠かさない。また、中古車販売店に勤務していた経験も活かし、中古車系の媒体でも活動中。現行車を所持しながらも、NAロードスターも手放さないオールマイティな車愛が持ち味。

小鮒 康一
Chapter
松田 秀士氏が選ぶ!ミニバンおすすめトップ3
コスパに優れる5ナンバーミニバン。ホンダ フリード
大きいのに気持ち良いハンドリングも魅力。トヨタ アルファード
パワートレインの違いで変わる装備に注意。日産 セレナ
まるも 亜希子さんが選ぶ!ミニバンおすすめトップ3
頼れるファミリーカー。日産 セレナ
変わるものがない特別なミニバン。三菱 デリカD:5
使い勝手と信頼性も魅力。ホンダ フリード
小鮒 康一氏が選ぶ!ミニバンのおすすめトップ3
走行性を損なわない、マツダらしいミニバン。マツダ MPV 23T
高級ミニバンの礎を築いた。日産 エルグランド(2代目)
北米市場を意識したLサイズミニバン。ホンダ ラグレイト

松田 秀士氏が選ぶ!ミニバンおすすめトップ3

コスパに優れる5ナンバーミニバン。ホンダ フリード

ホンダ フリードは、2008年に初代がデビューし大ヒットしたコンパクトミニバンです。現行モデルにフルモデルチェンジする2016年まで、約8年に渡って販売されたという長いモデルライフからも人気の高さが伺えます。

その2代目にあたる現行フリードには、コンベンショナルなガソリンエンジンとハイブリッドの2種類があります。

ガソリンは、1.5L直4で最高出力95kW(129ps)/6,600rpm、最大トルク153Nm/4,600rpm、トランスミッションはCVT

いっぽうハイブリッドは、同じ1.5L直4でもアトキンソンサイクルエンジンで、7速DCTのトランスミッションに電動モーターを組み込んだ『スポーツハイブリッド i-DCD』です。エンジンとモーターの出力は、それぞれ81kW(110ps)/6,000rpm、134Nm/5,000rpmと22kW(29.5ps)/160Nmというもの。

WLTCモード燃費は、ガソリンが17.0km/L、ハイブリッドが20.8km/Lです。※いずれもFFモデル

駆動方式は、ガソリン、ハイブリッドともにFFと4WDが用意され、4WDモデルはガソリン、ハイブリッドともプロペラシャフトによって前後が繋がった形式を採用。このため4WDモデルの最低地上高は、FFに比べて15mmも高く設定されています。

室内は6人/7人乗りのほか、フリード+(プラス)の5人乗りも用意するなどバリエーションも豊富。全車に装備されるホンダセンシングは、前後方向の誤発信抑制機能やACC+LKAS(車線維持支援)など運転支援を行います。

サスペンションは比較的ソフトで、路面の凸凹をなぞるように吸収する印象。それでいてコーナリング性能は高く、ハイト系でモーメントが大きいワリには、大きすぎないロール角で狙ったラインをトレースできるミニバンのなかでは、トップクラスのハンドリング性能です。

また室内静粛性も高く、コストパフォーマンスに優れたモデルといえるでしょう。

大きいのに気持ち良いハンドリングも魅力。トヨタ アルファード

国産ミニバンの王様ともいえるトヨタ アルファード。2020年の年間販売台数は90,748台。2021年1月の乗用車販売台数ランキングでは、ヤリス、ルーミーに続いて堂々の3位です。

現行アルファードのデビューは2015年。2002年の初代から数えて3代目となるモデルです。

大型で特徴的なフロントグリルには、メッキが施されヒカリモノ的都会嗜好のセンスが漂います。スライドのドアが開いたらどんな人が出てくるのか?とまるでスーパーカーと同じ目線で見られるほど、と言ったら大袈裟でしょうか。とにかくアルファードに乗っている人は普通人ではない、と思わせるほどに押しの強いエクステリアデザインです。

パワートレインには、ハイブリッドと2つのコンベンショナルなガソリンエンジンがあり、駆動方式はFFと4WDをラインアップ。

ハイブリッドは、最高出力112kW(152ps)/5,700rpm、最大トルク206Nm/4,400〜4,800rpmの2.5L 直4(レギュラーガソリン仕様)エンジンに、105W(143ps)/270Nmを発生する電動モータ―の組み合わせ。ハイブリッドの4WDモデルは、リアに68kW(50ps)/139Nmの電動モーターが追加されます。

いっぽうガソリンモデルは、最高出力134kW(182ps)/6,000rpm、最大トルク235Nm/4,100rpmの2.5L直4がレギュラーガソリン仕様でトランスミッションはCVT。最高出力221kW(301ps)/6,600rpm 、最大トルク361Nm/4,600〜4,700rpmの3.5L V6がハイオクガソリン仕様で、トランスミッションは8速ATがそれぞれドッキングされます。

室内は7人乗りと8人乗り仕様があり、8人乗りはセカンドシートが3人掛けの6:4分割チップアップ式(ベンチタイプ)、7人乗りは左右で独立したキャプテンシートでエグゼクティブタイプもチョイス可能です。

サスペンションの動きが良く、背が高く大きなボディからは想像できないほどハンドリングが気持ち良く、同乗者だけでなくドライバーも楽しめるミニバンといえるでしょう。

高速道路でアルファードが後ろから迫ってきたら、すぐに道を譲るよう筆者は心掛けています。

パワートレインの違いで変わる装備に注意。日産 セレナ

日産 セレナの歴史は古く、1991年に発売されたバネットセレナまでさかのぼることができます。それまではバネットコーチというモデルがあり、商用車としてもヒットしていました。

初代の駆動方式はFRで、1999年発売の2代目からは現在と同じFFになりました。その後進化を繰り返し、現行モデルは2016年に発売された5代目です。

パワートレインは、4代目から採用されているスマートシンプルハイブリッドと、e-POWERの2種類。

e-POWERはノートやキックスにも採用されている形式で、1.2L直4エンジンで発電し、その電力を使って100kW(136ps)の最高出力と、320Nmの最大トルクを発生する電動モーターで走ります。このためトランスミッションも必要なくギヤチェンジもありません。

いっぽうのスマートシンプルハイブリッドは、いわゆるマイルドハイブリッドで、エンジン本体の外にありベルトで連結される発電機も兼ねた1.9kW(2.6ps)/48Nmの電動モーターがエンジン始動や加速時の補助を行います。その本体となるエンジンは2.0L 直4で、最高出力110kW(150ps)/6,000rpm、最大トルク200Nm/4,400rpmに、トランスミッションはCVTです。

乗車定員は7人と8人が用意されますが、スマートシンプルハイブリッドモデルは8人乗り専用で4WDの設定あり。いっぽうe-POWERモデルは4WDの設定がなく乗車定員も7人乗りのみとパワートレインによって異なっています。

日産の誇るADAS(運転支援技術)のProPILOT(プロパイロット)も装備されていて、高速道路での前車との車間距離と車線内の中央維持走行をアシスト、長距離運転の疲労を軽減します。

またハンドリングは軽快で、とくにe-POWERは電動モーターの強みである停止時からの発進加速にストレスがなく、7人フル乗車時など総車重が重くなったときにも気持ち良く加速してくれます。

まるも 亜希子さんが選ぶ!ミニバンおすすめトップ3

頼れるファミリーカー。日産 セレナ

小さなお子さんのいる子育てファミリーで、比較的3列目シートを使うことが多いというユーザーにオススメなのが、セレナ、ノア/ヴォクシー、ステップワゴンの御三家が揃うミドルクラスミニバンです。

そのなかでイチオシが、セレナです。いちばんの理由は、上下に二分割されてそれぞれで開閉することができるリアゲート。これが、急いでいる時や後ろが壁の駐車場などの狭いところで、荷物の出し入れを劇的に便利にしてくれるのです。

子どもを抱っこしたまま、買い物袋やバッグなどを積む際にも、腰をかがめなくても片手で上半分だけ開けてサッと出し入れできるのは、本当にありがたいもの。大きく重いリアゲートを開けるのはけっこう重労働なので、助かりますよね。

そしてセレナは、2列目と3列目の快適性を同等にしようと、折りたたみテーブルやUSBポートを3列目にも装備したほか、3列目に座った人が自分でスライドドアを開閉できるスイッチも設置。

さらに2列目のシートベルトをシート一体型にしたことで、3列目へのアクセスをスムーズにしています。

ロングドライブをラクに安全にサポートしてくれる先進の安全運転支援システムのProPILOT(プロパイロット)や、発電専用のエンジンでモータードライブができるe-POWERも選べて、いろんなファミリーの要望に応えてくれるのがセレナだと思います。

変わるものがない特別なミニバン。三菱 デリカD:5

子どもと一緒にキャンプやアウトドアスポーツなど、アクティブな休日を過ごしたいというファミリーにオススメしたいのが、三菱のデリカD:5です。

ミニバンにSUVの要素を取り入れている希少な存在で、ダカールラリーのサポートカーとして、過酷な道なき道を走りきる実力の持ち主は、ちょっとやそっとじゃビクともしない堅牢なボディ、本格SUVもびっくりの最低地上高185mm、デパーチャーアングルなどの脱出性能も見事です。

2.3L直4ディーゼルターボエンジンは、型式が同じなので一見わかりにくいですが、旧世代のものと違って中身のほとんどが新設計。出だしから丁寧になめらかに加速し、低速から粘りのある力強さを発揮して悠々と走ってくれます。

エンジン音がほとんど室内に入ってこないほど、静粛性もアップ。ボディ全体のカタマリ感も素晴らしく、頑丈な巣の中で守られているような安心感はミニバン随一でしょう。

基本的な設計は古いので、たとえば3列目シートの格納操作は女性ではちょっと厳しいくらい重かったり、最新のミニバンにはおよばないところもありますが、”スライドドアのついたSUV”的なミニバンと呼べるのは、デリカD:5だけ。ハマれば家族の一生の相棒にもなれる存在だと思います。

使い勝手と信頼性も魅力。ホンダ フリード

広い室内は欲しいけど、あんまり大きなミニバンは運転したくない、3列目も年に数回使う程度という子育てファミリーにイチオシなのが、5ナンバーサイズの3列シートミニバンであるホンダ フリードです。

6人乗りと7人乗りがあり、室内は驚くほどゆったり。とくに6人乗りは、2列目がセパレートシートでセンターウォークスルーもできるので、雨の日などにいちいち車外に降りなくても、子供のお世話や荷物の出し入れができて便利なんです。

またフリードはマイナーチェンジでボディ剛性から走りまでしっかり磨いており、たとえフル乗車で高速のカーブを曲がっても、そのガッシリ感としなやかな足さばきは見事なもの。

これは「コンパクトカーの延長」と考えているのではなくて、「小さくてもちゃんとミニバン」という意識で開発しているから。

さらにSUVテイストのクロスター(CROSSTAR)では、そうしたデザインの代名詞ともいえる樹脂製のホイールアーチは「付けてしまうとボディサイズが拡大して、取り回しが悪くなってしまう」という理由から、あえて装着を見送っています。

見た目よりも、ユーザーが安心して運転できることを優先する、そんな真面目な作りから生まれる信頼感もファミリーにオススメする理由です。

小鮒 康一氏が選ぶ!ミニバンのおすすめトップ3

走行性を損なわない、マツダらしいミニバン。マツダ MPV 23T

現在は残念ながらラインナップにミニバンはなく、3列シート車はSUVのCX-8のみとなってしまったマツダ。しかし「Zoom-Zoom」という走る歓びを表したコーポレートスローガンが表す通り、マツダと言えば走りの良さに定評のあるメーカーとなっています。

それはロードスターや過去に存在していたロータリーエンジン搭載車のようなスポーティなモデルだけでなく、コンパクトカーのMAZDA2からフラッグシップセダンのMAZDA6、そして多くのSUVモデルにも通じるものがあるのは多くの人がご存知のことでしょう。

そんなマツダが過去にリリースしていたミニバンも、やはり走りの面もおろそかになっていないという美点があります。なかでも個人的に推したいのが、2006年にデビューした3代目のMPVです。

2代目まではV6 3.0LエンジンをラインナップしていたMPVですが、ダウンサイジングの流れによって直列4気筒の2.3Lへとエンジン排気量をダウン。そのなかに動力性能を求めるユーザー向けに、ターボを搭載した23Tというグレードを用意しました。

このグレードに搭載されたエンジンは、かの有名なマツダスピード アテンザやマツダスピード アクセラにも搭載されたもの。さすがにチューニングこそミニバン向けに変更されていますが、最高出力180kW(245ps)/5,000rpm、最大トルク350Nm(35.7kg・m)/2,500rpmというスペックは必要十分でした。

またターボモデルは8人乗りとなりますが、通常はセカンドシートがキャプテンシートのスタイルをしており、有事の際のみ補助席的にシートが出てくるというギミックも推しのポイントです。

高級ミニバンの礎を築いた。日産 エルグランド(2代目)

高級ミニバンの元祖として、鳴り物入りで1997年に登場した日産のエルグランド。当時の人気はすさまじく、先行していたトヨタ グランビアも慌ててエルグランドに倣った改良をしたものの、まったく歯が立たなかったという逸話もあるほどです。

しかし、2002年にエルグランドがフルモデルチェンジをするタイミングで、トヨタは新たにアルファードを投入。日本のユーザーを研究し尽くしてリリースされたアルファードは、またたく間にエルグランドの市場を食い尽くしてしまったのです。

とはいえ2代目エルグランドもクルマ好き目線で見れば、魅力的な部分が多いのもまた事実。特に室内空間を優先した前輪駆動となったアルファードに対し、初代と同じくFRレイアウトを採用したエルグランドは確実に運転していて楽しいミニバンに仕上がっていたのです。

搭載されるエンジンも、アルファードは2.4Lを4気筒とすることで価格を抑えていましたが、エルグランドは後から追加した2.5LモデルもV6のまま。既存の3.5Lも含め、名機と歌われたVQ系エンジンであることもマニア的には嬉しいところです。

またオーテックジャパンからは、ライダーをベースに走りの部分に磨きをかけた「パフォーマンススペック」と「ハイパフォーマンススペック」も投入。ボディ補強と専用足回りで走り部分をアップグレードしたほか、ハイパフォーマンススペックに至ってはポート研磨や専用ECU、ギア比変更まで実施したガチ仕様でした。

北米市場を意識したLサイズミニバン。ホンダ ラグレイト

先日、2021年12月をもって現行型の生産が終了することがアナウンスされたオデッセイ。今後の去就が気になるところですが、じつはアメリカ市場では根強い人気を誇っています。

といってもアメリカで販売されているオデッセイは、日本で販売されているのとはまったくの別物。そもそも1994年に登場し、業績が低迷していたホンダの救世主となった初代オデッセイですが、アメリカ市場では“ボディも排気量も小さい”という評価でした。

そこで、2代目からは日本とアメリカで袂を分かつことになり、同じオデッセイでも日本国内と北米では異なるモデルが販売されていたというわけです。

そんな北米版オデッセイですが、2代目モデルに関しては日本でも試験的に販売がされていました。それが、1999年にリリースされたラグレイトです。

現行型アルファードよりも大きなボディに3.5LのV6エンジンを搭載していたラグレイトですが、クルマ作りはアルファードのように高級さを売りにするのではなく、あくまで実用性を重視した広大な室内空間が魅力のミニバンで、どちらかというとハイエースなどをトランポ代わりにするユーザーにオススメしたいモデルです。

ただし、強力な3.5L V6エンジンに足まわりには4輪ダブルウィッシュボーンを採用するなど、大柄なボディに似合わずハンドリングもよく、走らせて楽しいミニバンに仕上がっていました。

年式も古く手ごろな価格の個体が多いのも魅力ですが、ATミッションが弱いという弱点があるため、購入するときは変速ショックがないかを確認しておきたいところです。
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