中古で買える軽トールワゴン/バンのおすすめランキング18選【自動車目利き人が厳選】

N-WGN honda 2019

「車種が多すぎて、どんな基準で買ったら良いのかわからない」「見た目優先で選んでしまうと失敗しそう」「プロがおすすめする国産の軽トールワゴン/バンを中古で買いたい」などなど、アタマを悩ませている方々に向けて、これまで何百車種と乗ってきた自動車ジャーナリストたちが、おすすめする軽トールワゴン/バンを厳選してお届けします。

軽トールワゴン/バンが欲しいけど、車種選びで迷っている、まだどんな車種を買ったら良いのかわからないという方は、愛車選びの参考にしていただければと思います。

文・松田 秀士/まるも亜希子/三好 秀昌/小鮒 康一/斎藤 聡/橋本 洋平

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【目利き人】松田 秀士氏が選ぶ!軽ワゴン/バンのおすすめトップ3
先進装備や安全性の面でもおすすめ。三菱EK クロス スペース
乗り心地のいいハイトワゴンならホンダ N-WGN
クロスオーバーモデルだからこそ持てる性能。スズキ ハスラー
【目利き人】まるも亜希子さんが選ぶ!軽ワゴン/バンのおすすめトップ3
現時点では非の打ちどころがない!日産 デイズ
ファミリーカーとして考え抜かれたダイハツ タント
ミニバンやコンパクトカーからの乗り換えにもおすすめ。ホンダ N-BOX
【目利き人】三好 秀昌氏が選ぶ!軽ワゴン/バンのおすすめトップ3
軽のクルマ作りを変えた元祖トールワゴン。スズキ ワゴンR
使い方次第で遊び方も広がる。ホンダ N-VAN
メーカーの歴史に思いをはせる。スバル 360カスタム
【目利き人】小鮒 康一氏が選ぶ!軽ワゴン/バンのおすすめトップ3
やはり王者は外せない。ホンダ N-BOX
一度使うと手放せないプロパイロット装備。日産 ルークス(2代目)
SUVテイストを盛り込んだ唯一の軽トールワゴン。スズキ スペーシア ギア
【目利き人】斎藤 聡氏が選ぶ!軽ワゴン/バンのおすすめトップ2+1
4WDのセッティングが光る。日産 デイズ/三菱 EKワゴン
自分のために買いたい。ホンダ N-VAN
無理は承知。でも推したい1台。スバル R1
【目利き人】橋本 洋平氏が選ぶ!軽ワゴン/バンのおすすめトップ3
もう“軽自動車だから…”なんて発想は捨てるべき。日産 ルークス
走りにうるさいお父さんも納得の乗り味。ホンダ N-BOX
クルマを手にしたらアレもコレも…想像が膨らむ。ホンダ N-VAN

【目利き人】松田 秀士氏が選ぶ!軽ワゴン/バンのおすすめトップ3

先進装備や安全性の面でもおすすめ。三菱EK クロス スペース

デリカD5似のフロントマスクは、軽自動車のなかでもなかなか強そうで異彩を放っている三菱 EK クロス スペース。このモデル、三菱と日産の合弁会社NMKVによって開発されたクルマで、日産ではルークスとして発売されています。

駆動方式は4WDと2WDが設定されていて、エンジンはそれぞれターボとNAがチョイスできます。ターボは最高出力47kW(64ps)/5,600rpmに最大トルク100Nm/2,400-4,000rpm、NAは38kW(52ps)/6,400rpm と60Nm/3,600rpmというスペックで、トランスミッションはCVTです。

全車リチウムイオン電池によるマイルドハイブリッドで、2.0kW(2.7ps)/40Nmを発生するモーターは、回生(発電)および駆動アシスト、始動やアイドリングストップからのスターターの役割も担っています。

サスペンションは適度に柔らかく、かといってハンドリングに重要なダンピングの効いたしっかり感もあるもの。特に4WDモデルはリヤサスにトルクアーム式3リンクを採用していて、後席での乗り心地もワンクラス上の快適なものにしています。

さらにオプションで日産がノートやセレナも採用するプロパイロットの三菱版「マイパイロット」の装着も可能で、ステアリング右側のボタンを押し速度セットするだけで、高速道路で車線内の真ん中をキープして前車に追従。

室内は、運転席から助手席を前側に倒すことができる機能もオプションで用意され、ベビーカーなど後席へのちょっとしたアクセスを容易にしています。

乗り心地のいいハイトワゴンならホンダ N-WGN

N-BOXの背を低くしたハイトワゴン。背は適度に高くスーパーハイト系よりも低いのでハンドリングがナチュラルです。

このレベルの全高の軽自動車は横転予防の観点からサスペンションは硬く、ステアリングをたくさん切ってもフロントタイヤはあまり切れないというモデルが多いのですが、N-BOXはそのすべてにおいて逆。

サスペンションはソフトでしなやかに動き、乗り心地がとても良いのです。しかも高速域で4輪が路面に吸い付いているかのようなしっかりとした安定感があり、スポーティに走らせても安定性を損ないません。

インフォメーションディスプレイにタイヤ角度モニターを表示して、タイヤがどの方向をどの程度向いているかを表示します。初心者や女性の駐車などに役立ちます。

またホンダセンシングを標準装備し、衝突軽減ブレーキが夜間の歩行者も認識。ACC(アダプティブクルーズコントロール)+LKAS(夜戦維持システム)は、車線内中央維持をアシストし前走車を追従し、停止までサポートします。さらにホンダ方式はLKASを単独使用も可能です。

さらにリヤゲートを開けば低床なので、荷物の出し入れがスムーズでラクチン。走り出せばこれまでの軽自動車とは一線を画す室内の静粛性があります。

クロスオーバーモデルだからこそ持てる性能。スズキ ハスラー

スズキ ハスラーは、軽クロスオーバーというジャンルに属します。SUVなのか?ハイトワゴンなのか?と、筆者もちょっと迷ってしまうのですが、その多様性もハスラーの魅力と考え、このパートに選んでみました。

ベースとなっているワゴンRに比べて車高が高く、もちろん4WD仕様もラインアップされているので豪雪地帯など広範囲に人気の高いモデルです。

まず内外のデザインがとても魅力的です。特に運転席に腰を下ろしたときに目に飛び込むインパネは、JeepなどアメリカンSUVをモチーフとしたかのようなクロスオーバー感いっぱいの楽しくなるようなデザインです。

エンジンには、NAとターボの2種類が設定されていますが、注目は新開発されたNAエンジン。CVTとの組み合わせでWLTCモード燃費25.0kmを達成しています。

それにはハイブリッドであることも見逃せません。機構はいわゆるマイルドハイブリッドで、最高出力36kW(49ps)/6,500rpm、最大トルク58Nm/5,000rpmのエンジンに、1.9kW(2.6ps)/40Nmのモーターを搭載。※ターボは47kW(64ps)/98Nmでモーター出力2.3kW(3.1ps)/50Nm。

その走りはとてもスムーズで室内静粛性も高く、SUVぽい重厚感と落ち着きのある乗り心地です。LKAはありませんが、ACCは渋滞停止まで全速度域で前車に追従することができます。

【目利き人】まるも亜希子さんが選ぶ!軽ワゴン/バンのおすすめトップ3

現時点では非の打ちどころがない!日産 デイズ

女性が軽自動車を選ぶ理由のひとつに『運転しやすそう』というイメージがあると思います。日産 デイズを取材した際に、強く印象に残ったのがその“運転のしやすさ”と“安心できる操作感・走り”を追求して開発されていたことでした。

たとえばシフトレバーは、女性の小さな手でも握りやすい角度と大きさに。ペダルの角度も小さな足でしっかりブレーキが踏み込みやすく、かつ微妙なアクセル操作がしやすいように調整。視界も広く、ハンドルは最近主流の船底型ではなく、あえて初心者でも感覚が掴みやすい従来の丸型を採用しています。

実際に運転してみると、なるほどすべての操作がスムースにでき、自然吸気エンジンの加速もなめらかで気持ちよく走れるものでした。

さらにインテリアは、落ち着いたカラーとモダンで洗練されたデザインをベースに、見せる収納と隠す収納を使い分けて、スッキリとした車内を実現。ドアに車検証専用のポケットが装備されているのも気が利いているし、車内で日焼け止めを塗ったりヘアスタイルを直したりするときに、ちょっとした小物が置けるテーブルなど、女心をよくわかっています。

またロングドライブをする人には、軽自動車初の0-100km/hで作動するACC(アダプティブクルーズコントロール)の「プロパイロット」が心強いし、緊急時の通報もできる「SOSコール」もあって安心。見てよし、乗ってよし、使ってよしの三拍子揃った優秀トールワゴンです。

ファミリーカーとして考え抜かれたダイハツ タント

小さな子供がいて少しでも子育てをラクにしたい。付き添いが必要な高齢の両親などを頻繁に乗せる、という方にオススメなのが、ダイハツ タントです。

長らく子育てファミリー向けアプローチで訴求してきたタントが、現行モデルで挑戦したのが介護世代への提案でした。

助手席側センターの柱をドア埋め込み式にしたミラクルオープンドアで、自然な姿勢での乗り降りを可能にしたことにくわえ、乗り降りで重宝するグリップや、ドアの開閉に合わせて展開するオートステップを追加装着(オプション設定)すれば、”自分で乗り降りできた”という喜びが要介護者のモチベーションとなり、介護する側の苦労を軽減することにもつなげます。

また世界で初めて54cmもの超ロングスライド機構を運転席に装備し、後席のそばまで下げられるようにしたことで、後席に座る子供のお世話がグッとラクに。そのままウォークスルーして、一緒にリアドドアから降りることもできるので、いちいち車外から回り込む手間も無くなります。

キーを持っていれば近づくだけでスライドドアが開いたり、閉まり切るまで待たなくてもロック(予約)ができたりと、ムダ時間やイライラも解消。これが、どれほどありがたいことか、子育てや介護の大変さを知っている方ならわかるはず。

走行性能も以前よりずっと安心感がアップして、運転支援機能も充実したタントは、日常をサポートしてくれる相棒のような存在です。

ミニバンやコンパクトカーからの乗り換えにもおすすめ。ホンダ N-BOX

軽自動車では、6年連続で新車販売台数ナンバーワン、全モデルでも4年連続でトップに輝くホンダ N-BOXなので、「もう知ってるよ」と言われそうですが、N-BOXは広さや便利さがスゴイだけでなく、“走り”も別格なのです。

とくにターボモデルは、コンパクトカーと比べても優位性を感じるほど。パワーはもちろん、剛性感、上質感、コーナリングの安定感など、スーパーハイト軽ではライバル不在。ミニバンやコンパクトカーからのダウンサイジングにもオススメしたいくらいです。

もちろん荷物の積みやすさもかなりの実力派。ホンダ独自の低床技術に加えて、軽く簡単に操作できるシートアレンジは、後席のスライドと他にはない座面跳ね上げ機能がポイントです。

駐車場でリアゲートが開けられないシーンって、けっこう多いのですが、そんなときは後席の座面を跳ね上げてスライドドアから荷物を積み込むことが可能。靴の履き替えや子供のオムツ替えなども、ぽっかり空いたスペースがあると助かります。

さらに前席の左右座面がほぼフラットなベンチシート仕様や、超ロングスライドでウォークスルーも可能となる助手席スーパースライドシート仕様、ラゲッジの床がスロープとして使えるスーパーフレックススロープを備えることで、ミニバイクや農機具はもちろん車いす乗車も可能としたスロープ仕様など、ユーザーのさまざまな趣味や生活スタイルにマッチするバリエーションも用意されています。

【目利き人】三好 秀昌氏が選ぶ!軽ワゴン/バンのおすすめトップ3

軽のクルマ作りを変えた元祖トールワゴン。スズキ ワゴンR

車名に”R”が付いたクルマといえば、ほぼ間違いなくスポーティーカーを思い浮かべてしまいます。GT-Rしかりシビックtype Rなどがそうです。

しかしスズキ ワゴンRとなると??? ポカーンとなりますね。

つい最近、会長を退かれた鈴木修さんの「ワゴンもある=‘ワゴンもあーる‘」という発言から、ノリで車名が決まったという逸話を持つ初代ワゴンRが画期的だったのは、”軽自動車だからしょうがない”というネガティブイメージからの脱却にあったように思います。

”居住性が悪ければ上にクルマを延ばせばいい”というありそうでなかった発想から生まれたトールワゴンは、他メーカーのクルマ作りにもおおきな影響をおよぼし、一大ブームにもなりました。

そんなワゴンRも、もうすでに6代目です。ボディ形状やデザインは、ある程度キープコンセプトで安定の人気を誇っています。

そのいっぽうで進化は、自動ブレーキや車線維持などの安全装備、シートヒーターなどの快適装備が盛り込まれるとともに、ハイブリット車はブレーキを踏んで停止する前(10㎞/h以下)に、エンジンオフになりアイドリングストップしているという周到さ。

いま、元祖トールワゴンは燃費にも優れたクルマとしても存在感を増しています。

使い方次第で遊び方も広がる。ホンダ N-VAN

2台目はホンダのN-VANです。ワゴンではなくバンです。その割り切りがこのようなアイディア満載のクルマを生み出した理由のひとつかもしれません。

しかしホンダというメーカーは、なんでこんなにかゆいところに手が届くような小ワザが得意なのでしょう。360㏄時代のステップバンもダッシュボードが机になったり、使う人の気持ちに寄り添う姿勢が明確です。N-VANもそんな創意工夫の塊です。

フルフラットシートを謳うクルマは多いですが、N-VANのフルフラットぶりに比べたらまだまだという感じです。

助手席まで折りたためば、2,635mmという奥行きを持つほぼ平らな空間が生み出され、助手席側フロントドアとピラーレスのスライドドアによる広い出入り空間は、大きな重いものの積載を簡単にしています。

安全装備のホンダセンシングが全車標準装備なのもいまの時代に合っています。

ライトキャンパーに仕立てて、週末ごとに車中泊しながら旅する、というような楽しい妄想が膨らんでくる。N-VANという素材は、仕事用でもレジャー用でも、アイデア次第で広がる大きな可能性を秘めています。

メーカーの歴史に思いをはせる。スバル 360カスタム

SUV(スポーツ・ユーティリティー・ヴィークル)という言葉が一般的になってはいますが、もともとはワゴンやバンやワンボックスの総称のようなものです。人も乗れて荷物も載せられる多目的車なのです。

かつてスバルには、360というクルマがありました。1960-70年代にかけて爆発的に売れただけあって、いまでもたまに走っているのを見かけます。まだ貧しかった日本で、誰もがクルマが買えるようにと、スバルが社運をかけて生み出したクルマです。

それでもこの時代、乗用車はまだまだぜいたく品です。そこでスバルも考えたのでしょう”荷物を詰めるワゴンも作ろう”と。そしてスバル 360のリヤ形状を変更してできたのが、カスタムというワゴンモデルです。

カタチだけを変えたおざなりのワゴンでないことは、サンバートラックの丈夫なリヤまわりを盛り込んだ耐久性が証明しています。

このスバル 360カスタムによって、平日は仕事、休日は家族でドライブ、というワゴン車によるライフスタイルが構築されていったのです

後年、スバルはレガシィ ツーリングワゴンで、爆発的なヒットを飛ばしますが、メーカーの歴史のなかにちゃんと布石があるような気がしました。

【目利き人】小鮒 康一氏が選ぶ!軽ワゴン/バンのおすすめトップ3

やはり王者は外せない。ホンダ N-BOX

6年連続日本でもっとも売れている軽自動車として、君臨している王者がホンダ N-BOXです。やはり軽のトールワゴンを狙う上では外すことができない実力を併せ持っていることは明白と言えるでしょう。

現行モデルは2017年登場ということで、すでに時間が経過したモデルではありますが、いまでも他メーカーの軽トールワゴンが販売台数でおよばないという事実が、N-BOXの実力が高いことを物語っています。

そんなN-BOXはやはりファミリー層を中心に高い人気を誇っていることは明白ですが、じつは1人で使うという点でも魅力的な部分を持ち合わせています。特に両側に備わるスライドドアは荷物の載せ下ろしなどにも有効ですし、電動スライドドアも一度使ってしまうと電動なしの生活には戻れないほど。

N-BOXをベースとしたN-VANが存在していることからも分かるように、趣味の相棒としても高いポテンシャルを秘めている1台というワケなのです。

ただ、人気のモデルということもあって中古車になってもなかなか価格が落ちないというのが悩みどころ。そこで個人的にオススメしたいのは、非カスタムの通常グレードです。

通常グレードとカスタムの違いは、おもに内外装の違いで、肝心なパワートレインや使い勝手に関わる装備はほとんど差がありません。そのため、スタート価格が安く、カスタムに比べるとやや人気薄の通常グレードの買い得感が際立ってきます。

一度使うと手放せないプロパイロット装備。日産 ルークス(2代目)

軽のトールワゴンを購入する層はファミリー層が多いということで、家族揃ってお出かけというシチュエーションも珍しくないハズ(昨今のご時世では難しい面もありますが)。

そんなとき、高速道路を使っての長距離移動というのは意外と疲れてしまうもの。特に背の高いトールワゴンでは横風の影響を受けやすいという弱点があるため、天候や走行ルートによっては緊張が続くドライブが強いられることも…。

また、休日などではどうしても渋滞にハマってしまうことが多々あり、ストップ&ゴーの繰り返しでブレーキとアクセルを踏んだり離したりという動作も、地味に疲労に繋がってしまいます。

そんなときに心強い装備が日産 ルークス(2代目)の一部グレードに備わっている「プロパイロット」です。これは従来のアダプティブクルーズコントロールのように、前走車の走りに合わせて速度の調整をしてくれるだけでなく、ステアリング操作のアシストもしてくれるスグレモノ。

渋滞のときも停止保持までしてくれるため、わざわざブレーキペダルを踏み直す必要もなく、一定時間停止状態が続いた後の発進も、ステアリングのスイッチ操作ひとつということで、非常に楽チンなのです。

もちろん自動運転とは異なりますから、最終的にはドライバーが判断して操作をしなければならない部分もありますが、ある程度までクルマ側がコントロールしてくれるという点は明らかに疲労の度合いが小さく、一度体感してしまうともうプロパイロットなしのクルマには乗れないと言っても過言ではないほどでしょう。

SUVテイストを盛り込んだ唯一の軽トールワゴン。スズキ スペーシア ギア

ここのところ軽自動車をベースとしたカスタムで流行しているのが、“アゲ系”と呼ばれるもの。これはどういうカスタムなのかというと、軽トラックや軽ワンボックスをベースに少し車高をアップしてオフロード系のタイヤを履かせるというもの。

これによってSUV風のワイルドなテイストがクルマに与えられ、アクティブな雰囲気を楽しむことができるといったワケです。最近では軽トラや軽バンだけでなく、ベーシックな軽自動車をベースとするケースも増えており、手軽に楽しめるカスタムのひとつとなってきているのです。

そんなSUVテイストを持った軽自動車をメーカーみずから作り上げてしまったのが、2018年にスペーシアの派生モデルとして登場したスズキ スペーシア ギアです。

これはスペーシアをベースとして、クラシカルな丸目ヘッドライトやSUVを思わせるバンパー形状をプラスしたもので、車高アップなどはなされていないものの、タフでワイルドな雰囲気を上手く作り上げています。

もともとスペーシア自体がスーツケースをモチーフとした遊び心のあるデザインをまとっていたこともあって、スペーシア ギアになってもその楽しそうな雰囲気は不変。

また、全車ハイブリッド仕様となっている点やターボとNAが選べる点なども痒い所に手が届くといった感じで、実用性は確保しながらも人とはちょっと違ったクルマに乗りたいという人にもオススメできる1台ではないでしょうか。

【目利き人】斎藤 聡氏が選ぶ!軽ワゴン/バンのおすすめトップ2+1

4WDのセッティングが光る。日産 デイズ/三菱 EKワゴン

日産 デイズの2代目登場から、一気に軽自動車のハイクオリティ化が加速したように思います。実際、骨格がしっかりしていて、乗り心地が良く、ADAS(エーダス)と言われる先進ドライブアシスト機能も充実していて、街中ならこれで十分、なんなら往復250キロ程度の1デイドライブも快適に行って来られます。

そんなデイズのなかでもおすすめなのが4WDモデルです。正直言うと、4WDモデルはFFに比べてちょっと乗り心地が硬めです。それが嫌なら選ばないことが吉かもしれません。

その代わりといってはなんですが、4WD性能が抜群です。前輪駆動をベースにしたビスカスカップリングを使った軽自動車ではよくあるタイプなのですが、このビスカスカップリングの粘性が硬めの設定で、びっくりするくらいリヤに駆動力がしっかりかかるのです。

聞けばランエボのセンターデフ+ビスカスに使われていた、粘性を高くしたビスカスカップリングと同じタイプが使われているとのことです。

現行デイズ/EKワゴンは、日産と三菱共同出資会社のNMKVで作られたクルマで、現行モデルに関しては日産チーム主導で作られたといわれています。ただ4WDに関しては、三菱がイニシアチブをとって作ったそうで、4WDの味付けはトラクションや操安性重視の三菱風味を感じるセッティングになっています。

自分のために買いたい。ホンダ N-VAN

やるなホンダ…。現行型ホンダ N-BOXを初めてみたとき、思わずそんな言葉をつぶやいてしまったのでした。

いまさら説明の必要もないかもしれませんが、このクルマ、完全に振り切れてます。豪華で快適でフル装備というのが最近の軽のトレンド(?)なのに、N-VANときたらひたすら簡素。内装なんて端から付けるつもりがなかったでしょ?というレベル。

でも、そこにラックをつけたり、パネルを張ったり、アングルを組んで収納スペースを作ったり、なにしろ自由器自在に室内がアレンジできるのです。

半引きこもりのオジサン(私のことです)が見ても、このクルマにアレやコレやを積み込んで遊びに行ったら楽しいんじゃないか…という気分にさせくれるほどです。

リアシートはもちろん助手席シートも簡素でクッションが少ないから、皆でワイワイ出かけるクルマではありません。その割り切り具合さえいさぎよく好感が持てます。それでいながら、Nシリーズの地をいっているため最新のドライブアシスト系は充実。オートクルーズコントロールはもちろん、レーンキープアシストもついています。

じつは骨格がしっかりしているので走っていて華奢な感じは一切ないし、乗り心地も良好です。誰かのためじゃなく“自分のための便利な道具”、N-VANはまさにそんなわがままなクルマなのです。

無理は承知。でも推したい1台。スバル R1

これは軽トールワゴンじゃありませんが、どうしてもその存在をみなさんに知って欲しいので、あえて強引に推薦します。スバルR1です。一部に強烈な支持者がいるいっぽう、発売当時は価格の高さからてんで売れず、失敗作のレッテルを貼られてしまった不遇のクルマです。

でも、強く言いたいのは売れるクルマだけがいいクルマではないってことです。カタチを見ても分かる通り、このクルマはスバルの原点ともいえる名車スバル360をモチーフにして作られていて、まじめで頑固こだわりの強いスバルのエンジニアの作品といった匂いがプンプンします。

そもそもエンジンからして、登場した2005年当時、周囲のライバルは皆3気筒エンジンに変わっていたのに、しれッと4気筒DOHCと4気筒DOHCスーパーチャージャー付きを搭載してきたのです。

その緻密で精巧なエンジンフィールは、スバルファンならそれだけでご飯が3杯くらい食べられるほど…。まじめな話、当時の軽自動車は、華奢な乗り味と多少のエンジンの振動は軽自動車だから仕方ないと考えられていたのですが、R1はいかにも堅牢そうなボディの剛性感があって、操縦性もカチッとしたものでした(特にスーパーチャージャーモデル)。

登場するのが早すぎました。いまならもっと好意的に受け入れられたのではないかと思います。

【目利き人】橋本 洋平氏が選ぶ!軽ワゴン/バンのおすすめトップ3

もう“軽自動車だから…”なんて発想は捨てるべき。日産 ルークス

軽自動車であることを言い訳にせず、欲しい装備のすべてを手にしたといっても過言じゃないのが、日産のルークスだと感じます。

そもそもなんでもアリのスーパーハイトワゴンであるこのクルマは、Bピラーを前寄りにすることで両側スライドドアは650mmという大開口を実現。足を車体下にかざすだけで開閉可能なハンズフリーオートスライドドアを装備しています。

室内高は1,390mmと高く、ゆったりとした世界観。天井にはシャープのプラズマクラスターをセットすることも可能です。また、プレミアムグラデーションインテリアは軽自動車とは思えない上質さがあり、子供も大人もニッコリの空間がそこに広がっています。

さらに運転を支援してくれる全車速で対応可能プロパイロットは、高速巡行&渋滞走行では疲れ知らず。ステアリングをきちんとアシストしてくれるため、クルマは矢のように真っ直ぐ突き進む感覚があり、スーパーハイトワゴンにありがちなフラつきも気にならないところが好感触です。

乗り心地も走りも両立するシャシーがあってこその世界観だと思います。また、事故や急病時に専門のオペレーターにつながるSOSコールボタンを天井に備えているサポート体制も頼もしいですね。

エンジンはNAとターボの2種類がラインアップされますが、デイズに比べれば100kg以上重い車体になっているため、NAモデルではエンジンの唸り音が多く車室内に入る感覚は否めません。

10万円ほどアップになり、燃費もWLTCモードで2km/L劣るというネガはあるものの、遠出を考えるような方々であればターボモデルをオススメ。フル装備しちゃうと250万円オーバーになってしまうところは玉に瑕ですが、軽自動車というエクスキューズを撤廃してやりきったところがエライと思います!

走りにうるさいお父さんも納得の乗り味。ホンダ N-BOX

アダプティブクルーズコントロールが全車速で対応せず、30km/h以上対応というところが若干惜しいホンダ N-BOXですが、じつは走りにうるさいお父さんにはうってつけの仕上がりをしているところがこのクルマの良さだと思います。

旧型に対して、商品力アップのために装備は約70kgぶん増していますが、超高張力鋼板の使用率を高めるなどの努力によってボディやシャシーはマイナス150kgを達成。結果的に80kgもの軽量化をはたしています。

それだけで終わらず、ダンパーロッドはφ18mmからφ20mmへ拡大。リアにはようやくスタビライザーが与えられロールを軽減。Hビーム付け根のコンプライアンスブッシュをφ58mmからφ65mmへと拡大することで、入力をいなすことが可能になっています。

おかげで走ればステアリングを切り始めたと同時にリアが追従するイメージがあり、ドライバーとクルマとの一体感溢れる走りが展開可能です。

それでいて足まわりが突っ張った感覚も少なく、荒れた路面をしなやかにいなすことも可能な仕上がり。スーパーハイト系ワゴンはペタンとロールするか、突っ張ったあしでボディを規制してしまうかの2択が多かった印象ですが、このクルマにはそんなイメージがまったくありません。

オススメは軽自動車初となる電動ウエストゲートを採用したターボ。アクセルにたいしてリニアな吹け上がりが心地よいです。また、ドアライニングインシュレーターを追加したことで、防音性能や上質さを実現したカスタムグレードも滑らかな乗り味と静けさがマッチしていて好感触でした。

クルマを手にしたらアレもコレも…想像が膨らむ。ホンダ N-VAN

バンも推薦してOKだということなので、どうしても推しておきたいというか、個人的に気になっているのがN-VANです。まさにプロのために使い勝手優先で造られたこのクルマは、助手席側をドアインピラー構造とすることで開口幅1,580mmを実現。助手席とリアシートを畳めば2,635mmものスペース長が確保されます。

自転車でもミニバイクでも詰めるし、移動販売車も始められそうだし…、”プロ機材って凄い!”というのを、まじまじと見せつけられました。具体的にどう使うかを考えていなくても、ちょっと手にしてみたいと思える仕上がりがこのクルマには存在するのです。

運転席以外はかなりチープな乗り味ですが、1人で使うならそれも問題ナシ。その気になれば車中泊用のキットもホンダアクセスから販売されているみたいですし、使い方は無限大とはまさにこのクルマのことかもしれません。

今年の2月には運転支援システムのホンダセンシングを標準装備させたほか、フレームレッドとサーフブルーという新色も追加。その姿勢は、単なる商用車では終わらないという意思表示のようにも感じるところがあります。

もし自分で選ぶなら、気軽に動かせるけど面白みもあるS660譲りのNA・6MTを選択。ポップな外装色にして自転車かバイクでも積んでキャンプにでも行きたいですね。そんな想像が膨らむところが、このクルマの魅力だと思います。

松田 秀士|まつだ ひでし

モータージャーナリスト/レーシングドライバー

INDY500やル・マン24時間など豊富な海外レース経験と、スーパーGT選手権では100戦以上出場経験者に与えられるグレーデッドドライバーとしても表彰されている。自身が提唱する「スローエイジング」により、66歳のいまも現役のプロレーサーとして活躍中。執筆は、レース経験やメカニズム知見をもとにした幅広い知識による、分かりやすい文章表現を心がけている。昨年、中高齢者のための安全運転指南書「安全運転寿命を延ばすレッスン」(小学館)を刊行。浄土真宗本願寺派 僧侶、BOSCH認定 CDRアナリスト、日本カー・オブ・ザ・イヤー/ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

松田 秀士

まるも 亜希子|まるも あきこ

カーライフ・ジャーナリスト

映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリー(通称:ガゼルラリー)に参戦し、完走。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。
女性パワーでクルマ社会を元気にする「ピンク・ホイール・プロジェクト」、ジャーナリストによるレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表。近年はYouTubeチャンネル等で、ゆるく楽しいカーライフ情報を発信中。

まるも 亜希子

三好 秀昌|みよし ひであき

自動車評論家/ラリードライバー。

日本大学芸術学部写真学科卒業後、某出版社の契約カメラマンとして活躍するかたわら、試乗記事を国内ラリーに参戦。同時に某出版社で試乗記事も執筆するようになる。
国内でラリーの魅力に目覚め、1989年から渡英。同年よりイギリス国内選手権に三菱 ギャラン VR-4を駆って参戦。1991年には、イギリス国内選手権で年間2位の成績を収め、翌年からヨーロッパラリー選手権にステップアップ。当時のライバルには、故コリン・マクレーやトミ・マキネンなどがいた。また、この時期は自身のラリー活動と並行して、WRCに参戦する三菱ラリーアート・ジャパンのチームマネージャーも務めていた。
1995年からは、スバル インプレッサにマシンをスイッチしてWRCに参戦。1995-1996年サファリラリーグループNクラス優勝(※1995年はケニア国内選手権)を遂げ、スバルのサファリラリークラス7連覇に貢献した。
1999年のWRCサファリ参戦後、しばらく活動を休止していたが、2003年に全日本ラリー選手権2輪駆動部門に前年にデビューしたフェアレディZ(Z33)でエントリー。ターマックステージ中心の活動だったが、S30時代を彷彿とさせるカラーリングでも注目を集めた。
2007年になるとアフリカ大陸で開催されるFIAアフリカ選手権に、三菱 ランサーエボリューションで参戦。。翌2008年には、年間チャンピオンを獲得している。
などなど、華々しい経歴を持つ自動車評論家。豊富な経験による的確なドライビングと分析で、数々の自動車媒体に寄稿するかたわら、雪上ドライビングのインストラクターなども務めている。

三好 秀昌

小鮒 康一|こぶな こういち

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。
国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とするが、実は現行車へのチェックも欠かさない。また、中古車販売店に勤務していた経験も活かし、中古車系の媒体でも活動中。現行車を所持しながらも、NAロードスターも手放さないオールマイティな車愛が持ち味。

小鮒 康一

斎藤 聡|さいとう さとし

モータージャーナリスト。車両のインプレッションはもちろん、タイヤやサスペンションについて造詣が深く、業界内でも頼りにされている存在。多数の自動車雑誌やWEBマガジンで活躍中。某メーカーのドライビングインストラクターを務めるなど、わかりやすい解説も人気のヒミツ。日本自動車ジャーナリスト協会会員、日本カーオブザイヤー選考委員。

斎藤 聡

橋本 洋平|はしもと ようへい

学生時代や自動車雑誌編者時代から数々のレースに参戦。2003年にフリーランスとなり、業界トップクラスの速さを持つモータージャーナリストとして活躍。
2013年より86/BRZレースにも参戦、2019年はクラブマンシリーズEXPERTでチャンピオンを獲得。AJAJ会員、日本カーオブザイヤー選考委員

橋本 洋平
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