国産セダンのおすすめランキング9選【プロ厳選】中古で買えるお手頃・高級車をご紹介

スバル WRX STI

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「車種が多すぎて、どんな基準で買ったら良いのかわからない」「見た目優先で選んでしまうと失敗しそう」「プロがおすすめする国産セダンを中古で買いたい」などなど、アタマを悩ませている方々に向けて、これまで何百車種と乗ってきた自動車ジャーナリストたちが、おすすめする国産セダンを厳選してお届けします。

国産セダンが欲しいけど、車種選びで迷っている、まだどんな車種を買ったら良いのかわからないという方は、愛車選びの参考にしていただければと思います。

文・松田 秀士/三好 秀昌/小鮒 康一

松田 秀士|まつだ ひでし

モータージャーナリスト/レーシングドライバー

INDY500やル・マン24時間など豊富な海外レース経験と、スーパーGT選手権では100戦以上出場経験者に与えられるグレーデッドドライバーとしても表彰されている。自身が提唱する「スローエイジング」により、66歳のいまも現役のプロレーサーとして活躍中。執筆は、レース経験やメカニズム知見をもとにした幅広い知識による、分かりやすい文章表現を心がけている。昨年、中高齢者のための安全運転指南書「安全運転寿命を延ばすレッスン」(小学館)を刊行。浄土真宗本願寺派 僧侶、BOSCH認定 CDRアナリスト、日本カー・オブ・ザ・イヤー/ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

松田 秀士

三好 秀昌|みよし ひであき

自動車評論家/ラリードライバー。

日本大学芸術学部写真学科卒業後、某出版社の契約カメラマンとして活躍するかたわら、試乗記事を国内ラリーに参戦。同時に某出版社で試乗記事も執筆するようになる。
国内でラリーの魅力に目覚め、1989年から渡英。同年よりイギリス国内選手権に三菱 ギャラン VR-4を駆って参戦。1991年には、イギリス国内選手権で年間2位の成績を収め、翌年からヨーロッパラリー選手権にステップアップ。当時のライバルには、故コリン・マクレーやトミ・マキネンなどがいた。また、この時期は自身のラリー活動と並行して、WRCに参戦する三菱ラリーアート・ジャパンのチームマネージャーも務めていた。
1995年からは、スバル インプレッサにマシンをスイッチしてWRCに参戦。1995-1996年サファリラリーグループNクラス優勝(※1995年はケニア国内選手権)を遂げ、スバルのサファリラリークラス7連覇に貢献した。
1999年のWRCサファリ参戦後、しばらく活動を休止していたが、2003年に全日本ラリー選手権2輪駆動部門に前年にデビューしたフェアレディZ(Z33)でエントリー。ターマックステージ中心の活動だったが、S30時代を彷彿とさせるカラーリングでも注目を集めた。
2007年になるとアフリカ大陸で開催されるFIAアフリカ選手権に、三菱 ランサーエボリューションで参戦。。翌2008年には、年間チャンピオンを獲得している。
などなど、華々しい経歴を持つ自動車評論家。豊富な経験による的確なドライビングと分析で、数々の自動車媒体に寄稿するかたわら、雪上ドライビングのインストラクターなども務めている。

三好 秀昌
Chapter
国産セダンのおすすめトップ3【三好 秀昌氏】の厳選
ホンダらしいアイディア満載の高級セダン。ホンダ レジェンド
スバル WRX STI:しごく便利なハイパフォーマンスセダン
三菱 ランサーエボリューション IX:世界トップクラスの技術を味わえる
国産セダンのおすすめトップ3【松田 秀士氏の厳選】
安全に早く移動できる最新技術満載の日産 スカイライン HV
レクサス IS250/350 Fスポーツ:ノーマルのISとはひと味違った乗り味が魅力
マツダ 3:デザイン、質感、走りをおおきく引き上げた車
国産セダンのおすすめトップ3【小鮒 康一氏の厳選】
日産 スカイライン(V37):ハイブリッドには最新のプロパイロットを搭載
トヨタ カローラ(12代目) :オジサンイメージを脱却したコンパクトセダン
日産 フーガ 450GT(Y50):一度は乗っておきたいハイパワーサルーン

国産セダンのおすすめトップ3【三好 秀昌氏】の厳選

ホンダらしいアイディア満載の高級セダン。ホンダ レジェンド

ここ数年、国産セダンは不調です。それなりのニーズはあると思うのですが、トヨタ クラウンでさえ次期モデルはSUVっぽくなるなんて噂さえ出ています。

そんなセダン不遇時代のなか、私が選んだ最初の1台はホンダ レジェンドです。ホンダ車のなかでも重要な立ち位置にいるモデルであり、最近、日本初のレベル3自動運転車として型式認定を受けて、にわかに注目を集めました。

しかし私が惹かれる理由はそこではなく、ホンダらしいアイディアの詰まったスポーツ・ハイブリッドSH-4WDが搭載されていることです。

そのハイテクさは、駆動方式にも表れています。リヤに2つのモーターを持っているので、リヤ駆動でEV走行ができます。またエンジン効率がいい高速クルージングでは前輪駆動になります。そして急加速や滑りやすい路面ではエンジン(前輪)とモーター(後輪)が協調して4輪駆動となるのです。

このリヤの2モーターがキモで、左右輪のトルクを変えることによって、トルクベクタリングを生み出すのです。

この効果はコーナリングで現れます。ドライバーのステアリング操作量が少ないまま、レジェンドはスムーズ、そしてシャープにコーナーをクリアしてしまうのです。なんか自分の運転が上手くなったような不思議な感覚をもたらしてくれます。

そして進化と逆転の発想として、現行型NSXにはスポーツハイブリッドSH-4WDシステムを180度回転させたレイアウト(フロントにモーター、リヤはエンジン駆動の4WD)が採用されて、輝き続けているのです。

スバル WRX STI:しごく便利なハイパフォーマンスセダン

ついに、生産販売が終了したスバル WRX STI。"安全"のスバルになる前の"走り"のスバルとして、WRC(世界ラリー選手権)に邁進している時代からパワフルに生き続けてきたクルマです。

その乗り味はあくまでもスパルタンで、ターボパワーと6MTを駆使し、走らせるドライバーズカーです。

このクルマ、速いだけでなく使い勝手がいいのは、この原稿のお題でもある“4ドアセダン”である点です。クルマの内容的には優れた4WD機構を持つスポーツカーなのですが、シルバーのおとなしいボディカラーを選べば冠婚葬祭あらゆるシチュエーションで使えます。

こんな便利なハイパフォーマンスカーは、世界を見渡してもそうそうありません

とはいえ、このクルマが真価を発揮するのは、なんと言ってもワインディング。それも高速コーナーが続くハイスピードコースです。ニュルブルリンクサーキットから生まれた味付けは、日本の公道ではなかなか本領発揮といきませんが、ミニサーキットなどを走ると、すばらしいロードホールディングに感動します。

ホモロゲーションマシン(国際ラリーに出場するための公認)として、ラリーマシンに極力近いカタチで市販されていたこともラリーファンに愛された一因でした。いまはWRXというネーミングがこれで終わってしまわないことを切に願うばかりです。

三菱 ランサーエボリューション IX:世界トップクラスの技術を味わえる

そしてもう1台は、いつもWRXのライバルとして名前が挙がってくる三菱 ランサーエボリューション。なかでもシリーズ中、もっとも完成度が高いと思われるエボリューションⅨをフィーチャーしました。

理由は、タフでトルクフルな4G63型エンジン搭載の最後のエボで、そのエンジンにはMIVEC(可変バルブタイミングリフト機構)も組み込まれています。しかし一番のトピックは、エボリューションⅦから採用されたACD(アクティブ・センター・デフ)にあります。

個人的には、量産4WDカーをスムーズに速く走らせる機構として、世界最高峰の技術だと思います。このような装備は、ほかにはWRCを走るワークスラリーマシンにしか搭載されていないのです。

基本的な考えはシンプルです。曲がりたいときはセンターデフをフリーに、安定させたいときやフルパワーを掛けたいときはロックにするというロジックで、ときとして曲がらない4WDのネガティブな部分を一掃させるシステムです。

路面やドライバーの操作、好みに合わせられるよう、数多くのセンサーを駆使し「ターマック」「グラベル」「スノー」と3つのモードで対応しており、このモード通りの使い方に加えて、ドライバーが走りやすいモードを選べるという自由さもACDの素晴らしさです。

ちなみに4WDが苦手なスピンターンも、簡単綺麗にテールを流すことが出来ます。

ランサーエボリューションシリーズの最後を飾ったXよりボディがコンパクトで軽量なエボⅨのほうが、トータルバランスに優れたベスト・オブ・エボリューションなのです。

国産セダンのおすすめトップ3【松田 秀士氏の厳選】

安全に早く移動できる最新技術満載の日産 スカイライン HV

ADAS(運転支援機構)のトップレベルにあるのが、日産のProPILOT(プロパイロット)2.0です。2019年にビッグマイチェンを受けたスカイライン HYBRIDに採用されるこの機能は、高速道路の制限速度内にてハンズオフ(両手放し)で走行が可能。以前の日産のCMで矢沢永吉氏が「どうよ!」と両手をステアリングから放す、アレです。

システムはACC+LKA(車線内中央維持)によるもので、ステアリング上右にあるプロパイロットのボタンでスイッチON。速度表示板を読み、その速度に自動で設定も行い、遅いクルマに出会ったらウィンカーを操作するだけで後方から追い越すクルマの有無まで確かめて車線を変更し、追い越しが完了すると元の車線に戻ります。

LKAは高精度な地図データとGPSにより、車線内の中央を驚くほどピッタリと走り、緩いカーブも精密にコーナリングします。さらにバイワイヤーのダイレクトアダプティブステアリングによって、路面の乱れによる外乱を自動修正するなど安全性も高められています。

プロパイロット作動中はステアリングから手を放してもOKですが、ドライバーをカメラでチェックしているので、居眠り、よそ見、スマホをするとすぐに警告が出されますが、このシステムを利用するだけで運転疲労を大幅に軽減し、行動半径が広がります。しかも安全に

スカイライン HYBRIDのパワートレインは、225kw(306ps)6,800rpmを発生する3.5LV6エンジンに50kW(68ps)のモーターを接続した、システム出力268kW(364ps)の強力なユニットで、燃費とパフォーマンスを両立しています。

レクサス IS250/350 Fスポーツ:ノーマルのISとはひと味違った乗り味が魅力

3代目となる現行レクサスISが発売されたのは2013年。すでに8年が経過した長寿モデルですが、昨年(2020年11月)ビッグマイナーチェンジが行われました。

そのなかでおすすめは、シリーズ中最高出力の234kW(318ps)/6,400rpmを発生する3.5L V6エンジンを搭載するIS350(Fスポーツ専用モデル)と、180kW(245ps)/5,200〜5,800rpmを発生するの2.0L直4ターボ搭載のIS300 Fスポーツです。

この2台はエンジンこそ違え、それ以外の仕様は、8速ATのギヤ比、最終減速比を含めほとんど同じが、IS350にはトルセンLSDがメーカーオプションで装着可能です。

ボディは、スポット増しや構造用接着剤の増加で剛性がアップ足回りには、減衰力を電子制御するNAVI・AI-AVSが装備されていて、乗り心地が大幅に進化。低速走行時にはスムーズに路面の凸凹をいなしますが、中高速では足元にしっかり感が出て、かといってバタつかずロールも過度には起こしません。

ブレーキは、ブレンボなどのブランド品ではないアドヴィックス製(失礼な表現!)。しかしこれが素晴らしいタッチと耐フェード性を持っていて、サーキット走行にも十分に耐えるでしょう。

ハンドリングは、ISがベンチマークとしてきたBMW3シリーズを超えたといっても過言ではありません。また室内静粛性も大幅に向上していて、トーボードからのロードノイズの耳障り感を低減。長距離もサーキットもこなす実力派セダンです。

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マツダ 3:デザイン、質感、走りをおおきく引き上げた車

MAZDA3は、アクセラの後継車として2019年5月に発売されました。ボディは、5ドアハッチバックと4ドアセダンの2タイプがあります。

このクルマの注目は、まず引き算の美学と謳われたエクステリアデザインです。サイドにキャラクターラインを使わず、眺める角度によって光の反射が変化する曲面を多用した美しさは、独特の世界観です。

そして、次世代ガソリンエンジンのSKYACTIVE-Xガソリンをディーゼルエンジンのように自然着火させる技術で、超希薄にすることで燃費と環境性をあわせ持っています

エンジンはその他に、通常の2.0Lと1.5Lのガソリンと1.8Lのターボディーゼルがチョイスできます。

インテリアも質感が高く、日本車らしくないモダンで居心地の良い空間を創り出すなど、マツダらしいデザインと質感にこだわるモデルですが、走りも先代アクセラからおおきく進化したポイント。

米国ロサンゼルスで開催された発売前の試乗会では、市街地から高速道路、そして山のワインディングとあらゆる環境を走り回ったのですが、ハンドリングがとても自然で思い通りのラインをトレースすることが可能。高速道路では、室内の高い静粛性にくわえ、自立直進性のしっかりした走行安定性による安心感の高い機動性も確認できました。

国産セダンのおすすめトップ3【小鮒 康一氏の厳選】

日産 スカイライン(V37):ハイブリッドには最新のプロパイロットを搭載

日産の看板車種でもあるスカイライン。V37型と呼ばれる現行型は、デビュー当初はインフィニティのエンブレムを装着し、“日産”という社名を出さないまま販売されるという戦法が採られていました。しかし、残念ながら販売面では苦戦が続き、ビッグマイナーチェンジのタイミングでふたたび日産ブランドに戻したという過去があります。

そんなV37型スカイラインは、マイナーチェンジでハイブリッドモデルには一部ハンズオフ走行も可能なProPILOT(プロパイロット)2.0が、そしてターボモデルには新たに3.0L直噴ツインターボエンジンとなるVR30DDTT型がそれぞれ搭載されました。

ハイブリッドモデルに搭載されたプロパイロット2.0は、それまでの運転支援システムであるプロパイロットにプラスして、3D高精度地図データと周囲360°のセンシング情報をもとに、一部の高速道路でハンズオフが可能となったもの。

言葉で説明するとややこしい感じですが、ざっくり言うと限られた条件下ではほぼ自動運転ができるというもので、長距離移動が多いユーザーにはオススメの装備と言えます。

いっぽうのターボモデルは、通常でも224kW(304PS)を発生する必要十分なものですが、“400R“と名付けられたグレードでは、その名の通り298kW(405PS)を発生する超俊足セダンです。こちらはスポーツセダンであるスカイラインの名に恥じない動力性能を持ち合わせており、走り好きのユーザーにはぜひ乗ってもらいたいグレードです。

プロパイロット2.0を備えたターボモデルが存在せず、どちらかいっぽうしか選べないというのが唯一の残念ポイントかもしれません。

トヨタ カローラ(12代目) :オジサンイメージを脱却したコンパクトセダン

カローラといえば、オジサンが乗る代表的なセダンというイメージが強いかもしれません。しかし、2019年に登場した現行型は、いまのトヨタ車に共通する若々しいフロントマスクを採用し、オジサンのクルマというイメージを払拭しています。

また内装もかなり質感が向上し、過去のベーシックカーの面影は皆無。さらにパワートレインもハイブリッドとガソリン、そしてガソリンターボという布陣でさまざまなユーザーにマッチするラインナップとなりました。

特にターボモデルは6速MTと組み合わされるため、もはや絶滅危惧種といっても過言ではない“コンパクトセダン×MT”という組み合わせが楽しめる稀有なものとなっている点も特筆すべきポイントでしょう。

たださまざまな部分がレベルアップしたこともあって、価格のほうもレベルアップ。前述のMTモデルでは車両本体価格が250万円弱と、もはやカローラとは言い難い価格帯となってしまっているという事実もあります。とはいえそれは新車時の価格のお話で、もう少し立てば価格もこなれた中古車もジワジワと市場に出てくることでしょう。

セダンということもあって大人しく乗られてきた個体が中心となることが予想されるため、価格がこなれてくるころには、走りを楽しむことができる隠れたベース車ということになる可能性もおおいにありそうです。

日産 フーガ 450GT(Y50):一度は乗っておきたいハイパワーサルーン

世界中で環境問題が叫ばれる昨今、当然ながら自動車についても例外ではなく、ほとんどのメーカーが電動化へ舵を切りつつあるのは皆さんもご存知の通りだと思います。

もちろん、一気にすべてのクルマが電動車になるわけではありませんが、環境負荷のことを考えるとやみくもにパワーのある車両や大排気量の車両への風当たりが強くなるというのも容易に想像ができるというもの。

となると、そういったクルマたちに大手を振って乗れるのはもしかしたら、いまがラストチャンスということになるかもしれません。そこで一度は乗っておきたいモデルとしてピックアップしたのが、初代の日産フーガに設定されていた450GTです。

フーガ450GTはその名の通り4.5LのV8エンジンを搭載したグレードで、最高出力は245kW(333PS)を誇ります。輸出仕様はさらにハイパワーを発生していますが、日本仕様はパワー重視ではなくレスポンスと高回転域の伸びを重視したセッティングということで、少し控えめな数値となっていました。

とはいえ、スーパーGTのGT500クラスに参戦していたフェアレディZやGT-Rにも搭載されていたVK45DE型エンジンですから、その素性は折り紙付きです。

それでいて、見た目は250GTや350GTとほとんど変わらないため、これ見よがし感が控えめなのも分別のある大人としては嬉しいポイントでしょう。

さらに中古車の価格帯もほとんどの個体が総額100万円以内で狙えるという点も美点ではないでしょうか。
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