スペシャリティカーやボンバンなど、最近聞かなくなったクルマ用語

ホンダ プレリュード 3代目

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どの業界にも時代の変化や技術の進歩により使われなくなった用語というのがあるものだが、それはクルマ業界も同じだ。

「そういえば最近聞かなくなったなあ…」というクルマ業界の用語をクルマのジャンルでいくつか挙げてみよう。

文・永田 恵一

永田 恵一|ながた けいいち

1979年生まれ。26歳の時に自動車評論家 国沢光宏氏に弟子入りし、3年間の修業期間後フリーランスに。

得意分野は豊富なクルマの知識を生かせる原稿。自動車メディア業界には数少ないこの世代のフリーランスとして、歩みは遅いが着実に前進中。

愛車はトヨタ86、V12エンジン搭載のトヨタセンチュリー、スバル製のサンバートラック、スズキグラストラッカー(250㏄のバイク)と、雑食というか好みがよく分からないメンバーと暮らしている(笑)。

永田 恵一
Chapter
RV
スペシャリティカー&デートカー
ボンバン

RV

レクリエーショナルビークル、休日に遊びに行くためにも使えるクルマという意味で90年代初めから使われた。

現代のSUV、ミニバン、ステーションワゴン、ピックアップトラックなどが該当したのだが、当時はそれほど数が多くはなく、その種のクルマをRVという言葉でひとまとめにしていたというのが実情だろう。

後にそれぞれのジャンルの車種も増えたこともあり、RVもジャンル別に細分化され、2000年代に入るとRVという言葉はほぼ使われなくなった。

スペシャリティカー&デートカー

セダンやハッチバックといった乗用車をベースにスタイルを2ドアクーペ、3ドアファストバックに替えたスタイル重視の比較的手軽な成り立ちのクルマたちで、相当なスポーツ性も備えるものも多かった。

元祖となるのはアメリカのフォードマスタングで、日本では小さい方だとカローラレビン&スプリンタートレノ、インテグラ、ミドルクラスではセリカ、シルビア、プレリュード、FTOなどが該当した。

この種のクルマは北米に堅調な需要があり、日本でも特に若者の間でバブル期まではよく売れた。しかし、クルマへの志向が広さを重視したミニバンなどに移行し始めると、販売は低迷。現在では「スポーツカーな訳でもない中途半端な存在」となってしまったのか、残念ながら日本で販売される日本車には該当する車種が浮かばない状態だ。

ボンバン

ボンネットバンの略で、主に昭和後半の軽自動車で使われた用語。

というのも1979年に登場したスズキ アルトの初代モデルは軽自動車はリアシートがあっても主に2名乗車までで使われることが多いという調査結果に着目し、ならば「リアシートの広さはさほど問題ないのだから、当時の物品税が掛からない商用車とし、クルマ自体も思い切りシンプルな非常に安価な軽自動車を作ろう」というコンセプトを掲げた。

結果、初代アルトは物品税が掛からないことも含め47万円という激安価格で登場。このコンセプトはドンピシャリと当たり大ヒット車となり、競合車もボンバンコンセプトに一斉に追従。初代アルトの影響で軽ボンバンにも物品税が課せられるようになったものの、それでも軽乗用車と比べれば安く、ボンバンは軽自動車の主流となった。

しかし元号が平成に変わった1989年に物品税は廃止され、代わりに消費税が導入されると軽ボンバンのメリットは薄れ、軽自動車の主流は再び乗用車に移行。軽ボンバンは本来の荷物を運ぶクルマに戻り、ボンバンという言葉を聞くこともほとんどなくなった。
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