若者の車離れにSTOPか!? 漫画『MFゴースト』の魅力とは?

MF ゴースト

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2017年9月、自動車漫画『MFゴースト』の連載が開始されました。コミックス累計4,700万部以上を発行した「頭文字D(イニシャルD)」のコンセプトを引き継いだ内容のMFゴーストは、昨今の若者のクルマ離れに一石を投じる作品として注目されています。そんなMFゴーストの魅力について、紹介していきます。

文・赤井福
Chapter
若者がクルマから離れてしまったワケ
頭文字Dがクルマ社会に与えた影響
MFゴーストは若者に魅力的に映るのか?
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若者がクルマから離れてしまったワケ

日本自動車工業会が発表した2017年度の乗用車市場動向調査によると、若年層の車を買いたくない理由は「買わなくても生活できる」「いままで以上にお金がかかる」「車以外にお金を使いたい」といった回答が多く見られたとのことです。つまりこの若者たちは、車にはお金を使うだけの魅力を感じない、と考えていることが分かります。

そのウラには「買いたいほど魅力のある車がない」と「カーライフに魅力を感じない」という2つの意味合いがあると思います。前者は自動車メーカーに頑張ってもらう必要がありますが、そもそも若年層は”魅力的なカーライフ”を知らない可能性があります。

1990年代まで、運転することは”カッコいい”ことであり、デートにクルマは必需品でした。頭文字Dも1995年に発表され、車の魅力を多様に発信し続けました。F1が地上波で放送されていたり、メディアに取り上げられる機会も多くあり、より車が身近に感じられた時代でした。

頭文字Dがクルマ社会に与えた影響

「価格の高い車が速い車ではない」、「スポーツカーでなくてもドライビングテクニックを磨き、楽しいドライビングを可能にする」というのが、頭文字Dが伝えた魅力でした。時代遅れと言われたAE86(スプリンタートレノ)を自分の手足のように操作し、次々と現れるライバルが乗るスポーツカーに、公道レースで勝ち続けていくストーリーは、スポーツ漫画と似た面白さがあります。

若者が安い中古車を買い、その後のドライビングスキル向上によって、車の魅力を存分に感じられる。また、車を通じた人と人のつながりから、速さを競うだけのものではない、といったことも教えてくれました。

MFゴーストは若者に魅力的に映るのか?

2018年現在、コミックスの発行部数が50万部を超えた漫画『MFゴースト』は、若者の目に触れる機会も増えてきました。ストーリーは、誰でも知っている高級スポーツカーのランボルギーニやフェラーリなどを相手に、トヨタ86がバトルを繰り広げるという内容です。主人公は19歳の青年で、若者が葛藤する姿を描き、作者は、若者世代に焦点を当てたいことがうかがえます。

なにもかもが簡単(スマート)になってしまった現代社会、運転もスマートになってしまっています。ATのツーペダルが当たり前になり、自動運転社会も目指しています。

しかし、一方で、アナログな文化が若者のなかで再燃しつつあります。インスタントカメラやレコードが人気になり、撮り直しのきかないフィルムカメラでの撮影の腕を磨いたり、ノイズの出ないレコードのかけ方を探求したりと、一見すると面倒なことをステータスと感じる若者も多くなってきているのです。

ということは、複雑で面倒な操作を必要とするMT車が、パドルシフトのクルマに競り勝っていくというストーリーは、アナログ回帰している若者にとって、魅力的に映る可能性があるでしょう。
MFゴーストは単なる頭文字Dの続編ではなく、スマート社会に飽きつつある若者へのメッセージではないでしょうか。単なる移動手段と思っている車を、アナログ操作を必要とする魅力的なものと見せることにより、クルマ離れからの呼び戻しと車の魅力の復権を目指しているのでしょう。今後もMFゴーストから目が離せませんね。

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文・赤井福
フリーライター。大学卒業後、金融業に従事。その後、6年間レクサスの営業マンとして自動車販売の現場に従事する。若者のクルマ離れを危惧し、ライターとしてクルマの楽しさを伝え、ネット上での情報発信を行っている。

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