頭文字Dは自動車業界・自動車好きにどんな影響を与えたのか?

イニシャルD

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頭文字(イニシャル)Dは、1995年から2013年まで、ヤングマガジン誌において18年ものあいだ連載された漫画作品です。連載を終えてからも、単行本やアニメ、DVD、映画、ビデオゲームなどで、絶大な人気を誇りました。そんな作品ですから、自動車業界に与えた影響も少なくなかったのです。
Chapter
頭文字(イニシャル)Dという漫画
アジアを中心に世界的な人気
自動車業界に与えた影響
ドリフト競技が定着

頭文字(イニシャル)Dという漫画

頭文字D(通称イニD)は、日本はもちろんアジアや欧米でも人気の高い漫画作品です。

トヨタ スプリンター トレノ(AE86)に乗る主人公が”公道最速”を目指し、成長を重ねてゆくストーリーで、パワーに勝るライバルをさまざまなテクニックで打ち負かす姿に共感したというファンは多いようです。

関東各地の架空の峠が舞台となりますが、いずれも実在する峠をモチーフとしており、周辺の風景がリアルに描きこまれています。

アジアを中心に世界的な人気

全48巻のコミックス累計発行部数は、約4,800万部。アニメの関連CDは70万枚、ビデオとDVDは合わせて50万本が販売されました。

世界中に多くのイニDファンがおり、特にアジアで人気が高く、実写版の香港映画「頭文字D THE MOVIE」も作られたほど。その際には「藤原とうふ店」のモデルとなった群馬県渋川市内の藤野屋豆腐店の看板を掛け換えてロケが行われました。

この藤野屋豆腐店はイニDファンの聖地とされ、日本はもちろん、アジア各国のイニDファンが数多く訪れた過去もあります。※現在、藤野屋豆腐店は閉店。店舗は「伊香保御おもちゃと人形自動車博物館」に移設されています。

また、イギリスのUKトヨタは、現行86をベースにしたGT86 Initial D conceptを発売するなど、その人気は世界中に広まっています。

そんな頭文字Dですが、人気を誇るだけでなく、自動車業界にもさまざまな影響を与えました。果たしてどのような影響でしょうか?

自動車業界に与えた影響

頭文字Dの人気は自動車業界にも、さまざまな影響を与えました。まずは、登場車種が中古車市場で高騰します。

AE86やRX-7(FC、FD)、初期のランエボなど、すでに10年以上が経過していたモデルが、中古車とは考えられないような高値で取引されています(AE86以外は、頭文字Dだけの影響とは言えませんが)。

そして2012年にはなんと、小型FRスポーツカー「トヨタ 86(ハチロク)」が発売されました。頭文字Dが存在してなければ、86の名前はきっと違ったものになっていたでしょう。

ドリフト競技が定着

もうひとつの大きな影響は、モータースポーツとしてのドリフト競技、全日本プロドリフト選手権(通称D1グランプリ)が2001年より開催されるようになったことです。

ドリフト走行におけるテクニックや芸術性、迫力などを争うD1グランプリは、当初こそアマチュアレースにとどまっていたものの、年を追うごとにエントラント、観客ともに増加。2004年からはメーカーワークスの参戦も始まり、モータースポーツの1カテゴリーとして認知されるようになりました。

またドリフト人気はアメリカにも飛び火し、2004年に「フォーミュラ ドリフト(Formula Drift)」が発足。2008年からは、アジアシリーズも開催されるほどになっています。

ちなみにフォーミュラ ドリフトは、映画「ワイルドスピード」のヒットを受けて開催が始まったといわれ、その源流はやはり頭文字Dにということになるでしょう。

日本のみならず、世界中でさまざまなブームを起こすことになった頭文字D。自動車という道具の楽しみ方が変わりつつあることを考えると、今後こういった作品は出てこないかもしれませんね。

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