「ボルボ PV544」とは?3点式シートベルトを世界で初めて採用した車
更新日:2024.09.09
※この記事には広告が含まれます
ボルボは高い安全性で知られる自動車メーカーで、世界に先駆けた先進の安全装備を長年にわたって世に送りだしてきました。
いまや自動車安全装備のスタンダードとなった3点式シートベルトを開発し、実用化したのもボルボです。
ここでは、3点式シートベルトが世界で初めて搭載されたボルボ PV544を紹介しましょう。
文・加藤 久美子
いまや自動車安全装備のスタンダードとなった3点式シートベルトを開発し、実用化したのもボルボです。
ここでは、3点式シートベルトが世界で初めて搭載されたボルボ PV544を紹介しましょう。
文・加藤 久美子
ボルボが開発した安全装備はシートベルト以外に何がある?
PV544を紹介する前に、これまでボルボが世界に先駆けて実用化してきた安全装備についてみてみましょう。
ボルボが3点式シートベルトを実用化して2018年現在でちょうど60年となりますが、ボルボはそれ以外に、たくさんの安全装備を開発してきました。
また、ボルボのスゴイところは3点式シートベルトの特許を無償で公開したことです。そのおかげで世界中の自動車メーカーが3点式シートベルトを採用、交通事故死者数激減に大きく貢献したことは言うまでもありません。
1972年 後ろ向きチャイルドシート
現在、乳児用チャイルドシート(ベビーシート)は後ろ向き装着が基本です。これは、衝撃を背中で受けることでエネルギーを分散し、衝突時のリスクを最小限に抑えるためでした。宇宙ロケット発射時の乗員にヒントを得たボルボは、1972年に後ろ向きチャイルドシートを開発しました。
また身体の小さな幼児の安全性を高めるチャイルドブースターシートを1976年に開発。さらに1990年には、ブースター機能がシートに組み込まれたインテグレーテッドチャイルドクッションを開発しました。
1991年 SIPS(側面衝撃吸収システム)
1994年 世界初のサイドエアバッグを開発
いまでは当たり前になった、側面衝突に対する対応もいち早くボルボが取り組みました。SIPS (側面衝撃吸収システム)と呼ばれるもので、車体の内部構造と衝撃吸収材、シートの強化などにより安全性が大きく高められました。
1998年 WHIPS (後部衝撃吸収リクライニング機構付フロントシート)を開発
追突時、フロントシートが乗員の身体の動きにあわせてリクライニングし、追突の衝撃を吸収するシステムで、むち打ち症などのリスクを大幅に軽減しています。
1998年 インフレータブル カーテン(頭部側面衝撃吸収エアバッグ)
2002年 ROPS(横転保護システム)
2010年 歩行者検知機能付追突回避・軽減フルオートブレーキシステム
そのほかにも、ラムダセンサー(1976年)をはじめ、BLIS/ブラインドスポットインフォメーションシステム(2003年)、低速用追突回避・軽減オートブレーキシステム(2008年) 、ランオフロードプロテクション(2014年)といった技術の採用で、衝突や事故のリスクを軽減しています。
ボルボが3点式シートベルトを実用化して2018年現在でちょうど60年となりますが、ボルボはそれ以外に、たくさんの安全装備を開発してきました。
また、ボルボのスゴイところは3点式シートベルトの特許を無償で公開したことです。そのおかげで世界中の自動車メーカーが3点式シートベルトを採用、交通事故死者数激減に大きく貢献したことは言うまでもありません。
1972年 後ろ向きチャイルドシート
現在、乳児用チャイルドシート(ベビーシート)は後ろ向き装着が基本です。これは、衝撃を背中で受けることでエネルギーを分散し、衝突時のリスクを最小限に抑えるためでした。宇宙ロケット発射時の乗員にヒントを得たボルボは、1972年に後ろ向きチャイルドシートを開発しました。
また身体の小さな幼児の安全性を高めるチャイルドブースターシートを1976年に開発。さらに1990年には、ブースター機能がシートに組み込まれたインテグレーテッドチャイルドクッションを開発しました。
1991年 SIPS(側面衝撃吸収システム)
1994年 世界初のサイドエアバッグを開発
いまでは当たり前になった、側面衝突に対する対応もいち早くボルボが取り組みました。SIPS (側面衝撃吸収システム)と呼ばれるもので、車体の内部構造と衝撃吸収材、シートの強化などにより安全性が大きく高められました。
1998年 WHIPS (後部衝撃吸収リクライニング機構付フロントシート)を開発
追突時、フロントシートが乗員の身体の動きにあわせてリクライニングし、追突の衝撃を吸収するシステムで、むち打ち症などのリスクを大幅に軽減しています。
1998年 インフレータブル カーテン(頭部側面衝撃吸収エアバッグ)
2002年 ROPS(横転保護システム)
2010年 歩行者検知機能付追突回避・軽減フルオートブレーキシステム
そのほかにも、ラムダセンサー(1976年)をはじめ、BLIS/ブラインドスポットインフォメーションシステム(2003年)、低速用追突回避・軽減オートブレーキシステム(2008年) 、ランオフロードプロテクション(2014年)といった技術の採用で、衝突や事故のリスクを軽減しています。
世界初の3点式シートベルト装備車「ボルボ PV544」とは?
PV544は、前任のPV444(1944年発売)を改良するかたちで1958年に発売。1965年までに、243,990台が生産されました。PV444からの改良点は以下の通りです。
・後部座席を改良し居住性をアップして4人乗り→5人乗りへ
・フロントガラスに大型の曲面ガラス(1枚)を採用。リアウィンドウの拡大とともに視界が格段にアップ
・ダッシュボードの上半分にクラッシュパッドを採用。車内の安全性を向上
・スピードメーターは赤い線でスピードを表示する横長の温度計タイプを採用
・4速マニュアルトランスミッションが初めて実用化
・1959年モデルより、世界初の3点式シートベルトを装備
このほか、1961年発売モデルより、排気量1.8Lの「B18」エンジンが搭載され、電気系統も12V電流に強化されています。
また、ボルボ PV544のスペックは以下の通り。
ボディ:2ドアサルーン
トランスミッション:3速または4速マニュアル、フロア取り付けセレクターレバー
ブレーキ:全輪に油圧ドラムブレーキ
ボディサイズ:全長4,450mm×全幅1,590mm×全高1,560mm
ホイールベース:2,600mm
エンジン:直4ガソリンOHV1,582cc 85馬力/5,500rpm
駆動方式:FR
車両重量:960kg
世界初の3点式シートベルト装着車でもあるPV544は、強靭なボディとハンドリングの良さで1950年代終わりから60年代にかけて、WRCの前身となるヨーロッパ選手権をはじめとしたラリー競技でも大活躍を収めました。
・後部座席を改良し居住性をアップして4人乗り→5人乗りへ
・フロントガラスに大型の曲面ガラス(1枚)を採用。リアウィンドウの拡大とともに視界が格段にアップ
・ダッシュボードの上半分にクラッシュパッドを採用。車内の安全性を向上
・スピードメーターは赤い線でスピードを表示する横長の温度計タイプを採用
・4速マニュアルトランスミッションが初めて実用化
・1959年モデルより、世界初の3点式シートベルトを装備
このほか、1961年発売モデルより、排気量1.8Lの「B18」エンジンが搭載され、電気系統も12V電流に強化されています。
また、ボルボ PV544のスペックは以下の通り。
ボディ:2ドアサルーン
トランスミッション:3速または4速マニュアル、フロア取り付けセレクターレバー
ブレーキ:全輪に油圧ドラムブレーキ
ボディサイズ:全長4,450mm×全幅1,590mm×全高1,560mm
ホイールベース:2,600mm
エンジン:直4ガソリンOHV1,582cc 85馬力/5,500rpm
駆動方式:FR
車両重量:960kg
世界初の3点式シートベルト装着車でもあるPV544は、強靭なボディとハンドリングの良さで1950年代終わりから60年代にかけて、WRCの前身となるヨーロッパ選手権をはじめとしたラリー競技でも大活躍を収めました。