3点式と4点式の違いとは?各シートベルトのメリット・デメリットを解説

シートベルト

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普段何気なくシートベルトを締めている方、なぜ一般車には、3点式のシートベルトが採用されているか知っていますか?

シートベルトには4点式や5点式などのシートベルトも存在します。

今回は、3点式と4点式以上のメリットとデメリットを見ていきたいと思います。
Chapter
3点式と4点式シートベルトの存在
3点式シートベルトのメリット・デメリット
4点式シートベルトのメリット・デメリット

3点式と4点式シートベルトの存在

一般車に採用されているシートベルトは、基本的に3点式です。固定は、バックルをワンタッチではめ込むだけなのでとても楽ですね。一方レースの場合、4点式以上のフルハーネスシートベルトが基本となります。

3点式と4点式の違いは、ドライバーのショルダー部をホールドする数の違いで、3点式は左右いずれかの片方、4点式は両肩をホールドする構造で、ドライバーに激しいGがかかった際、ドライバーの身体がシートに固定されることが前提となっています。ちなみに5点式は、股間に1本、6点式は股間に2本のベルトが追加され、よりしっかりとシートに固定されることになります。

公道でも4点式以上を使用すれば、安全性が高まるかと思いきや、4点式以上のシートベルトの使用は、公道では認められていません。一体なぜなのでしょうか。

3点式シートベルトのメリット・デメリット

3点式シートベルトは、ボルボのエンジニア、ニルス・ボーリン氏によって発明されました。誰もが簡単に使用できる作りで、かつ高い安全性を確保できる構造が評価され、今日でもシートベルトの常識となっています。

余談ですが、この技術が広まった背景には、どの自動車メーカーでも使用できるようにと、ボルボが特許を無償で公開したということもありました。

名前の通り、左右いずれかの肩部と腰部の左右、計3点で取り付けられているものが3点シートベルトです。ゆっくり引っ張ると引っ張った分だけ伸びますが、事故などで体が放り出されるような状態のときはロックがかかります。

3点式シートベルトのメリットは、やはり固定方法が簡単かつ安全性が高いことです。ワンタッチで、腰と上半身をしっかりホールドし、外すのもワンアクションで可能です。

車両がなんらかのトラブルに遭った場合に、乗員を一刻も早く車外に出なければならないというときは、このワンアクションで外せるというのが非常に重要なのです。また、車内から救出をする側としてもやはり着脱が用意な3点式シートベルトは有効と言えます。

この3点式は、乗員にある程度自由があり、ナビやエアコンの操作、安全確認の際など、体を動かすことができます。

一方、デメリットに関しては、身体が自由な分、正しく装着しなければ、トラブル時にシートベルトが正確に作動しない場合があります。片腕をベルトから外したり、背もたれに寄りかかりすぎた運転はやめましょう。

4点式シートベルトのメリット・デメリット

4点式シートベルトのメリットは3点式シートベルトよりもしっかり固定ができることです。

レースシーンでは、車両に発生したGによって、乗員の身体が前後左右に降られることになります。そんな状況下でも運転に集中できるように、しっかりシートに体をホールドするのが4点式シートベルトの目的です。

では、デメリットは何でしょうか?

4点式シートベルトは、しっかりシートに身体が固定されるので、ハンドルよりも遠い場所にあるスイッチなどに手が届かなくなります。

そもそもレースは公道とは違い、大きな左右確認や前後各確認は必要ありません。反対にいえば、公道でそういった安全確認が困難になるという理由から、4点式シートベルトの使用が認められていないのです。

また公道ではエアバックが事故の際に頭部や体を守ってくれますが、体が固定されるレースではエアバックが使いものになりません。そこで車両に強い衝撃が加わってもドライバーの首を守るHANSというデバイスの着用が、義務付けられるようになってきました。このHANSは、シートベルトに固定して使用します。

では、日常的にクルマを使用している人がレースにも参加したいという場合は、2台の車を用意しなければならないのでしょうか?

一般道では禁止されている4点式シートベルトですが、もとからある3点式シートベルトを残して、一般道では3点式シートベルトを使用していれば切符を切られることはありません。


いかがでしたか?3点式と4点式シートベルトはまさに適材適所で、シーンによってメリットとデメリットがあるのです。日常的に使用している車をレースにも使いたいという方は、それぞれの違いをしっかり理解することが重要です。

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