ボルボ、乗用車部門が消滅していた!?ボルボブランドの歴史

最初に量産されたボルボ車はこちらの4気筒オープンカー「ÖV4」。1927年4月14日にスウェーデン・ルンドビュー工場から出荷されました。

ボディにはトネリコ材とブナ材で作られた木製のフレームが使用され、シートメタルでカバーされていました。エンジンはサイドバルブ式直列4気筒で排気量は1,944cc。2,000rpmで28bhpを発揮します。

ボディカラーは、紺色のボディ＋黒のウィング(フェンダー)という組み合わせのみで、「Jakob(ヤコブ)」と呼ばれ、親しまれていました。

ボルボはその後も、歴史に残る車を数々、世に送り出してきました。

戦後最大のヒットとなったのが1945年に発表されたPV444です。4人乗り・40馬力・4気筒エンジンを意味します。

モノコックボディに、ラミネート加工を施したウインドスクリーンによって、丈夫な小型車として評価を獲得。発売後13年間で約20万台が生産されました。

その後1956年に発表された121/122Sアマゾンは、近代的な装備と安全性はもちろん、最高出力60馬力の当時としてはかなり強力なエンジンを搭載。優雅で美しいデザインは大変な評判となりました。

ちなみに、ボルボは3点式シートベルトを世界で初めて実用化したメーカーとしても知られていますが、量販車種への本格的な採用は、PV444の後継モデルPV544で初採用されました。

同時期に発売されたP1800シリーズは、アマゾンのシャシーにイタリアのカロッツェリア・フルアがデザインした車体を架装したモデルで、美しいボディデザインでいまだに世界の多くのファンを持っています。

1974年から20年近くにわたって生産され続けていた名車といえば、ボルボ240/260シリーズです。

「ボルボといえばエステート」は、この車から始まりました。また、ツーリングカーレー(グループA)にも参戦し、その活躍からレース界ではFlying Brick(空飛ぶレンガ)とも称されました。

無骨でカクカクしたデザインから、「ボルボは四角い」というイメージもこの車から始まりました。

そして1980年代に入ると、日本での人気も徐々に高まってきます。

日本で販売されたのは4気筒の740、6気筒の760(1982〜1992年)、700シリーズの改良版(側面衝突に対応するSIPSやエアバッグの導入など安全面の改良が主体)となる900シリーズ、850、セダンのＳ、エステートのＶシリーズやカブリオレ、クーペモデル、そしてSUVのXCといった多彩なラインナップとなり、現在に至ります。

ボルボの乗用車部門(VOLVO CARS)は、1999年にフォードのPAG(プレミアム オートモーティブ グループ)に買収され、ボルボ本体からは分離されました。

その後、ボルボ本体は日産ディーゼル(UD)をはじめ、ルノートラックやMACなど、他国の商用車メーカーを買収し、トラックやバス、建設機械など商用車に特化した世界戦略を行っています。

2010年になると、ボルボ・カーズはフォードから浙江吉利控股集団(ジーリー ホールディング グループ)に18億ドルで売却されました。現在、ボルボの乗用車部門はこのジーリー傘下になっています。

とはいえ、ボルボ車が中国車になったというわけではありません。日本に輸入されているボルボ車は、昔から変わらず、スウェーデンやベルギーの工場で生産されています。

 現在、ボルボでは中国市場向けの車は、中国国内で生産されていますが、将来的には中国工場での生産拡大を発表しています。


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