なぜ、日本の高速料金は世界一高いのか?

ユーザーの意識は?

高速道路 料金所

2014年9月に行われた、JAFによる自家用車ユーザー対象の高速道路に対する意識調査によると、高速道路の料金について「とても高い」「やや高い」と回答したユーザーは、合計で92%に達したそうです。

現在の高速道路の通行料金が高すぎる、割引率に対して不満といった意見が多く、利用料金の値下げを進めて欲しい、という声が非常に大きい結果となりました。

高速道路は、物流のみならず観光やレジャーの場面でも、地域経済の活性化も期待できるインフラです。たとえば新規開発されるアウトレットモールなどでは、近くに高速出口が設置されるケースも散見されるなど、その役割は多くの関係者も注目するところです。

その一方で適正な価格で高速道路を利用できていないという声と、今後どう折り合いをつけていくか、難しい問題です。では、なぜ日本の高速料金は高いのでしょうか?

なぜ高速料金が高いのか、その原因は

高速道路

日本の高速道路は”いずれ無料になる”ことが前提で、建設されています。そしてユーザーが支払う通行料金で、道路建設費・管理維持費を賄っているのです。これを償還主義といいます。つまり数十年後、建設費用をペイできたあかつきには、無料にしましょうよ、というわけです。

2014年、高速道路の有料期間を2050年から2065年へと最大15年間延長することを盛り込んだ、改正道路整備特別措置法などの道路関連法が成立しました。ということは、無料化は早くても50年後です。

しかも随時こうした延長措置を行っているのでは、その償還主義の事業スキームは破綻しているとしか言いようがありません。1963年に名神高速道路が出来たタイミングで、この点は問題視されていました。他国のように、税金を原資としなければ返済できないとも指摘されています。

また、日本の地形から橋やトンネルを作るケースが多く、高架率も非常に高いこと、地震が多いことから耐震構造を要すること、買収する地価の問題など、さまざまな点から他国よりも建設・維持管理コストが高くなっているという指摘もあります。

老朽化すれば補強ないし再建設の必要もあるので、維持費は恒久的に発生していきます。そうすると、そもそも償還主義自体に無理があるというのは自明の理ですよね。通行料金が高い要因は、このあたりにあるのではと考えます。

どうすれば高速料金は下げられるのか

首都高速道路

高速道路には、黒字の路線もあれば、当然赤字の路線もあります。つまり、黒字路線で赤字路線を維持管理しているわけです。その費用は、すべてユーザーの通行料からまかなわれているので、黒字路線しか使わないドライバーは、なんとも釈然としない部分がありますよね。

前述のように、数十年後にすべて返済するという設定のもと、高速道路利用料金が定められるため、割高になっています。であるならば、返済期間を撤廃して恒久有料化にすることで、料金を引き下げることができるということが言えます。

また料金を引き下げることで、移動コスト、物流コストの低下、社会的便益は向上しますから、経済効果も確実に出るとも考えられるはずなのです。

日本の高速道路における今後の課題は?

一方、道路公団の民営化にも問題がありそうです。

高い通行料金が当たり前のように入り、潤沢な資金を得ていると、コスト意識の欠如につながります。また民営化により、整備や保安といった事業コストの中身が見えなくなってしまっており、外部からチェックすることができないという点も問題です。

経営の合理化のための民営化だったにも関わらず、結局は利権の温床ではないか、という意見もあるのです。政治マターの部分ではありますが、我々ユーザーとしては、高速道路行政の見直しについて、議論の喚起を求めないといけないのかもしれませんね。

この記事をシェアする

関連する記事

最新記事