なぜ日本の高速道路は車の大きさによって値段が変わるのか?

高速道路 料金所

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高速道路の乗り口で料金表をチェックすると、車の大きさで料金が変わっています。今更ではありますが、これはどういった理由からなのでしょうか。
Chapter
高速料金の車種区分とは
なぜ車の大きさによって値段が変わるのか?
いずれ無料になれば、車種区分もなくなるわけだが…

高速料金の車種区分とは

高速道路の料金は車の大きさによって異なり、H29年7月現在、以下5区分に設定されています。(※NEXCO中日本HPより抜粋)


軽自動車等

・軽自動車
・二輪自動車(側車付きを含む)

普通車

・小型自動車(二輪自動車及び側車付き二輪自動車を除く)
・普通乗用自動車
・トレーラ(けん引軽自動車と被けん引自動車(1車軸)との連結車両)

中型車

・普通貨物自動車(車両総重量8t未満かつ最大積載量5t未満で3車軸以下のもの及び被けん引自動車を連結していないセミトレーラ用トラクターで2車軸のもの)
・マイクロバス(乗車定員11人以上29人以下で車両総重量8t未満のもの)
・トレーラ(けん引軽自動車と被けん引自動車(2車軸以上)との連結車両及びけん引普通車と被けん引自動車(1車軸)との連結車両)

大型車

・普通貨物自動車(車両総重量8t以上又は最大積載量5t以上で3車軸以下、及び車両総重量25t以下(ただし、最遠軸距5.5m未満又は車長9m未満のものについては20t以下、最遠軸距5.5m以上7m未満で車長が9m以上のもの及び最遠軸距が7m以上で車長9m以上11m未満のものについては22t以下)かつ4車軸)
・バス(乗車定員30人以上又は車両総重量8t以上の路線バス、及び車両総重量8t以上で乗車定員29人以下かつ車長9m未満のもの
・トレーラ(けん引普通車と被けん引自動車(2車軸以上)との連結車両、けん引中型車と被けん引自動車(1車軸)との連結車両及びけん引大型車(2車軸)と被けん引自動車(1車軸)との連結車両)

特大車

・普通貨物自動車(4車軸以上で、大型車に区分される普通貨物自動車以外のもの)
・トレーラ(けん引中型車と被けん引自動車(2車軸以上)との連結車両、けん引大型車と被けん引自動車との連結車両で車軸数の合計が4車軸以上のもの及び特大車がけん引する連結車両)
・大型特殊自動車
・バス(乗車定員30人以上のもの、または車両総重量8t以上で車長9m以上のもの(いずれも路線バスを除く)

このように種類は細かく分類されていますが、要約すれば「車両が大きく重いもの」ほど料金が高くなっているといえますね。

つまり、重量が大きいクルマほど道路に与えるダメージが大きい=維持・補修費用がかかる、というわけです。

なぜ車の大きさによって値段が変わるのか?

実は、高速道路は「いずれ無料化する」ことが前提となっています。こうした通行料等から設置コストを完済した際に無料化する、という償還主義に基づいています。たいていの場合、建設費、用地費用、利息といった費用をおよそ40年ほどで返済するスキームで行われているのです。

それをもとに考えると、確かに大きく重いクルマほど道路に与える負荷・ダメージが大きいため、維持コストも必要になるから多めにとりますよ、という事になります。

この点は理解できますが、たとえば普通車でも1トンを切る車種から2トン以上の車種もあるわけですし、二輪車と軽自動車では、重量もタイヤの数も違うなど、少々不公平感のある算出法なのかもしれませんね。

とはいえ、クルマの車重だけで料金を変えていくということを仮にすれば、これは余計な事務コストや社会コストがかかるため、現実的ではありません。

ちなみに余談ですが、これから政府が導入しようという軽減税率も同様の社会コストが発生するといわれています。

いずれ無料になれば、車種区分もなくなるわけだが…

このように、いずれは高速料金は無料となるのが前提で建設されています。

しかし現実問題、管理維持費は永遠に発生しますし、恒久的に使えるインフラというのはこの世に存在しません。高速道路が無料になるというのは、絵に描いた餅…なのかもしれません。

また、高速料金が変更になるたび、値上がりしているように思います。世界でも日本の高速料金は非常に高いことで知られていますし、物流の便益面を考えても、多くの企業や個人の経済活動に大きな負荷をかけているのは紛れもない事実です。

コンビニに置いてある商品ひとつにも、物流コストとして高速通行料が含まれているわけですからね。

国はこの償還主義から脱却し、別の手法での高速道路の建設・整備を考えるべきではないでしょうか。
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