なぜ輸入車の多くがレザーシートを採用するのか?

クルマの歴史とレザーシート

トヨタ センチュリー 2018

現在では、高級車ならかならずと言っていいほど設定されているレザーシート。じつは、その歴史を辿ると高級=レザーと言い切れない事実がありました。

もともとヨーロッパでは、馬車の時代からレザーで作られたシートはありました。しかし、それは運転席のみであることが多く、後部座席はファブリック(布張り)シートでした。

その理由は、馬車の御者台には屋根がなく、雨などで濡れた状態で座らなければならず、さらに乗り降りの回数が多いため、汚れやすいことから、耐候性や防汚性の高い革が選ばれていたのです。つまり当時は、レザーシート=高級、ではなかったのです。

ちなみに、今でもトヨタの最高級セダンであるセンチュリーなどは、本革はオプションで、瑞響(ずいきょう)と呼ばれるウールファブリックが標準の装備となっています。

その瑞響には、3種類のカラーが用意されていることも、通常の市販車とは異なる点で、高級=ファブリックという伝統を残している数少ない例なのかもしれません。

運転する楽しみを覚えた上流階級

ロールス・ロイス コノリーレザー

馬車の時代から自動車の時代へと変わり走行性能も高くなり、自動車が買える上流階級のなかには、自ら運転を楽しむ人たちも増えてきました。

そのようななか、もともと運転席のみだった革シートは、もはや使用人のためのシートではなくなり、徐々にすべての席でも使われるようになってきたのです。

また、ヨーロッパでは古くから家具としてのソファーがありますが、そのなかでもとりわけ革張りのソファーは製造が難しく、革の選定や縫製、裁断などは熟練の職人の手によって作られる高級品でした。

このような文化的な背景も、輸入車に革シートが多いことの理由のひとつと言えます。

ヨーロッパの気候と革シート

レザーシート BMW M

温暖湿潤な日本とは違い、ヨーロッパは西岸海洋性気候や地中海性気候が多く、冬は寒いですが、夏は日本ほど高温多湿ではありません。このため、革シートであってもそれほど蒸れることがなく快適に乗車できます。

また、一般的に水に弱いと言われる革にとって、湿度の低い環境は耐久性の点で日本より有利。このような気候的な要因も、輸入車に革シートが多い理由です。

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