なぜ輸入車の多くがレザーシートを採用するのか?

クルマの歴史とレザーシート

トヨタ センチュリー

今では高級車には必ずと言っていいほどオプションの設定があるレザーシート。実はその歴史を辿ると高級=レザーシートでもないのです。
もともとヨーロッパでは馬車が主流だった時代からレザーで作られたシートはありました。

しかし、それは運転席のみであることが多く、後部座席はファブリック(布張り)のシート。
その理由としては運転手=使用人。乗り降りの回数も多く、雨などで濡れた状態で座ることもあるため、汚れやすいことからで耐候性や防汚性の高い革が選ばれていたのです。
つまり、当時はレザーシート=高級ではなかったのです。

ちなみに、今でもトヨタの最高級セダンであるセンチュリーなどは本革もオプションでは選べますが、ウールファブリック「瑞響(ずいきょう)」という布シートが標準でありメインの選択肢となっています。
また、本革よりも多い三種類の色が選べるところからも重視されていることからも、高級=ファブリックという伝統を残している数少ない例なのかもしれません。

運転する楽しみを覚えた上流階級

馬車の時代から自動車の時代へと変わり走行性能も高くなり、自動車が買える上流階級の中には自ら運転し、運転を楽しむ人達も増えてきました。
そのような中でもともと運転席のみだった革シートは、もはや使用人のためのシートではなくなり、徐々にすべての席でも使われるようになってきたのです。

また、ヨーロッパでは古くから家具としてのソファーがありますが、その中でもとりわけ革張りのソファーは製造が難しく、革の選定や縫製、裁断などは熟練の職人の手によって作られる高級品でした。
このような文化的な背景も、輸入車で革シートが多いことの理由の一つと言えます。

ヨーロッパの気候と革シート

温暖湿潤な日本とは違い、ヨーロッパは西岸海洋性気候や地中海性気候が多く、冬は寒いですが、夏は日本ほど高温多湿ではありません。
このため、革シートであってもそれほど蒸れることも少なく快適に乗車できます。
また、一般的に水に弱いと言われる革にとって、湿度の低い環境は革にとっては耐久性の点で日本よりは有利。
このような気候的な理由というのも輸入車に革シートが多い理由の一つです。

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