2015年ランエボ生産終了!23年の歴史に幕を下ろしたその理由とは?

ランサーエボリューションⅠ

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2015年4月に現行モデルを最後に生産終了が発表された三菱ランサーエボリューション。

長年、ライバル車種と言われてきたスバルインプレッサなどが現在も販売されている中、なぜランエボだけが生産終了となってしまうのでしょうか?
Chapter
ランエボの歴史
車を取り巻く環境の変化やスポーツカーの衰退
三菱を襲った不祥事や不運
三菱と他社の明暗を分けたもの
最後のランサーエボリューション
ランサーエボリューションの歴史

ランエボの歴史

「ランサーエボリューション」は、1992年に当時のランサーをベースにハイパワーターボエンジンを搭載したスポーツモデルとして誕生。以降、初代のランエボIから2007年発売の現行モデルであるランエボXまで、23年間にわたり販売されてきました。多くのレースにも参戦し、WRC制覇や全日本ラリー選手権5連覇などの輝かしい戦績も残しています。

現行モデルはベース車の「ランサー」が販売終了となったため、後継車である「ギャラン フォルティス」がベース車となり、今年8月に発売される1,000台限定の「ランサーエボリューション ファイナルエディション」の販売をもって、その23年の歴史に幕を下ろします。

三菱の逸品。「ランエボ」の華麗なるヒストリー

車を取り巻く環境の変化やスポーツカーの衰退

1990年前後のバブル期には自動車販売も絶好調で、今となっては考えられないほどの新車自動車販売数となっていました。例えば1990年は登録車+軽自動車で販売台数約745万台となっており、2014年の約530万台と比較すると、現在は1990年当時より3割も減少しています。

そして、そうなってくると、まず大きく影響を受けるのが趣味性の高い車や贅沢品の部類に入る高額な車です。スポーツカーも当然大きな影響を受け、ほとんどの車種が例外なく年々販売台数を大きく減らしていきました。ランエボも発売以降の累計販売台数は15万台と、決して売れなかった車ではないのですが、2013年の年間販売台数はたったの621台とピーク時の15分の1にも満たない販売台数となってしまいました。

そしてそれに追い打ちをかけるように、2003年のプリウス発売以降、売れる車は燃費重視のエコカーにどんどん偏っていきます。2004年ころには年間5万台程度の2代目プリウスも2010年には年間販売台数30万台を突破しました。売れる車は燃費重視の車やミニバン、SUV、そして軽自動車にどんどんシフトしていき、スポーツカーの立場は益々厳しくなっていきます。

また、上記と平行して若者の車離れなども言われるようになり、20~30年前はスポーツカーに憧れを持つ若者が普通だったのに対し、現在ではスポーツカーに憧れを持つ若者が希少な存在になりつつある、といってもいいのではないでしょうか。

三菱を襲った不祥事や不運

先に述べたように時代的にただでさえ車が売れなくなっているのにも関わらず、その事件は起きました。「三菱リコール隠し」です。2000年に三菱ふそう、そして2004年には三菱自動車の内部の不正、隠ぺいが発覚し、三菱自動車の信頼は失墜しました。

2000年には約50万台あった販売台数も2004年には約20万台に激減。その後も2012年までほぼ減り続け、2005年には2000年に資本提携を結んだダイムラー・クライスラーからも提携解消をされてしまいます。

そして、更にこれに追い打ちをかけたのが2008年のリーマンショックです。ただでさえ、減少の一途をたどっていた三菱自動車の販売台数は、これによって2014年の10万台規模までほぼ毎年減少し続けてしまいます。

三菱と他社の明暗を分けたもの

こうして、三菱自動車の経営状況が最悪の状況となった三菱自動車は、三菱グループの支援を受けることとなり、三菱グループ内の様々な業種から経営陣に人材が送り込まれました。

そうした元々クルマ業界に縁もなく、クルマに強い思い入れもない人たちにとってみれば、多大なお金のかかるモータースポーツ活動や台数が売れないスポーツカーなどは、効率が非常に悪い、優先度の最も低いものにしか思えなかったわけです。

こうして経営再建の為に、ランエボなどの不採算車などは生産終了とし、利益の出やすい車種や将来性があると思われる車種に経営資源が集中されることになりました。

日産 フェアレディZやマツダ ロードスターも、2014年の年間販売台数は600~700台程度です。日産は三菱やマツダと会社規模が違いますが、それでも他社では現在もこういった「台数は売れない」車種も新型車が投入され、販売が続いています。

ランエボと他社の明暗を分けたのは、売れなくても熱い気持ちで売り続けていきたい!という企業風土を企業内に存続できたかできなかったかの違いかもしれません。

最後のランサーエボリューション

最後に、8月に発売の限定車「ランサーエボリューション ファイナルエディション」の仕様を簡単にご紹介します。あまりの人気に4月の先行予約後、すぐに予定数に達して完売したようです。

ランエボXの最終仕様である「ランサーエボリューション ファイナルエディション」の仕様は下記のようになっています。

【主要諸元】
全長X全幅X全高:4,495X1,810X1,480mm
車両重量:1,530kg
エンジン:4B11 MIVEC インタークーラーターボ
最高出力:313ps/43.7kgf
トランスミッション:5速マニュアル
タイヤ:245/40/R18 93W
価格:4,298,400円(消費税込)

【特別装備】
BBS社製専用ダーク塗装18インチホイール/専用グリル、バンパー/専用チューニングエンジン/ハイパフォーマンスパッケージ標準装備/RECARO社製レザーコンビ―ネーションシート/Final Editionエンブレム/シリアルナンバープレート/他

いかがでしたでしょうか?

自動車業界を取り巻く社会環境の変化や不祥事に見舞われ、生産終了となってしまったランエボ。非常に残念ですが、先に述べた理由などによってライバル車たちと命運が分かれ、生産終了という結末になってしまったようです。

しかし、ランエボファンはいつかまたホンダ NSXのように、ランエボが復活してくれる事を期待して待っているはずです!次の「ランエボ」となる車の登場が待ち遠しいですね。

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ランサーエボリューションの歴史

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