世界ではポピュラーなメーカーのヒュンダイ!なぜ日本では走っていないのか?

ヒュンダイ ヴェロスター N 2018

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韓国を代表する自動車メーカーである「現代(ヒュンダイ)自動車」。日本での認知度は低く、販売台数もごくわずかなので街で見かけることはほとんどありません。しかしヒュンダイ自動車の販売規模は、世界トップクラスなのです。なぜヒュンダイ自動車は日本で見かけることが少ないのでしょうか?

文・西川 昇吾

西川 昇吾|にしかわ しょうご

1997年生まれ。富士スピードウェイ近隣で生まれ育ち、大学で自動車に関する学習をする傍ら、自動車ライターとしての活動を始める。過去にはコミュニティFMのモータースポーツコーナーにてレギュラー出演経験あり。「書くこと、喋ることで自動車やモータースポーツの面白さを伝える」を目標とし、様々なジャンルのライティングや企画に挑戦中。

西川 昇吾
Chapter
そもそもヒュンダイ自動車はそんなに世界で売れているのか?
そもそも日本にヒュンダイディーラーってあるの?
日本市場での「輸入車」の立ち位置とヒュンダイのミスマッチ
今後日本市場で再びヒュンダイ自動車は販売されるか?

そもそもヒュンダイ自動車はそんなに世界で売れているのか?

「日本で見ないけどホントにヒュンダイの車って世界で売れているの?」と思う方もいるかもしれません。実はホントに売れているのです。

2018年のデータによると、自動車販売台数は世界第5位となっています。(傘下の起亜自動車を含む)その販売台数はなんと739万台!この台数はホンダの523万台やフォードの598万台をも上回ります。実は世界でヒュンダイ自動車は評価されているのです。

そもそも日本にヒュンダイディーラーってあるの?

これだけ売れていたら日本の街中で見かけてもおかしくなさそうですよね。でも皆さん考えてみてください。日本の道路でヒュンダイを見ることは少ないですが、そもそも街中でヒュンダイのディーラーを見かけたことがありますか…?

ないですよね。そう、これなんです。日本でヒュンダイが走っていない理由。日本での販売網がないのです。「それなら日本市場にも進出すればいいじゃないか」という声も上がると思いますが、実はヒュンダイは過去に日本市場に進出し、苦い経験をしました。

日本市場での「輸入車」の立ち位置とヒュンダイのミスマッチ

ヒュンダイ自動車は2001年に日本市場に進出しました。しかし、日本市場での販売台数は思うように伸びず、もっとも登録台数が多かった2004年でさえ2,524台の登録に留まります。その後年を追うごとに登録台数は減少していき、2010年に日本の乗用車市場から撤退しました。

ヒュンダイ自動車が日本市場で成功しなかったのは、輸入車としての魅力が日本でなかったことでしょう。日本市場での輸入車とはプレミアムカーが中心なのです。そうなると輸入車に求められるのはブランド力やデザイン性、走行性能などです。

欧州各社などに比べると自動車メーカーとしての歴史が浅いヒュンダイ自動車は、ブランド力に欠けます。デザイン面でも特段優れている訳ではありません。スーパースポーツのような走行性能を誇るモデルもラインナップにあった訳ではありません。

そうなると輸入車としての魅力は特段無くなってしまうのです。確かにヒュンダイの車は工業生産としてみれば優れているかもしれませんが、日常の「足」として車を求める人は、安心して乗れて壊れにくい、信頼性も高くてアフターサービスも充実している日本車を選ぶのです。

当時のヒュンダイ自動車にとって日本市場は付け入る隙が無かったのです。しかしバスブランドであるユニバースは日本バス市場でも健闘し、現在でも販売が続けられており、たまに日本の道路でもその姿をみることができます。

今後日本市場で再びヒュンダイ自動車は販売されるか?

ヒュンダイ自動車が日本市場で成功を収めることができなかったのは、日本市場が一種のガラパゴスのような特殊な市場だったからでしょう。安く乗るなら…で選択されるのが、世界一信頼性が高いと言われる日本車なのですから。

ラリーを中心にモータースポーツでの活躍も目覚ましいものがある最近のヒュンダイ自動車。今後モータースポーツ活動などでブランド力をつけ、より際立ったモデルが販売されれば、日本市場で再び販売されることがあるかもしれません。
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