エンジンルームからの「キュルキュル」という異音…その原因と対処法は?

メルセデス ディーゼルエンジン

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エンジンルームから「キュルキュル」と聞きなれない異音がすることがあります。おおよそエンジンルーム内のベルト類が音の発生源です。ベルトには、タイミングベルトの他に、ファンベルトやオルタネーターベルト、エアコンベルトなど様々な種類があります。

それぞれの役割と異音発生時の確認、対処法についてみてみましょう。
Chapter
まずはタイミングベルト
他に必要な動力を生み出すベルト
劣化するとどうなる?
どのベルトが劣化してるか知るには?

まずはタイミングベルト

タイミングベルトは、クランクシャフトカムシャフトをつなぐベルトです。クランクシャフトカムシャフトの回転タイミングを上手く合わせるベルトであるため、タイミングベルトと呼ばれます。

このベルト、実はボンネットを開けても目に見える場所にはありません。目の前に見えているベルトをタイミングベルトだと判断してしまったら、それは間違いですので気を付けましょう。

タイミングベルトは、カバーなどで保護されており、内側に入っている場合がほとんどです。これは、異物などが挟まりタイミングがずれるとエンジンが正常に動作しなくなる可能性があるためです。

そして、おおむね10万キロに達する頃に一度交換する必要がある部品です。また、ゴムを主成分としているため、走行距離が伸びなくても、製造から年数が経っている場合は点検が必要です。最近では、タイミングベルトを金属製のチェーンで構成しているエンジンも多く、チェーンの場合は25万キロ程度までメンテ不要ともいわれています。

他に必要な動力を生み出すベルト

さて、タイミングベルトとは異なり、露出しているベルト類も多々あります。それが、ファンベルトやエアコンベルトなどです。高級車などでエンジンルーム全体がカバーされた車だと見えにくいのですが、多くの車では目視確認することが可能です。

これらのベルトは、クランクシャフトの回転運動をベルトを利用して、オルタネーターやエアコン、パワーステアリングやウォーターポンプなどを動作させるために使います。

古い車やパワーの小さい軽自動車を乗ったころがある方であれば、エアコンを動作させるとパワーが落ちる、という経験は少なからずあるのではないでしょうか。エアコンの動力は、エンジンから取っているため、エアコンが動作しているかどうかで、エンジンパワーに大きく違いが出たためです。

ある程度、排気量やパワーのある車であれば、体感する程パワーダウンしないため関係ありません。1本のベルトで構成されているモデルもあれば、用途に応じて複数のベルトが存在するものまで様々で、一概に語れるものでもないと言えます。

劣化するとどうなる?

ベルト類は、ゴム製であることがほとんどです。タイミングチェーンを使っているケースもありますが、金属製のチェーンはゴムに比べて数倍重くなります。この重いチェーンを駆動させるためには、それだけエンジンパワーもロスしますので、すべての車が同じようにできるわけではありません。

そのため、ゴム製のベルトが多いわけですが、ゴムは比較的短期間で劣化をします。劣化したゴムは弾力を失い徐々に硬く縮んでいきます。また、エンジンルーム内は少なからずオイルの成分が飛び交う場所であり、これらもベルト類の劣化を早めます。

そうして劣化したゴムは、滑って上手く回転しなくなります。ゴムが硬化している証拠です。そのまま放置すると、ひび割れが発生したり、最悪の場合切れてしまいます。例えば、エアコンベルトであれば、エアコンが動作しなくなるだけで済みますので、走行はできますが、パワステやウォータポンプ、オルタネーターなどは走行が難しい状況にもなります。

どのベルトが劣化してるか知るには?

ベルトの劣化は、黒板などに使うチョークでわかります。キュルキュルと嫌な音がしたら、一度エンジンを停止し、ベルトの工藤側(プーリーなどと接触する面)にチョークをよく塗ります。

その状態で動作をさせて、音が泣き止んだら、そのベルトが原因です。ベルトが複数ある場合は順番に試していきます。最終的に他のベルトを試して違った場合は、タイミングベルトの可能性も疑いましょう。キュルキュルと嫌な音を立てる原因のベルトがわかったら、その交換を行います。

チョークの粉で、ある程度音が収まりますが、これはベルトが滑らなくなったからで、ベルトの劣化が改善したわけではありません。

また、一度の作業で1本交換しても、2本交換してもあまり工賃は変わらない、というケースもあり得ますので、他のベルトも一緒に交換してしまう方が良いかもしれません。
エンジン周りの部品は、動かしたらすべて一緒に動いていますので、悪い部品だけピンポイントで変えるのではなく、関連部品の消耗品は併せて変えてしまったほうがいいですね。

特に、ベルト類は1本だけ新品になると、滑り方が異なるため、ほかの劣化しているベルトがより切れやすくなる可能性もあります。よく、1箇所壊れて、次々とあちこち壊れた、という人がいますが、これはピンポイントでメンテナンスをしたが故の弊害と言えます。消耗品の交換時期も適切に管理し、一気にリフレッシュしましょう。
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