エンジン自慢?あえてエンジンルームを魅せるクルマ6選
更新日:2024.09.09
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普段はボンネットのなかに収まり、外からは見ることができないエンジン。自動車を構成するあらゆるパーツのなかでも、もっとも重要なもののひとつです。そんなエンジンをあえて外から見えるように工夫されたミッドシップの車たち。エンジンさえも演出の一部としてスタイリングに取り入れた、こだわりのモデルを紹介しましょう。
文・西山昭智
文・西山昭智
①フェラーリ F40
1987年にフェラーリ創立40周年を記念して登場したアニバーサリーモデル。最高速度324km/h(公称)は、市販車として当時の世界最高速度を誇っていました。
戦闘的なスタイリングはピニンファリーナによるもので、エンツォ フェラーリの理念であるロードゴーイングレーシングをかたちにしたスペシャリティカーです。バブル期に発売されたことで、瞬く間にプレミアムがついたことでも話題となりました。
3.0L V型8気筒DOHCエンジンにIHI製のターボチャージャーを2基搭載。その美しいエンジンは、バルクヘッドの後ろにある透明のエンジンカバーから眺めることができ、テールエンドの黒いメッシュパネルからも目を凝らすと見ることができます。
エンジンカバー部分は単体で跳ね上げることができず、リアセクションを丸ごと跳ね上げ、マフラーなどが剥き出しになった状態でようやくエンジンと直に対面することができます。
戦闘的なスタイリングはピニンファリーナによるもので、エンツォ フェラーリの理念であるロードゴーイングレーシングをかたちにしたスペシャリティカーです。バブル期に発売されたことで、瞬く間にプレミアムがついたことでも話題となりました。
3.0L V型8気筒DOHCエンジンにIHI製のターボチャージャーを2基搭載。その美しいエンジンは、バルクヘッドの後ろにある透明のエンジンカバーから眺めることができ、テールエンドの黒いメッシュパネルからも目を凝らすと見ることができます。
エンジンカバー部分は単体で跳ね上げることができず、リアセクションを丸ごと跳ね上げ、マフラーなどが剥き出しになった状態でようやくエンジンと直に対面することができます。
フェラーリ F40 画像ギャラリー
②エンツォ フェラーリ
F40のデビューから15年後の2002年、フェラーリ創立55周年を記念して登場したエンツォ・フェラーリ。創業者の名前を冠したプレミアム級のスペシャリティモデルです。
1995年に発売された創立50周年を記念するF50と同様に、心臓部には6.0L V型12気筒エンジンを採用。スタイリングは当時ピニンファリーナに在籍していた日本人カーデザイナーの奥山清行氏が担当したことで、日本でも注目を集めました。
フロントドアがバタフライ式でこれまでにないスタイリングを持つエンツォ・フェラーリも、エンジンを覆うカバーをガラスにすることで、「赤い頭」のカムカバーをはじめとするV12エンジンの造形美を、エンジンフードから眺めることができます。
後のラ・フェラーリでもエンジンカバーがガラスで覆われていますが、くさび状になっているので面積が小さく、エンツォ・フェラーリのような開放感あふれる見え方は期待できません。
1995年に発売された創立50周年を記念するF50と同様に、心臓部には6.0L V型12気筒エンジンを採用。スタイリングは当時ピニンファリーナに在籍していた日本人カーデザイナーの奥山清行氏が担当したことで、日本でも注目を集めました。
フロントドアがバタフライ式でこれまでにないスタイリングを持つエンツォ・フェラーリも、エンジンを覆うカバーをガラスにすることで、「赤い頭」のカムカバーをはじめとするV12エンジンの造形美を、エンジンフードから眺めることができます。
後のラ・フェラーリでもエンジンカバーがガラスで覆われていますが、くさび状になっているので面積が小さく、エンツォ・フェラーリのような開放感あふれる見え方は期待できません。
エンツォ フェラーリ 画像ギャラリー
③フェラーリ 360 モデナ
エンジンを見せる演出にこだわったフェラーリは、アニバーサリーモデルやスペシャルモデルだけではありません。F355の後継モデルとして1999年に登場した360モデナもガラスカバーを採用し、エンジンが外から見えるような構造になっています。
3.6L V型8気筒エンジンをミドシップにレイアウトし、赤く塗られた2本のカムカバーの間には、フェラーリのシンボルである跳ね馬が描かれており、Ferrariのロゴマークとともに見せる(魅せる)ことを前提にしたつくりになっていることが理解できます。
工業製品でありながら工芸品のような繊細さをみせるのは、さすがフェラーリ。この演出は、後継モデルであるF430以降にも受け継がれていきます。
3.6L V型8気筒エンジンをミドシップにレイアウトし、赤く塗られた2本のカムカバーの間には、フェラーリのシンボルである跳ね馬が描かれており、Ferrariのロゴマークとともに見せる(魅せる)ことを前提にしたつくりになっていることが理解できます。
工業製品でありながら工芸品のような繊細さをみせるのは、さすがフェラーリ。この演出は、後継モデルであるF430以降にも受け継がれていきます。
フェラーリ 360 モデナ 画像ギャラリー
④ランボルギーニ アヴェンタドール
アウディが初めて手掛けたランボルギーニとして、話題をさらったムルシエラゴ。その後継版であるアヴェンタドールも、エンジンを見せるになっています。
ただし、6.5L V型12気筒エンジンを覆うガラス製のパネルは、ルーバー状に重なっており、フェラーリのようにすっきりと眺めることはできません。パネルそのものも平面になっておらず、一部に角度がつけられているのもその原因のひとつです。
ちなみにムルシエラゴをベースにした限定版のレヴェントンも、同じ素材のルーバー形状ですが、こちらはパネルが平滑なぶんエンジンルームがより見えるようになっています。
ただし、6.5L V型12気筒エンジンを覆うガラス製のパネルは、ルーバー状に重なっており、フェラーリのようにすっきりと眺めることはできません。パネルそのものも平面になっておらず、一部に角度がつけられているのもその原因のひとつです。
ちなみにムルシエラゴをベースにした限定版のレヴェントンも、同じ素材のルーバー形状ですが、こちらはパネルが平滑なぶんエンジンルームがより見えるようになっています。
ランボルギーニ アヴェンタドール 画像ギャラリー
⑤ブガッティ ヴェイロン
超プレミアム級のスーパーカーであるブガッティ ヴェイロン。1999年の東京モーターショーにコンセプトカーが出展され、会場内には黒山の人だかりができるほどの人気ぶりでした。
2005年には市販車の発売を開始。ミドシップに搭載されるエンジンは8.0L W16気筒という変わり種のユニットで、そこに4基のスーパーチャーチャージャーがつけられています。最高速度は407km/h(メーカー発表値)、0-100km/h加速は2.5秒というスペックは、まさにモンスターマシンにふさわしい性能といえるでしょう。
このW16気筒クワッドターボエンジンは、その上にカバーを取り付けた状態で剥き出しのままバルクヘッド後方に配置。フロントシートからでもエンジンを眺められるようになっています。左右シンメトリーに並んだターボユニットの上には「EB」「16.4」の文字がそれぞれ描かれています。
2005年には市販車の発売を開始。ミドシップに搭載されるエンジンは8.0L W16気筒という変わり種のユニットで、そこに4基のスーパーチャーチャージャーがつけられています。最高速度は407km/h(メーカー発表値)、0-100km/h加速は2.5秒というスペックは、まさにモンスターマシンにふさわしい性能といえるでしょう。
このW16気筒クワッドターボエンジンは、その上にカバーを取り付けた状態で剥き出しのままバルクヘッド後方に配置。フロントシートからでもエンジンを眺められるようになっています。左右シンメトリーに並んだターボユニットの上には「EB」「16.4」の文字がそれぞれ描かれています。
ヴェイロン 画像ギャラリー
⑥アウディ R8
フェラーリやランボルギーニといったスーパーカーブランド以外にも、エンジンルームを見せるデザインを採用しているモデルがあります。2006年に登場したアウディのスポーツモデルあるR8がそれで、4.2L V型8気筒エンジンをミドに搭載し、カバーに透明のガラス素材を採用しています。
エンジンカバーは2本のダンパーで跳ね上げることができ、カムカバーにはフォーリングスが描かれるなど見え方にもこだわりを感じさせます。
2016年には、V10エンジンを搭載した2代目のR8が登場。こちらはエンジンルームにカーボンパネルを多用するなど、より美しいエンジンルームに仕上がっています。
エンジンカバーは2本のダンパーで跳ね上げることができ、カムカバーにはフォーリングスが描かれるなど見え方にもこだわりを感じさせます。
2016年には、V10エンジンを搭載した2代目のR8が登場。こちらはエンジンルームにカーボンパネルを多用するなど、より美しいエンジンルームに仕上がっています。
アウディ R8 画像ギャラリー
エンジンを見せる演出方法は、フロントやリアにエンジンを搭載する車ではなかなか難しいもの。造形美にこだわったエンジンをあえて積極的に見せるやり方は、ミドシップ方式のMRモデルだけに許された、ひとつの贅沢。ユーザーの所有欲を満たすのにも、ひと役買っているのかもしれませんね。
西山昭智
大学卒業後自動車雑誌の編集部へ入社。アメリカ車を皮切りに輸入中古車やスーパーカー専門誌の編集部を経て独立。現在も紙媒体の自動車雑誌で編集および執筆を行なっている。正規販売ディーラーや中古車専門店などに取材を行なうことが多く、現場でしか聞けない業界の裏話的なものも取り扱い中。好きな車はフランス車。